UPDATE : 2025.07.08

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#ART & CULTURE

SUPERFUZZ MUSIC vol.8

Text:TAISHI IWAMI

すでにヒットしている曲だけでなく、そのDJしか知らないであろう曲がクラウドの心を一つにする。前情報のない無名のアーティストや、インディペンデントなアーティストのライブがフロアを大いに盛り上げる。そんなクラブやライブハウスでの音楽や人との出会いに魅了された、一人のオーディエンスでありDJでありライターが、“オルナタティブ”をテーマに、タイムリーなアーティストやおすすめのニューリリースをテキストとプレイリストで紹介します。

HOME『HOME EP3』

ソウル/R&Bをルーツに持つseigetsu(Vo.)と、ライブハウスでオルタナティブロックを聴いて育ったshun(Gt.)、クラブシーン/ダンスミュージックから刺激を受けたというo-peng(PC)による沖縄出身の3人組、HOMEが3枚目のEPをリリース。ルーツの異なる3人の色が“洗練されたポップス”に向かってブラッシュアップされていったという、1枚目~2枚目の流れとはベクトルを変え、それぞれの個性を前面に出しながら、新たなポップの概念を切り拓く。

こちらの「city punk」はAphex TwinやSquarepusherといった1990年代発の実験的なエレクトロニックミュージック/IDMのどこか不思議なアンビエンスに、近年のNia Archivesのような、クラブシーンで起こったドラムンベース/ジャングルの再燃が融合したような曲。「カマシ」は、英国ポストパンクやロックの陰鬱と、ダブやブレイクビーツがミックスされた曲で、Massive Attackが1998年にリリースした『Mezzainine』やPrimal Screamの1997年作『Vanishing Point』からの影響を感じる。すべての曲がこれまでのHOMEにはなかったタイプの曲で、幅広いレンジからのミクスチャー感覚、雑食性を特徴としながらも、そこにいるのはまぎれもなくHOME。seigatsuの歌、shunのソングライティングとアイデア、o-pengのビートを練りこむセンスがあれば、何をやってもHOME流のポップミュージックになる。そんな強さを獲得した、彼らの未来がますます楽しみになるアルバムだ。

Yungblud『Idols』

オルナタティブロックやインディーロック、ポップパンクやエモにヒップホップなど、多岐にわたるジャンルを股にかけるUK発の新世代ロックアイコン、Yungbludのよる4枚目のニューアルバム。若かりし頃(と言ってもまだ27歳ですが)のエネルギッシュな魅力はそのままに、洗練された大人の色気が加わり、より豊かで聴きごたえのある作品に。UKのオフィシャルアルバムチャートでは1位を獲得しました。

彼の音楽性を示すうえで先にさまざまなジャンルを挙げましたが、その下敷きにあるのはUK出身でありながらUSのイメージが強いポップパンクやエモ。今回はそこに、90年代のUKを思わせるテイストが強めに。中でもPlaceboやSuedeといったグラマラスなバンドのテイストを見事に溶け込こませているところが、新たな魅力に寄与している部分は大きい。2025年現在、ロックをロックらしく鳴らすことにともなうノスタルジーを否定することなく、そこにまだまだ進化の余白があることを示し続ける。安定感と新たな刺激の両側から衝動を掻き立てられる、素晴らしいアルバムです。

The Molotovs「Today’s Gonna Be Our Day」

The LibertinesやThe Viewを筆頭とした2000年代のUKにおけるロックンロールリバイバル期ほ彷彿とさせるニューカマー。プロフィールには“With Attitude to burn and a fresh, Britpop-meets-punk sound”とストレートに記されています。この曲を含めてまだシングルを2枚リリースしただけですが、The LibertinesやSex Pistolsのメンバーもそのポテンシャルに期待をかけているそう。

まさにパンク由来のシンプルなギターサウンドと跳ねたビート、パワフルでキャッチ―な陽のメロディは、1960年代の英国産ビートバンド、The Jamのような1970年代後半~80年代前半のモッドリバイバルやパブロックからの影響も感じます。トラディショナルでありながらもこのフレッシュな輝き。ルックスもばっちりで、これからの躍進に期待が高まります。

7月11日、いよいよ私たちSUPERFUZZとプロモーター/DJのBLUEMEWによる新パーティ『DUST』を開催します。ということで、ヘッドライナーとしてNYから迎えるBlack Asteroidの曲からスタート。今回は彼がこれまで主な活動の場としていたテクノシーンの枠を超えて、エレクトロやインディーなど多彩なDJセットリストを披露する予定とのこと。私たち日本からのDJも、テクノ、ベースミュージック、パンク/ニューウェーブ、アシッド/サイケなど、幅広いランナップとなっています。オルタナティブなマインドで繋がるクロスオーバーパーティ。すべては2025年を生きるみなさまの輝きのために。CIRCUS Tokyoにてお待ちしています。

 

プレイリストが全体としてはバンドやポップアーティスト色が強めに。昨年末にSUPERFUZZが日本に招いたAutomaticの新曲、2010年代後半から活躍するSorryからも新曲が届き、近年のインディー再注目株であるbar Itariaの積極的なリリース活動は止まることなく、先に紹介したThe Moltovsら新人バンドの勢いも含め、UKのインディーシーンもさまざまなスタイルのバンドにより、ますますおもしろくなっていきそう。

INFORMATION

  • DUST vol.0 -Black Asteroid in Tokyo-

    日程:2025年7月11日金曜日

    会場:CIRCUS Tokyo

    オープン/クローズ:22時30分/5時

    チケット:前売り ¥2,500 / 当日 \3,000 (+1ドリンク代)

     

     

    -Mars Floor-
    Black Asteroid / MAYUDEPTH / SEKITOVA / Marco (Ben) / TAISHI IWAMI /BLUEMEW

     

    -Spiders Floor-
    BU$$IN / Elena Midori / EPHEMER / KEIGO / MASATO(DAYS) / Sho Asakawa / soguiii®

     

     -Styling Booth-
    A Night On The Floor

     

     -Organized by-
    SUPERFUZZ / BLUEMEW

     

     Techno, Bass, Disco, Indie Dance, Punk from past to future

PROFILE

  • TAISHI IWAMI

     10代の半ば、ファッションに対する自我が芽生えるとともに、ロックンロールやパンク/ポストパンク、インディーロックといったロックミュージックのディグに明け暮れるように。そして街で手にした1枚のフライヤーがきっかけで、そういった音楽の流れるクラブへ。お洒落でカッコいい人たちがダンスに興じるフロアに魅せられ、DJを始める。2019年にオルタナティブミュージックパーティ『SUPERFUZZ』を立ち上げた。

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