暑い、暑い!! とにかくもう、何につけても暑い。全神経を「歩くこと」に集中させて街をずんずん進んでいるだけなのに、たったそれだけで、汗がじんわり滲んでくる。気づけば滝のような流汗、ひたすらまっすぐに「夏」だ。
そんな少々汗臭い僕らの目の前に、一人の天使(言い方、ちょっと恥ずかしいな)が舞い降りた。銭湯アイドル・ゆいのんさんだ。これまで、全国津々浦々30軒以上もの銭湯を訪れてきたという彼女。
『一日に3軒の銭湯を巡ったこともあるんですよ〜』とフレッシュな笑顔で話すゆいのんさんが、都内の銭湯のなかでも特に愛する銭湯『十條湯』を紹介してくれた。なにやらここの銭湯は、渋めの「喫茶店」も併設しているのだとか。いざ、行ってみよう。
壁や床がすべてレトロなタイルで出来ていて、すごく可愛いんです
わたしは特に、古いお店が好きなんですが、ただ古ければいいという訳ではないんですよね。実はわたし、銭湯だけでなく喫茶店や街中華のお店も大好きで。そういったお店に関しても、「古い」というだけで選ぶようなことはないんですよ。
こだわりが感じられたり、お客さんたちからしっかり愛されていたり。その姿こそ、とっても美しいと思います。そういった「歴史」を感じさせてくれるようなお店が大好きですね。
十條湯もそう。壁や床がすべてレトロなタイルで出来ていて、すごく可愛いんです。そういう昔の風情を残しながらも、隣にはモダンな喫茶店があって。そのバランスがすごく面白いなぁと思いますし、すごく好きな銭湯のひとつです。
表面だけではない部分をちゃんと見つめていたい
かわいいですよね、とっても。透き通ったグリーンがすっごくキレイで! しかも、見た目だけじゃなくて、ちゃんと味もおいしいんですよ。少し前に流行った “映え” なんていう言葉が、わたしはどうも正直好きじゃなくて。見た目だけを楽しむだけじゃもったいないし、それを本当の「好き」と呼んでいいのかなぁ、って。
表面だけを切り取ってしまうのは、正直もったいないと思う。流行りがどう、とかではないと思っているんです。
しっかりと本質を見つめていたい。アイドルのお仕事として地方に行っては、空き時間に一人で銭湯へ行って、帰り道に一人でお酒を飲んだりなんかして、を繰り返しているんですが、そういった時にもやっぱり「愛」だったり「歴史」だったりを感じるお店に入っています。
表面だけのレトロさ、見た目だけの可愛さ、ではない部分をちゃんと見つめていたいですし、それこそが、お店に対してわたしたちが向けることのできる愛情なんじゃないかなぁと感じますね。
−−飄々と、にこやかに現れたゆいのんさん。間延びした語尾がキュートだなぁ、ふんわりとした見た目がとっても愛らしいなぁ、なんて少しのぼせながら話を聞いていたのだけれど、彼女が話す言葉の端々には、まるで高温湯の浴槽のお湯がごとく熱いものがあった。
もはや、夏のうだるような暑さをすっかり忘れさせてくれるような、静かにも熱くたぎる愛情があった、と、文章も “ととのった” ところで、今回の銭湯ツアーはおしまい。いやー、良い湯だったなぁ。
PROFILE
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ゆいのん
4月5日生まれ
広島県出身
身長164cm
2018年にグループアイドルとしてデビュー。
2021年11月にソロ活動開始。
銭湯が大好きで様々な湯を求めて日々探訪。
#ゆいのんはいいぞ〜
INFORMATION
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十條湯
〒114-0031
東京都北区十条仲原1-14-2
03-3900-4600<十條湯>
定休日 金曜
月曜〜木曜、土曜 15時~23時
日曜 8時〜12時 15時〜23時<喫茶 深海>
定休日 月曜、金曜
火曜〜木曜、土曜 15時~21時
日曜 8時半〜12時 15時〜23時