“Culture Freak(カルチャー・フリーク)”。それは、アートや身体表現、ゲームや音楽、「〜道」など、さまざまなカルチャーに精通する人たち。時に熱狂的なまでに、その “道” を極めようと努める、“フリーク” な人々のこと。
本シリーズ連載では、そんな “Culture Freak” たちが心に抱く熱い想いや哲学を、インタビュー形式でお届け。
フリークス ストア天王寺MIOがリニューアル。それに伴い、上方漫才業界でもファッション通と名高い「ドーナツ・ピーナツ」がファッションアドバイザーとして、リニューアルイベントに登場しファンたちを沸かせた。
今年1月に上方漫才協会大賞を受賞し、今ノリにノっているお二人に「ファッション×お笑い」の共通点や今後についてインタビュー。
Left
別注 フェード加工 サテンツイルベトジャン ¥16,940 tax in / HINSON
タイプライター レギュラーカラーロングスリーブ ストライプシャツ ¥7,480 tax in / FREAK’S STORE
別注 SMU PT-38 SETUP 2TUCK WIDE PANTS ¥6,996 tax in / RED KAP
Right
別注 ヴィンテージライク ヒッコリーデニムカバーオール ¥12,980 tax in / HINSON
Bleach Washed Hidden Logo Crewneck Sweatshirt ¥12,100 tax in / NAUTICA
ーーイベント、大盛況でしたね。率直にいかがでしたか?
ドーナツ:やったことない感じの仕事というのもあって、めっちゃ楽しくやれましたね。衣装もスーツじゃなくてラフな私服のテイストで用意してくださっていたので、もはや仕事という感覚もなかったくらい自然体で臨めました。
ピーナツ:スタッフの皆さんも、前回の小倉のイベントのときと一緒だったので、和気あいあいとできましたね。こうしてお客さんと触れ合う機会って、意外とないんですよ。だから漫才をいつも見てくださっている皆さんと、劇場じゃないところでお話できて新鮮でした。
ーー普段、劇場に漫才を見に来てくださるお客さんが多かったんですか?それともまた別の層の方が多かったり?
ドーナツ:基本的にはライブに来てくださるお客さんと同じ年代の方々が多かったと思います。たぶん、フリークス ストアさんのお客さんも年代が近そうなのもあるかもしれません。
ーー漫才を作る中で、ターゲット層というか、この年代の方々を目掛けて作るなどはあったりするんでしょうか?
ピーナツ:そうですね‥‥無意識にあるんじゃないかな、やっぱり。
ドーナツ:ちょっとカッコつけてるよな?ちなみにあるんやとしたら何歳くらい?
ピーナツ:20代から40代くらいかな。
ドーナツ:幅広過ぎやろ。ジェネレーションギャップあるわ、20歳と40歳とは。
ピーナツ:カッコつけました(笑)等身大でやってるので、あまり意識してないですね。僕らが面白いと思うことをぶつけてるんで、僕らと近い世代の方が来てくれてる感じはありますね。
ーーネタはお二人で掛け合いをしながら作られるんですよね?
ピーナツ:そうですね、なんとなく。でも「こんなんしよか」みたいなのは僕が持っていきます。
ドーナツ:ちょっとだけ上に立とうとするなよ(笑)でも本当に二人で作ることが多いですね。
ーー前回のフリークス ストア×小倉城でのイベントは漫才もありましたが、今回はファンの皆さんとの交流がメインで。参加人数も50組を超えて、店舗の目標売り上げも大幅に達成したそうです。
ピーナツ:前回はお笑い重視でイベントを組んでいただいたんですが、今回はファンイベントというか、色んな企画を提案してくださった感じで。
ドーナツ:本当に、お客さんがちゃんと来てくれて安心しました。普通に芸人やってたらできない仕事なんで、嬉しいですね。何より前回の小倉城イベントもあって、続けて出来たのがよかったです。
ーー今回、フリークス ストア天王寺MIOがリニューアルとのことですが、天王寺周辺の思い出などはありますか?
ドーナツ:それこそ、フリークス ストアさんの難波の店舗は、劇場も近いのでよく行かせてもらってましたね。天王寺の思い出でいえば、若手のときは単独ライブのポスターを作りによく来てました。こんなふうに買い物できるお金がなかった時代の話ですけど。
ピーナツ:あとは「てんしば」でよく日向ぼっこしてましたね。
ドーナツ:してたしてた。本当にお金なかったんで、日浴びるくらいしか遊べることなくて(笑)
ーー今回はフリークス ストアさんが衣装を用意してくださったとのことですが、普段の服装との違いなどはありますか?
ドーナツ:そうですね、新しい自分が見えた気がします。特にこのズボンのステッチが気に入ってますね。めちゃくちゃ可愛い。
ピーナツ:僕は首元からちょこっと見える青いシャツが気に入ってますね。普段、あんまり選ばない色ではあるので。コーディネートしてもらうことなんてあまりないですし、自分で服を選ぶと似通っちゃうので、こうして誰かに選んでもらう体験は新鮮でした。
ーーお笑いもファッションも、日々摂取しているものに少なからず影響を受けて、アウトプットが変わっていくと思うんです。例えば、憧れの漫才に影響を受けるように、この雑誌に影響を受けてこんなファッションをするようになったとか。そういう、お笑いとファッションの共通点や違いみたいなものって、お二人の中であったりしますか?
ピーナツ:それこそ、僕は芸人になってからようやく服に気を使うようになったんですよ。映画を観ていて「この役の人って、この格好だから役柄が活きるよな」と思って、私服はもちろんですけど、漫才の衣装に気を使うようになったりだとか。
ドーナツ:漫才のときはスーツに着替えるので、制服というか、正装みたいな感じで身が引き締まったりする感じがあるんですよ。ファッションにも似たようなところがありますよね、その時々の自分をあらわすものですし。
ーーちなみに衣装はどうやって選んでるんでしょう?
ピーナツ:相方とのバランスは考えますね。気に入った服があっても、相方が似合いそうだなと思ったら買わなかったり。ドーナツのほうがファッションに詳しいので、色々意見もらったりとか。
ドーナツ:なんとなくなんですけど、ピーナツが似合うのが寒色系で、僕が暖色系なんですよ。色味に関しては、暗黙の了解でお互いに調整してますね。
ピーナツ:でもこの前こいつ、私服で寒色系買ってましたけどね。
ドーナツ:それは別にええやろ(笑)
ピーナツ:いやね、ちょっと話逸れるんですけど、こいつ服はまだしも、カバンをめっちゃ買うんですよ。さっきのイベントのときもずっと「このカバンええなぁ」とか言ってたりして。しかも全部デッカいカバンで、仕事のときも京都の劇場だから日帰りなのに3つくらい肩から掛けて、四泊五日みたいな格好で来るんです。
ドーナツ:それも別にええやろ(笑)衣装のカバンと、私物と、他で入り用のものとかで分けたいねん。
ピーナツ:かと思ったら、デッカいカバンから今度は小さいカバン出てきたりして。カバンでマトリョーシカしてるんですわ。
ーーカバンマトリョーシカ(笑)お二人は出身が九州で、そこから東京、大阪と様々な地域を見てきたと思うんですが、地域によってファッションの違いなどは感じたりしますか?
ピーナツ:ああー。それは結構あるかもしれません。街並みというか、街の空気感とファッションは似ている気がしますね。僕らの地元の北九州で、ちょっと都会から離れたところに住んでたんですけど、その「都会との距離感」とファッションは、なんとなく他の地域でも似たような感覚があるかも。
ドーナツ:確かにね。あと、東京は多種多様なイメージがありますね。街ごとというより、駅ごとにファッションが違う感覚で。原宿と渋谷で服装って違うじゃないですか。
ピーナツ:めちゃくちゃ分かる。東京に行ったとき「オシャレやなー!」って思いますもん。色んなジャンルの人たちがいる感じが。ファッションと地域の関係性は面白いですよね。
ーーちなみに、ドーナツさんは無類のファッション好きとお聞きしました。
ドーナツ:やめてくださいよ、めちゃくちゃハードル上がるじゃないですか。
ーーいつ頃から興味を持ったとか、きっかけとかあったんですか?
ドーナツ:高校生の頃、バイトして好きな服を買ったりはしてたんですけど、きっかけで言うとジーパンかもしれないです。先輩から「これがいいぞ」と教えてもらったやつを買って、自分でジーパンの風合いを育てていくじゃないですか。あれが面白くって。
ーー入り口が通過ぎますね。その頃から、好きな服の系統とかは変わったりしたんですか?
ドーナツ:系統というか、自分に似合う服が徐々に分かっていった感じですね。色々着てみて、寄り道して、だいたい絞れてきたというか。
ーーなるほど。すごく恥ずかしい質問をするんですけど、ドーナツさんはご自身でどういう系統の服が似合うなと思うんでしょうか?
ピーナツ:要するに「この服装、俺めちゃくちゃ似合うな〜」といつも思ってるのを聞かれてるで。
ドーナツ:めちゃくちゃ恥ずかしい質問じゃないですか(笑)強いて言うなら、僕の唯一の取り柄が足が長いことなんで、ボディラインが見える感じの服は似合うかなと思いますね。
ピーナツ:ボディラインが分かる、スタイルが良く見える服が似合うと思ってる、と。
ドーナツ:皆まで言わすなよ。
ピーナツ:でも相方、本当に足長いんで似合うんですよ。たまに菜々緒さんみたいなときありますもん。
ーーピーナツさんの方はどうでしょう?
ピーナツ:僕は甘辛系ですね。甘辛ファッション。
ドーナツ:唐揚げの話しとんか?
ピーナツ:ヤンニョム系男子やらせてもらってます(笑)まあでも本当に、顔が糖度高めなんで、辛い感じの服を着ることが多いですね。
ドーナツ:そうか?自ら可愛こぶってる時期あったやろ。この前、虹色みたいなセーター着とったやんけ。
ピーナツ:あれは冒険したんやけど、ムズかったな。
ーーそういえば、マネージャーさんから、ピーナツさんは一人で服屋に行くのが苦手だとお聞きしました。
ピーナツ:行くのが苦手というか、服をこう、見るじゃないですか。あのときに値札を見ているのをバレたくないんですよ。だいたい内側に値札が付いてるから、裏地までよく見てる感じ出しながらチェックしたりして(笑)
ドーナツ:あれ皆するよな。俺もやるわ。
ピーナツ:カバンとか難しいんですよ。値札どこにあるか分からなくて。
ドーナツ:カバンは簡単やろ!中を開いたら値札入っとるから、中までちゃんと見てる感じ出しながらチェックしたらええやん。
ピーナツ:‥‥お前カバン詳しいな。
ドーナツ:罠に掛けんな相方を。
ピーナツ:でも本当に、僕はファッションには疎かったので、まだちょっと緊張します。店員さんに「どんなのお探しですか?」って聞かれても「どんなのを探してるかを探してます」って思っちゃう(笑)
ーー最近だと「芸人=オシャレ」なイメージがあるじゃないですか。
ピーナツ:本当にオシャレな人多いですもん。僕なんかは、ニッポンの社長の辻さんが「ピーナツに似合いそうやし、これあげるわ」みたいな感じでオシャレな服もらったり。
ーー芸人さん同士で、そういうの本当にあるんですね。
ドーナツ:結構ありますよ。先輩からどんどん受け継いだりしますね。ギャロップの毛利さんが、アディダスのブーツ持ってきてくれたりとか。
ピーナツ:すごかったよなあれ、羽根ついてるオシャレ難易度高めのブーツ。
ドーナツ:「好きな人持って帰って」ってメモと一緒に劇場に置いてくれてたんですけど、三ヶ月くらいずっとそのままで。オシャレすぎて誰も着こなせなくて、最終的に劇場の小道具になってました(笑)
ーーまた小っ恥ずかしい質問になるんですけど、「オシャレ」ってどういうことだと思いますか?
ピーナツ:これ俺から言っていい?ドーナツ。
ドーナツ:ええよ。
ピーナツ:新聞で読んだんですけど。
ドーナツ:それやったら新聞読むやろ。お前の言葉で寄越せや(笑)
ピーナツ:これめっちゃいい言葉やなと思ってん!デザイナーさんか誰かの「ファッションとは、人の役に立つことです」って言葉で。
ドーナツ:それ意味わかって言ってるんか?
ピーナツ:まあ俺の言葉じゃなくて、その人の言葉やからな。
ーードーナツさんはどうでしょう?
ドーナツ:そうですね、オシャレってやっぱ「漫才」すね。
ピーナツ:‥‥‥。
ドーナツ:オシャレも自分を知ることが大事だし、漫才も自分を知ることが大事ですし。やっぱりオシャレって「漫才」だと思いますね。
ピーナツ:‥‥‥。
ーー ‥‥‥。
ドーナツ:エグいシケ方しとるやんけ!!
ピーナツ:いやシケてない!シケてないって!沁みてたんよ、ジワーって。余韻。
ーーですね、沁みてました。
ピーナツ:今のところ、ぜひタイトルで使ってやってください。
ーーちなみに、最近熱中しているFREAK!!なことはありますか?
ピーナツ:徐々に仕事も増えてきて、自由な時間が減っているのもあるし、仕事も有難いことにコンビでいただくので、ずっと相方といるんですよ。だからもっと外の情報をキャッチするようになりましたね。本や映画もそうですけど、人の話をたくさん聴くようになりました。「最近どんなことがあった?」とか「何にハマってるん?」とか。
ドーナツ:それこそ、サッカーの「ガンバ大阪」さんの番組をやらせてもらってるんですけど、めちゃくちゃJリーグを見るようになりましたね。「推し」って感覚が分かるようになったんですよ。「推し」がいる人、推してる人の気持ちが分かるようになったんで、それはプラスに働いてると思います。
ーーでは最後に、1月に上方漫才協会大賞を受賞されたとのことですが、それ以降で変化や今後の展望をお聞かせください。
ピーナツ:仕事に対して、緊張感がより出ましたね。でも、まだまだ若手ですし、一生漫才をしていくつもりなので、重みは感じながら守りに入らずにやっていきたいです。
ドーナツ:上方漫才協会大賞をいただいて、責任感が増しました。賞に恥じぬように、自分たちの名前をデカくして、色んな人たちに恩返ししていきたいです。





