UPDATE : 2025.12.11

Articles

12

#LIFE STYLE

結局、これだからロンドンが好き

Photo/Text:Kae Homma

ちょうど1年前に「ロンドンのリアルを教えて」と言われスタートしたこの連載も今回で12回目。ロンドンに引っ越してきてからの時の流れは本当にあっという間で、もうすぐ3年目が終わろうとしていることに驚く。

 

移民の制限が年々厳しくなってきているイギリスでは、ワーキングホリデーのVisaの期間を終えたら日本に帰国する人達が大半である。初めて会う人からは「もう3年も住んでるの?」と言われることも少なくないが、この国での生活にも慣れてきたと思えるようになったのは、正直ついここ最近の話である。

 

これまでの記事で、物価や食事、仕事や文化の違いと、あらゆるトピックから私が感じたリアルなロンドンに触れてきたが、今回は連載1年の節目に、改めてロンドンの良さを伝えていきたい。

コミュニケーションの始まりは何処にでも

来たばかりの1年目に感じた「この感じ、もしかして私、ロンドンでの生活と合っているのかも?」という感覚と、約3年間住んでも感じている「やっぱりこの感じすごく好きだなあ」という感覚は正直あまり変わっていない。

 

引っ越してきて間もない頃、バスで隣に座っていた人から「Where is this from?」と私が着けていたリングを見て話しかけられたことがあった。始めは「唐突だな〜」と思っていたものの、会話が続くうちに、彼女のプレゼントに指輪を買ってあげたくて探しているのだとか。

他人のプライバシーを尊重する文化がある日本では、「知らない人に気軽に声をかけない」というのが社会的なマナーだが、この国では全く関係ない。驚くくらいにみんなフランクに話しかけてくる。知らない人からすれ違い様に「あなたのファッションいいね!どこの?」くらいの会話は日常茶飯事で、お喋りな人に捕まればなかなか終わらないことだってある。(笑)

 

つい先日も近所のスーパー(Tesco)で買い物をしていた時のこと。前に並んでいた女性から「ポイントカードは持っている?」と聞かれた。ポイントカードを持っている人を対象に割引される商品もあるスーパーなのだが、「持ってるよ」と答えて差し出すと目の前にいた店員さんが笑いながら私のカードをスキャン。割引された彼女とポイントが貯まった私とで、「Yay!! ウィンウィンだね」なんて会話も生まれたりする。

 

他愛もない会話だが、東京にいたら日常的には滅多に起こらないコミュニケーションだろう。

イギリスはカードを送る文化があるので、お誕生日やクリスマスは勿論、何かにつけてカードが貰えて嬉しい

日本にいた頃に居酒屋やバーで飲んでいると、隣の人の会話が気になることがよくあった。「なんだかこの人と気が合いそう〜」なんて感じても、そう心で思っているだけで、話しかけないのが暗黙の了解。ただ会話を楽しみたいという純粋な気持ちも押し殺さなきゃいけない場面が多々あったように感じる。

ロンドンにはミックスの珍しいワンちゃんが沢山いるよ〜、ペットショップがないのもロンドンの好きなところ

そんな日本とは対照的で、イギリスではパブやバーでは、隣に座った人と何かのきっかけで会話が生まれては、そのまま盛り上がって一緒に飲みに行っちゃうことだってある。

無駄な気は遣わずに過ごせるこのフランクさは、間違いなく私がこの国が好きな理由のひとつと言えるだろう。

細分化されているコミュニティ社会と趣味(新しいこと)の始めやすさ

生粋のテクノ好きが集まるフェス、Houghton festival

住んでから驚いたことと言ったら、この街には本当に沢山のコミュニティが点在しているということ。そもそもロンドンが多種多様なバックグランドを持つ人で集まる都市であるからかもしれないが、どんなに珍しい趣味を持つ人であっても、同じことに興味を持つ仲間を気軽に見つけられ、繋がりたい人とは繋がりやすい場所であるように感じる。世界中からあらゆる人種が集まって暮らしているため、困っている人を助け合う力も比較的大きい。

 

音楽は勿論、アート・フード・ウェルネス・アウトドア・コメディ・政治・LGBTQ+とオールジャンルで毎日どこかしらでイベントは開催されているし、その入口も日本と比べてかなりオープンである。

開いているとついつい入っちゃうお家の前の教会、神社はないけど良い教会は沢山ある

初めて会う人に「フォトグラファーをやっているんだ」と話せば、「この暗室でこんなワークショップがあるよ」とか「友達が新しい暗室をオープンするからドリンクイベントに是非遊びにきて」など次々に情報やお誘いが回ってくる。

 

最近では「Hot Yogaにハマっているんだ」と友達に話せば、「ここのスタジオは今トライアルイベントをやってるよ」とか「Guestでフリーチケットをあげれるから一緒に行こうよ」など、新しいことを始めるきっかけもそこら中に沢山ある。

落ち葉も凍る本格的な冬の始まり、クリスマスツリーを買っては運ぶ人が沢山いる時期に

日本では、気になるイベントやコミュニティに参加するためには、まずはそのコミュニティの中にいる人との人間関係の構築が先に必要というのが個人的なイメージで、ハードルが高く感じる人もいると思う。しかし、この街のコミュニティはあくまで目的がベース。やりたいことや気になることがあれば、まずそこに参加して試してみることができる。

 

また「Yes」or「No」の意見をはっきりと伝えることがコミュニケーションの基本のため、実際に試してみたことが自分の思っていたものと違いそのコミュニティから外れても誰も干渉する人などいない。

ひとつのコミュニティに依存している人は少なく、各々が自分たちの目的意識を持つからこそ、同じ目的を持っている人には誰に関してもウェルカムで、人間関係も面倒くさくならないことがとても良い。

 

興味を持ったイベントには誰でも気軽に参加ができ、趣味の幅も広がる。好きなことは自分のペースで続けていけるし、その中で仲良くなる人とは仲良くなるという自然な流れがこの国には存在していて、居心地がいい。

ロンドンに引っ越してきてから3軒目の今のお家

ロンドンに住んで3年弱。引っ越して来なければ経験できなかったことは山ほどある。生活には慣れてきたが、いまだに初めての経験や感情に出会っては目まぐるしい日々を過ごしている。また、引っ越してきて新しく仲の良い友達も沢山できたが、この国で親友と呼べる友達はまだ出来ていない。母国語が異なれど、心を許せると想える友達がいつか出来ますように・・!

PROFILE

  • 本間 加恵

    1995年生まれ。東京都出身。スタジオアシスタントを経て、2020年に独立。 

    ファッションフォトやポートレートを軸に活動し、ファッションブランドのルックやマガジンの撮影を担当している。 

    2023年に拠点をロンドンに移し、活動中。 

  • NEWLY

    NEWLY

    NEWLY

  • NEWLY

    NEWLY

    NEWLY

  • RECOMMEND

    RECOMMEND

  • RECOMMEND

    RECOMMEND