UPDATE : 2026.03.27

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#ART & CULTURE

SUPERFUZZ MUSIC vol.15

Text:TAISHI IWAMI

すでにヒットしている曲だけでなく、そのDJしか知らないであろう曲がクラウドの心を一つにする。前情報のない無名のアーティストや、インディペンデントなアーティストのライブがフロアを大いに盛り上げる。そんなクラブやライブハウスでの音楽や人との出会いに魅了された、一人のオーディエンスでありDJでありライターが、“オルタナティブ”をテーマに、タイムリーなアーティストやおすすめのニューリリースをテキストとプレイリストで紹介します。

bed「風 | Kaze」

東京発の4人組バンド、bedがUKの新興レーベル、Forty Milesから新曲をリリースした。2022年1月に本格始動以来、圧倒的なライブパフォーマンスを軸に支持を拡大。500人規模の自主企画パーティを次々と成功させ、クラブ、ライブハウス、レイヴを横断しながら熱狂を生み出してきた。いまやその噂は海を越え、UKとの2拠点活動が本格化している。

感情が追いつく前に、細胞がひらき、体が震える。これはロックというより、のちに誰かがそれをロックと呼んだ“音楽”に出会ったような感覚。誰もが掴めるほどのきわめてシンプルで原始的な構造に賭ける。その覚悟こそが、まったく新しいものを生み出すほとんど唯一の方法なのかもしれない。多様化、掛け合わせが加速する時代。情報への依存、情報過多によるストレスからの解放と覚醒がここにはある。そこに巻き起こる「風 | Kaze」は、肌を切り裂くように鋭く、それでいて何よりも優しい。

Master Peace『Stupid Kids』

インディーロックやパンクを基盤に、グライムやヒップホップ由来のラップ感覚と歌を掛け合わせる。UKはロンドン発のアーティスト、Master PeaceのニューEPは、ノスタルジーを現代的にアップデートすることよりも、自身のパーソナルなインディー愛をさらに深く掘り下げた作品だ。

それは決して懐古的な作品という意味ではない。直球ど真ん中のパンクロック・アンセム「There’s No More Underground」は、シーンの商業化や可視化が進んだ現代における、アウトサイダー精神の在り方を叫んでいるよう。「Spin The Block」では、インディースリーズのリバイバルに乗って<Running back to what you lost>と歌う。古きを訪ねて今に警鐘を鳴らし、ほんとうの意味での自己を洗い出して奪還する。そんな気概をポップなセンスとともに吐き出した、2026年に聴くべき作品だ。

Girl Group『Little Sticky Pictures』

パンクのエッジと爽快なインディーポップやシンセポップをつなぎ、キャッチーなきらめきをまとわせる。リバプールを拠点に活動する5人組Girl GroupがセカンドEPをリリース。メンバーいわく、デビューEP『Think They’re Looking, Let’s Perform』の姉的な作品とのこと。

確かに、パンクやインディー特有の親近感や生々しさはそのままに、スケール感は確実に増している。4つ打ちの推進力とキャッチーなシンセリフ、美しいコーラスの組み合わせが光る「SuperDrug」や、パンクの爆発力とインディーポップの瑞々しさが同居する「Rage Song」など、バンドのシグネチャーがますます躍動する。曲によって、シンセとギターとベースにボーカル、シンセとボーカルにダンスパフォーマンスなど、編成が変わる個性的なライブパフォーマンスもあわせて、これからの活躍が楽しみだ。

紹介したい曲が絞り切れないことと、もう少しテイストに幅を持たせたくて、今までの20曲から30曲に増やしました。オルタナティブ/インディーロック、完全クラブ仕様のダンスミュージック、ベッドで聴きたい優しいフォークまで。曲順は、流れのなかで文脈も楽しんでもらえるように組んでいます。

 

そして私たちSUPERFUZZは、2026年3月をもって7周年を迎えることができました。まごうことなきロックがかかる時間も、ロックを広義でとらえさまざまな音楽を交える時間もあります。

 

ミニマルなビートの没入感。バンガーが生む一体感。ロックやパンクが最高にカッコいいダンスフロア音楽だと思ってやってます。クラブ音響の爆音でロックが聴けるマンスリーパーティは都内だとおそらくうちだけ。7周年パーティは3月27日の金曜日。ぜひ遊びに来てください。

INFORMATION

  • SUPERFUZZ - Alternative, Indie &Raw Disco Party

    日程:2026年3月27日金曜日

     

    会場:渋谷club Malcolm

     

    オープン:23時30分~5時

     

    入場料:2000円(1ドリンク含む)

    DJ:KEIGO / TAISHI IWAMI

PROFILE

  • TAISHI IWAMI

    10代の半ば、ファッションに対する自我が芽生えるとともに、ロックンロールやパンク/ポストパンク、インディーロックといったロックミュージックのディグに明け暮れるように。そして街で手にした1枚のフライヤーがきっかけで、そういった音楽の流れるクラブへ。おしゃれでカッコいい人たちがダンスに興じるフロアに魅せられ、DJを始める。2019年にオルタナティブミュージックパーティ『SUPERFUZZ』を立ち上げた。毎月渋谷Club Malcolmで開催しているレギュラーパーティだけでなく、Sextile、Automatic、Black Asteroid、VITALINE、Isolation Berlinら、海外アーティストも積極的に招聘している。

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