UPDATE : 2025.08.07

Articles

8

#LIFE STYLE

『微笑ましい家族との距離感と会話の大切さ』

Photo/Text:Kae Homma

イギリスネイティブの友達と一緒に過ごしていると、家族との距離感の近さにいつも驚かされる。もちろん各々の家庭によるが、少なからず私の周りに居るイギリス人の友達は、家族との距離感がとても近い。

日本で暮らしていた頃、友達の両親・兄弟と会う機会は、大人になってからはそうなかった気がする。30代にもなると、結婚式の時に顔を合わせるくらいだろう。けれども、ロンドンに引っ越して来てからは、友達の家族と会う機会が多々ある。

 

お誕生日会(こっちでは自分のお誕生日会を自分で開催するのが一般的)に、両親や兄弟もお祝いに来ることはよくある話だし、ホームパーティーなどでもそうだ。また、シェアハウスが普及しているからかもしれないが、各々の家族がフラットメイトを訪ねてくる時に会う機会もよくある。両親や兄弟だけでなく、家族のパートナーにも会う事もイギリスでは当たり前の環境だ。

 

つい先日も友達から「ブライトンにある実家に帰るから一緒に行く?」と誘ってもらい、彼女の実家にお世話になった。

ブライトンの海、ロンドンを東京で例えると江ノ島くらいの距離感にあって行きやすい

海辺のストレージの使い方は人それぞれ、バーを中に作っている人も見かけた

これまで私の家族も周りからは「加恵の家族は仲が良いよね〜」とよく言われてきたし、実際に私自身も家族仲には自信があるが、家族との付き合い方は日本の家庭とイギリス家庭とでは全く形が異なるような気がする。

兎に角、オープンな関係性

列車に乗る前にM&Sで見つけたおもちゃみたいな衝撃的なおにぎり、寿司って書いてあるし値段も700円(笑)

今回、友達の実家に1泊させてもらい、彼女の両親と合流してからは、夕飯はもちろん、夜に飲みに行く時も、翌日にハイキングへ行く時も全て家族と一緒に時間を過ごさせてもらった。まるで自分の家族と過ごしているかのように、ほっこりと優しい時間が流れていたが、一般的な日本人の家庭では家族とではない限り、このような長い時間を一緒に過ごすことは滅多にない

友達のAimeeとお父さん、Aimeeはイギリスで生まれ育っているけど、彼女のお母さんは日本人

子供の友達にもウェルカムでオープンなイギリスの家庭に対して、あえて干渉しないのが日本の文化だろう。

 

日本には「空気を読む」文化があるからか、プライバシーの尊重として家族内でも良い意味で一定の距離感を保つことが一般的な気がする。遠くからそっと見守るのが日本の親、それに対し情報は常に共有し、何に関してもオープンなのがイギリスの親なのだろう。どちらの方が良い悪いということではないが、子供の友達ともここまでフランクに時間を共有できるのは、この国ならではの良さだと思う。

夜9時前の光、サマータイムはやっぱり最高

コミュニケーションで解決する文化

 

ロンドンに来てから一番驚いたことと言っても過言ではないのが、セラピー(カウンセリング)を受けている人の多さだ。こっちへ引っ越してきて初めて一緒に住んでいたフラットメイトも4人中2人は、専門のカウンセラーを付けていたし、友達でもセラピーを受けている人を沢山知っている。

 

こっちでは「今日はカウンセラーと面談の予定がある〜」と日常会話でもサラッと出てくる程、「病院に行ってくる」くらいの感覚で話されていて、セラピーを受けることを自己メンテナンスの一部として考えている人が多い。また対面だけでなく、オンラインでも気軽に受けられるくらいだ。

 

ロンドンは多国籍な環境であるがゆえに孤独やストレスを感じる場面も多く、雨や曇りの日が多い天候の面からもメンタルが崩れやすいことが関係しているのかもしれない。住み始めて気付いたことだが、この国では、自分の感情を話してシェアすることは、自己理解を深める手段であり、恥ずかしいことではないという認識があることを学んだ。

Aimeeファミリーに連れて行ってもらったハイキング、イギリスは自然が多くて本当に最高

一方で、日本人は自分の気持ちを言語化することや、他人に話すことに慣れていない人が多く、「頑張ればなんとかなる」、「自分でどうにかする」という価値観が生まれつきの環境の中で染み付いている。良く言えば、自分自身で解決しようとする人が多いが、どこか無理をしている人も少なくないだろう。

 

これまでは、周りと波長を合わせて空気を読んで行動する日本人に比べ、海外の人はイエスとノーがはっきりしているという感覚があったが、実際に海外で暮らしてみると自分の意見や感情をシェアすることは、彼らのコミュニケーションの取り方であることに気付かされた。

 

イギリス人の家族と過ごす時間からも学んだ、オープンでいることやコミュニケーションをしっかりととることの大切さは、心の健康に自然と繋がっているのだと思う。

Aimeeのお母さんの畑で育てているお花、ニラや大根など日本の野菜もあった

言葉で話す重要性を教えてくれるイギリス人の気質と、無言で接し、我慢までも美徳とする日本人の気質、このような日本人の心を持てている事は誇りに持ちつつも、イギリスに居るからこそ学べるこのコミュニケーションの取り方にこれからも対応していきたい。

帰りの列車にて

PROFILE

  • 本間 加恵

    1995年生まれ。東京都出身。スタジオアシスタントを経て、2020年に独立。 

    ファッションフォトやポートレートを軸に活動し、ファッションブランドのルックやマガジンの撮影を担当している。 

    2023年に拠点をロンドンに移し、活動中。 

  • NEWLY

    NEWLY

    NEWLY

  • NEWLY

    NEWLY

    NEWLY

  • RECOMMEND

    RECOMMEND

  • RECOMMEND

    RECOMMEND