UPDATE : 2025.12.26

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#ART & CULTURE

SUPERFUZZ MUSIC : The Best Songs 50 of 2025

Text:TAISHI IWAMI

すでにヒットしている曲だけでなく、そのDJしか知らないであろう曲がクラウドの心を一つにする。前情報のない無名のアーティストや、インディペンデントなアーティストのライブがフロアを大いに盛り上げる。そんなクラブやライブハウスでの音楽や人との出会いに魅了された、一人のオーディエンスでありDJでありライターが、“オルタナティブ”をテーマに、タイムリーなアーティストやおすすめのニューリリースをテキストとプレイリストで紹介。今回は年末ということで、2025年の年間ベストソング50曲をお届けします。

1. Sextile – Freak Eyes

LA発のユニット、Sextileの最新アルバム『yes, please.』からの1曲。2019年にSUPERFUZZを立ち上げた頃から、いつか日本に呼びたいと思っていた願いが今年春に実現したことも作用しつつ、それを差し引いても1位にしていたと思います。00年代のディスコパンクやエレクトロクラッシュの再燃、レイヴカルチャーの盛り上がりのなかで、時空を捻じ曲げるタイムマシンのようなシンセが渦巻き、キャッチーなパーカッションとメロディが跳ねる。そしてみんな踊る。私たちの関わるパーティでも、もっとも数多くプレイした曲で、これから先も鳴らし続けるでしょう。

2. sombr – back to friends

NY.出身のシンガーシングライター、sombrのデビューアルバム『I Bare Know Her』より。RadioheadやJeff Buckley、The 1975らをルーツ/フェイヴァリットに挙げ、オルタナティブロック/インディーロックとメインストリームの間に色鮮やかな橋を掛ける。すでにストリーミングの総再生回数は20億以上、この「back to friends」はビルボードのシングルチャート入り。そのサウンドスケープやメロディセンス、パフォーマーとしての存在感は、これからの時代を担うであろう可能性に満ちています。

3. bed – Kare Wa 3.0

東京都内を拠点に活動する4人組バンド。2022年からライブ活動を始め、回を重ねるとともにオーディエンスがどんどん増える。渋谷clubasiaで開催している自主企画パーティ『bedroom』の盛り上がりは、パンデミック以降の東京クラブシーンにおけるもっとも大きな現象の一つと言って間違いない。2025年には香港~UKツアーを成功させるなど、グローバルな動きも本格的化の兆しが。有無も言わさず肉体を揺さぶるビート、酩酊感を煽るサウンドやリフ、それらを背負いオーディエンスを刺すボーカルパフォーマンス。そこにはルーツもある。さまざまな音楽的背景も感じる。しかし一切のラベリングはいらない。何かが壊れ新たな宇宙が見える、新たな概念の創造。最高です。

4. Turnstile – LOOK OUT FOR ME

パンク発のDIYな実験精神の高まりは天井知らず。米メリーランド州はボルチモア出身のバンド、Turnstileの5thアルバム『NEVER ENOUGH』からの1曲。ハードコアパンクやオルタナティブロックの強靭な肉体性、1980年代のニューウェーブ/シンセポップや夢見心地なインディーミュージックなどが混ざり合い、最終的にはハウスミュージックの鳴るダンスフロアへ。まったくテイストの異なるジャンルやムーヴメントを、ときに強引に、ときに軽々と越境するミクスチャー感覚や、予期せぬ展開のアイデアの先にあるカタルシスは唯一無二。

5. Fcukers – Play Me

LA出身の3人組、Fcukers。2023年の初来日公演は、新宿SPACEだった。100人入れば身動きが取れない小さな箱だったが、そこからグラストンベリー・フェスティバルで多くのオーディエンスを魅了し、ボイラールームでのパフォーマンスも大好評を得るまでに。インディーミュージックの手作り感覚をもってクラシカルなドラムンベースのパワフルなビートを乗りこなしたフロアバンガー。知名度の上昇と意図的に反比例させているような、予算ゼロレベルのビデオもおもしろい。

6. HOME – city punk

沖縄出身の3人組、HOMEの最新EP『HOME EP3』より。クラブシーンでのドラムンベース/ジャングルの盛り上がりがポップミュージックのフィールドにまで広がっていった近年の流れ、実験的なエレクトロニックミュージック/IDMのアンビエンス、ポストパンクやインディーロックの陰鬱、パンクの原始的なエネルギー、モダンとノスタルジックが交差するボーカルパフォーマンスといった多彩なレイヤーにより、レトロ近未来と現在のディストピアが重なるよう。そして揺れる脳と体。クセになる。さらにその先の未来はいかに。

7. Happy Mondays – Step On (Paul Oakenfold Remix)

1980年代、シカゴやニューヨークで発展したハウスは、スペインのイビザ島へと渡る。その現場に刺激を受けたUKのDJたちは、自国でレイヴを軸にしたムーブメント、セカンド・サマー・オブ・ラブを巻き起こし、その流れに多くのロックバンドが触発されマッドチェスターに繋がった。そんなマッドチェスターを象徴するバンド、Happy Mondaysの代表曲「Step On」を、同曲のオリジナルプロデューサーでありセカンド・サマー・オブ・ラブの中心にいたDJ、Paul Oakenfoldが35年越しにリミックス。アシッドハウス×サイケデリックロック。レイヴ/クラブカルチャー×ロックバンド。クロスオーバーの歴史に感動しつつ、この気持ちよすぎる音を前にすると、私たちはただクレイジーになっていく。

8. Nightbus – Ascension

マンチェスターを拠点にするデュオ、Nightbusのデビューアルバム『Passenger』からの1曲。陰鬱とした曇り空の下で、エレクトロポップやインディーポップ、アシッドハウスといった音楽やカルチャーへの愛を静かに燃やす。無駄に盛らない、足さないからこそ、その美しいメロディセンスやアンサンブルが際立つ。この感じこそ、私のなかでのUKインディーの真ん中、インディーミュージックの良心。夜を越えた向う側、遅掛けのダンスフロアで浴びると、ほんとうに気持ちいい。

9. Little Simz – Young

ネオソウル、ジャズ、アフロビートにグライム、ヒップホップ、パンク。それらのフィーリングが重なるところにあるグルーヴやエッジにドキドキする。ロンドン出身のラッパー/シンガーソングライター、Little Simzの最新アルバム『Lotus』より。キャリア中、もっともパンク色がつよくダンサブルなアルバムを象徴する1曲で、研ぎ澄まされたシンプルで生々しいサウンドと、軽快なラップ/ボーカルパフォーマンスが光る。〈私たちに必要なのは愛だけだから、細かいことは気にしない〉。なにをもって豊かさか。その答えはストリートに、ダンスフロアにある。

10. Automatic – Black Box

ちょうど1年前、私たちSUPERFUZZが日本に招いたLAのバンド、Automaticの3rdアルバム『Is It Now?』より。パンク/ポストパンクやロックンロールから受けた衝動をダイレクトに表現した1stアルバム『Signal』。スペースエイジを思わせるレトロ宇宙的世界観を描き出した2ndアルバム『Excess』。そんな1stのタイトな魅力と2ndの表現力が、パーカッションの効いた4打ちのダンスビートと、持ち前のノスタルジックなメロディとともにクロスする。Automaticらしさが明らかにアップデートされた1曲。

 

 

以上、私の年間ベストソング1から10位でした。そして11位~50位も含めたプレイリストはこちら。

2025年を振り返ると、たくさん踊り、ディグり、DJして書いて、パーティを開いた。すなわち例年と変わらず。そんななかで、後半はパーティオーガナイズに関しては少しゆったりしていましたが、それは来年に向けての準備をいろいろしていたから。

 

そして、2026年1月9日金曜日、さっそくビッグパーティーを開催します。会場は渋谷clubasiaにてオールナイト。フランスからDJ/プロデューサーのVITALINE、日本在住の韓国人アーティスト、machìnaらを迎えます。ぜひ遊びに来てください。

INFORMATION

  • DUST: New Year with A Groove

    日時:2026年1月9日(金)22:30〜

    会場:渋谷clubasia
    料金:3,000円

    出演:
    -Mars –
    VITALINE (from Paris) / machìna / MoEPiKA / HALU / judgeman

    -Spiders-
    TAISHI IWAMI / KEIGO / LEF!!!CREW!!! / Merco (Ben) / BU$$IN / SOGI / KOYO MINAMI / Breezy Houz

    -Mixing-
    2BOY / M.S. HATANAKA / AYANA KOSHIBA / FUJIWARAMONE / MASATO NAKAJIMA / HARUKA HATAKEYAMA / Pretty Party People

    -Styling Booth-
    A Night On The Floor

PROFILE

  • TAISHI IWAMI

     10代の半ば、ファッションに対する自我が芽生えるとともに、ロックンロールやパンク/ポストパンク、インディーロックといったロックミュージックのディグに明け暮れるように。そして街で手にした1枚のフライヤーがきっかけで、そういった音楽の流れるクラブへ。お洒落でカッコいい人たちがダンスに興じるフロアに魅せられ、DJを始める。2019年にオルタナティブミュージックパーティ『SUPERFUZZ』を立ち上げた。

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