MAUNAKEA
2019/07/22ALOHA
今、ハワイのあちこちで行われている抗議デモ
警察による拘束者も出ている模様
(Photo : Hawaii Public Radio より)
その抗議はハワイ島マウナケア山の頂上に建設予定の
大型天体望遠鏡、TMTに対するものだ
4,205メートルの高さを誇るハワイ最高峰のマウナケアは
世界中を見ても天候が安定しているとされ
各国の大型望遠鏡が集まる天体観測の聖地とされる場所
現在13カ国の望遠鏡が並んでいる
(Photo:国立天文台TMT推進室)
そこに新たに日本、アメリカ、中国、インド、カナダの5か国共同で計画したのが
サーティー・メーター・テレスコープ、TMT
建設費、約1,500億円
完成すれば世界最大の望遠鏡になると
2022年からの本格運用を目指し建設が始まった
しかし
- 2014年10月:起工式が抗議活動により一時中断
- 2015年4月:反対運動の活発化に伴い、山頂工事を中断
- 2015年5月:ハワイ州知事がTMT支持とマウナケア管理方針を発表
- 2015年6月:工事再開を予定したが、反対派の道路閉鎖などにより中断
- 2015年11月:ハワイ州警察の協力のもと工事再開を予定したが、ハワイ州最高裁から 工事一時停止命令
- 2015年12月:ハワイ州最高裁が承認手続の瑕疵を理由に保護地区利用許可(CDUP)を無効とし、審査を差し戻す判決
- 2016年2月:ハワイ州土地・天然資源委員 会(BLNR)に審査が差し戻され、委員会が手続きを開始
反対住民らの抗議活動で作業がたびたび中断していた
なぜならこのマウナケアは先住ハワイアンにとっては聖地
2日前にも
「この建設計画は先祖や天国との繋がりに不可欠な場所
そこに手を入れることは、冒涜であり、混乱させる」として
山頂へ通じる道路の封鎖解除を拒否していた約30人が警察に拘束された
(Photo : Hawaii Tribune Herald /
'OUR LAST STAND': Hundreds of TMT protesters block Maunakea Access Road)
世論はどう思っているのか
2015年10月(最高裁判決前) TMT国際天文台 世論調査
Ward Research Inc. が実施、回答数 613※ 「マウナケアでのTMT建設を進めるべきか?」
賛成 62%
反対 29% (ネイティブ・ハワイアンに限定すると賛成44%、反対49%)
•2015年12月28日~2016年1月9日(最高裁判決後) Honolulu Star-Advertiser紙世論調査
Ward Research Inc. が実施、回答数 619 ※ 「マウナケアでのTMT建設を進めるべきか?」
賛成 67%
反対 27% (ネイティブ・ハワイアンに限定すると賛成39%、反対59%)
じつは建設に伴い、現在あるうちの3基は解体し、撤去すると発表した(2015年10月)
赤文字が撤去予定の3基
• CSO(2009年に発表済み) ・UH0.9m(2015年7月) • UKIRT(2015年10月)
日本の展望台すばるは以下の声明を出した
抗議デモ参加者は
「彼らは私たちの海を奪い、農地を奪い、毒をまいた。彼らは、私たちの海岸線を奪った」と話す
当局は、計画を進めるため尽力しているとしているが
開始時期については明らかにしていない
本日、ワイキキでも抗議デモが開催される
(Photo Star Advertiser.com)
ALOHAを探す旅、
「ハワイアンにとって」を考えさせられる問題だ
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