グラビアアイドル、ジェンダーフリーブランド『Bushy Park(ブッシー・パーク)』を手掛ける渡辺万美さん。海外の『PLAYBOY』のプレイメイトでもあり世界的な活動を続けている。同時にグラビアをアートとして表現する『SCRATCH GIRLS(スクラッチガールズ)』というプロジェクトをプロデュースしている。
そんな渡辺万美さんがグラビアカルチャーの個性を発信する連載“グラビア・フリーク”。
第9回目のゲストは“霊長類最強グラドル”の通り名を持つ、文字通り最強のグラビアモデルでありタレント、俳優の染谷有香さん。昨年出会った際にグラビア愛を語り合ったことで今回の対談に繋がった。互いにとってのグラビア道とは何か。
グラビアを始めたきっかけはタモリさん!
渡辺万美(以下、万美):去年、開催した私とアンディ(写真家のアンディ・チャオ)の写真展『SIREN』に来てくれて、そこで話をしたのが有香ちゃんとの出会いだったね。その時に、すごくグラビア愛がある人だなって思ったの。だから、この連載にも出演してほしいと思って。今日は本当にありがとう。
染谷有香(以下、有香):ありがとうございます!簡単に自己紹介すると、今、33歳で霊長類最強グラドル”って呼ばれたりしています(笑)
万美:そうだよね!それって何がきっかけで呼ばれるようになったの?
有香:週プレ(週刊プレイボーイ)に初めて掲載して頂いた時に担当編集の方が付けてくれたキャッチコピーなんですよ。でも、最初 はそのキャッチコピーに押しつぶされそうになっていたんです。今はいろんな活動を経て、30歳を超えて、ようやく“霊長類最強グラドルっていうことを楽しめるようになってきたんですけどね。
万美:最強ってけっこう強い言葉だもんね。そういう葛藤があったのもわかるな。私もく敵なし!>みたいな強キャラ系のコピーを付けてもらっていたような気がするんだけど、有香ちゃんも若い頃からお姉さんキャラを求められることが多かった?
有香:そうですね。私がグラビアを始めた頃は小さくて可愛い年下キャラ的な女の子が多かったので、私はどちらかというと珍しい方 で、最初は可愛い系の打ち出しが多かったんです。2枚目のイメージDVDをリリースするあたりから、逆に長身を活かすような衣装にしたら、そのDVDがAmazonで1位を獲得して、徐々に長身キャラのジャンルみたいなのが広がっていったように思いますね。
万美:たしかに長身系って有香ちゃんが始まりって感じするよね。そもそもだけど、どういう理由でグラビアをやることにしたの?
有香:それはね、タモリさんなんですよ。
万美:え、どういうこと?(笑)
有香:私、小さい頃からタモリさんに憧れていて、「笑っていいとも」や「タモリ倶楽部』を観て育ったんですね。中でも1番好きなテレビ番組は『ヨルタモリ』で、とにかくタモリさん尽くしの小学生時代を過ごしてきたんです。
万美:なんでタモリさんのことを好きになったの?
有香:どんなスターであってもちゃんと人間として見てくれるような感じがするなって。そういう人に対してフラットで包容力があるとこ ろが好きなのかな・・・・・・。私、小学六年生の時点で身長が165センチあったり、母が中国出身で私自身がハーフだったりしたので、小さい頃 は自分はマイノリティだと感じていたんですよね。でも、タモリさんなら長身とかハーフとかは関係なく、自分の本質的なところを見てく れそうだと思ったのが1つ。もう1つは、タモリさんがやっていた中国人の話し方のモノマネをテレビで見て、母が大爆笑していて、この人はすごい人なんだなぁって幼いながらに感じたんです。
万美:なるほど(笑)。でも、それが、どうやってグラビアデビューに繋がったの?
有香:以前、『少年タケシ』っていうフジテレビのWEBコンテンツがあって、そのイメージガールオーディションが開催されることになっ たんですけど、最終審査の会場がフジテレビの本社だったんです。で、私は田舎者だから『笑っていいとも」の収録がそこで行われている と勘違いしていたんです、アルタではなく(笑)。それで、タモリさんと同じ空間に行けるかもしれないと思って応募したんです。そこで審査員特別賞をもらったのが芸能人生の始まりですね。
万美:そういうことなんだ(笑)。それが19歳くらいでしょ。じゃあ高校卒業してすぐに芸能界へ飛び込んだってことだね。その後はどうなったの?
有香:そのオーディションのグランプリになった子と審査員特別賞になった子たちを集めて、6人ぐらいで事務所を作ろうみたいな話になったんです。そのメンバーの中には俳優業をやりたいという人もいれば、モデルやアーティストになりたいって子もいて、「じゃあ、染谷さんは何になりたいの?」って聞かれたんですね。その時に、何になりたいとかではなくタモリさんに会いたいって答えたんです。
一同:笑。
有香:時の『笑っていいとも」には、小池栄子さんやMEGUMIさんがレギュラーで出演されていたので、「グラビアイドルになって人 気者になったらレギュラーとして番組に呼ばれるかもよ」って言われて、じゃあやります!と。そんな流れでファーストDVDをリリースしたんです。
ヌードは始まり
万美:なるほど、タモリさんがきっかけっていうのはそういう流れがあったわけなんだね。でも、初めてグラビアをやる時もポージングとかわからなかったわけでしょ?どんな風に勉強していったの?
有香:事務所の親会社がグラビアアイドルのイメージDVDを制作する会社で、撮影の現場がたくさんあったんですね。それで、ADさん的 な感じで撮影に参加して見学させてもらっていたんです。その時にこんな世界があるんだってことを学んだんです。撮影には多くの人が携わっていて、タレント1人で作品を作っているわけではないんだってことを体感して、私もやってみたいと思うようになっていったんです。
万美:すごい、そのやり方は新しい気がする。でも、有香ちゃんって真面目で勉強熱心だと思うな。ちゃんと1つ1つの物事を追求して考えているから、私は真逆だから見習わなくっちゃって思うよ。
有香:でも真面目すぎて自分が嫌になる時もありますし、だからこそ万美さんにみんなが憧れるんだと思います。
万美:いやいや、ありがとうございます。でも、有香ちゃんみたいなグラビアの世界への入り方って初めて聞いたかもしれない。
有香:そうですよね(笑)。そもそもの動機が「タモリさんに会いたい」だから、グラビア自体がゴールになることはないんですよ。グラ ビアで売れることや有名になることがタモリさんに通じる道だと思っていたので、そこに到達するためにチャレンジすることは全然怖くなかったんです。
万美:チャレンジという話だと、有香ちゃんは俳優業もやっているよね。19歳でこの世界に飛び込んでグラビアを続けて、どんな風に自分が変化していったの?お芝居にはどう出会ったのかな?
有香:26、7歳の頃、誰もが一度は考えるように、私も人生を振り返るタイミングがあって、何か見えない天井みたいなのを感じていたん ですよね。その時に、一旦活動をお休みして、あとは自分の才能や運に任せようって時期があったんです。そんな生活を半年ほど送ってい たら、今の事務所のマネージャーさんと出会いがあって所属してみないかって言われて、その時にヌードの話があったんです。その時にちょっとやってみたいかもって。
万美:すんなりヌードをやってみたいと思えたんだね。
有香:というのも、私の人生における意思決定の判断基準が、タモリさんに会ってエピソードトークした時に面白がってくれそうか、 カッコいいと思ってもらえるかっていうのがあったので、このタイミングでヌードはありだと思ったんです。それで、ファーストのヌー ドの写真集を出した後からお芝居にも興味を持つようになっていったんです。一つの役を演じた後、グラビア撮影の時の自分の表情が 変化しているように感じて。幸いなことにニッチな役をいただくことが多くて、そこに一生懸命向き合っていくことで、新たな表情や ポーズができるようになって、新たな発見があったんですよ。自分の人生だけを生きてたら、きっとこうはならなかっただろうなってい うのがグラビアで表現できるようになり、お芝居の面白さを知ったんです。それの繰り返しを今は楽しんでいる感じです。だから、俳優として今後やっていきたいと決めているわけではなく変化を楽しんでいるんですよ。
万美:その話を聞いて、私もヌードをやった時のことを思い出したな。自分が理想とするカッコいいグラビアをやりたいと思って、それを実践している人がいなかったから自分がなるしかないだろうと思ったのが26、7歳だったんだよね。それでヌードをやったの。 で、ヌードをやるとさ、たまに「ヌードをやってどうでしたか?」みたいな、ちょっと心ない質問をされることもあるじゃん。そんな中、写真展に来てくれた有香ちゃんが「ヌードは始まりですよ」って言ってくれたことがすごく嬉しくて忘れられないんだよね。
有香:アンディさんが撮ってくれた私の初ヌード写真集のタイトルも『Thisisthebeginning』で、やっぱりヌードは始まりだと思う んですよ。自分の意思があってやったことですから。中には「ヌードをやってどうでしたか?」っていう心境の面をネガティブな感じで 聞きたがる人がいると思うんですけど、そういう人とはもう次元が違うところに私も万美さんもいると思うんです。そのヌードをキャ リアのピークには絶対したくないし、人間が脱いでいるっていうことをちゃんとやっていきたくて、それを真剣にやった時に伝わるものがあると思うので。そういうことを繰り返しやって、見てくれる人が増えたらいいなと思います。
万美:いや、本当に同じ気持ちだし、すごく心強い!最初に有香ちゃんと会って話をした時に私はこれでよかったんだって思えたんだよね。でも、こうなると絶対にタモリさんに会わなくちゃいけないね。有香ちゃんが進んでいく先にきっとタモリさんが待っていてくれる。
有香:そうだったらいいな(笑)。あとは流れに身を任せておこうと思って。私がやれることは、いつタモリさんに会ってもいいように準備をしておくことかなって(笑)。
万美:それって無敵だと思うんだよね。タモリさんに会う日のことを考えて、自分に恥じない活動を続けるのってすごいと思うよ。その カって1番すごいと思う。これからも有香ちゃんの表現や活動がすごく楽しみ!私はグラビアアイドルの子たちが、それこそ26、7歳に なって目標を見失って悩んじゃう子も見てきたし、媒体が減って活躍の場がなくなっていく状況も見て、そういう子が楽しめる居場所を 作ってあげたいと思って、SCRATCHGIRLSっていうプロジェクトをやっているんだよね。並行して海外向けのウェブマガジンの制作も 進めていて、世界の人に日本のグラビアカルチャーを伝えたいと思って活動しているんだよね。それが私の役割なんじゃないかと思ってる。もし機会があったら有香ちゃんも協力してくれたら嬉しいな。
有香:この間『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる」というドラマに出演して、それがきっかけで渋谷の大盛堂書店でファンミーティングを させてもらったんですけど、韓国や中国から女性ファンが大勢来てくれたんですよね。同性だからこそ伝わるものもあったんだろうし、海 外に向けても私のグラビアを届けたいと考えていたところなので、それを万美さんとできたらすごく嬉しいです!私が今ここにいるのもグラビアのおかげだし、そのカルチャーに対して何か返せるものがあるといいなって思うので、ぜひ協力させてください。





