UPDATE : 2026.01.20

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#ART & CULTURE

SUPERFUZZ MUSIC vol.13

Text:TAISHI IWAMI

すでにヒットしている曲だけでなく、そのDJしか知らないであろう曲がクラウドの心を一つにする。前情報のない無名のアーティストや、インディペンデントなアーティストのライブがフロアを大いに盛り上げる。そんなクラブやライブハウスでの音楽や人との出会いに魅了された、一人のオーディエンスでありDJでありライターが、“オルタナティブ”をテーマに、タイムリーなアーティストやおすすめのニューリリースをテキストとプレイリストで紹介します。

trickpony 『24/7 Heaven』

オーストラリアのプロデューサー、Mike MidnightとRoza Terenzi、フィンランドのシンガーソングライター、Maria Korkeliaからなるユニット、trickponyの1stアルバム。暗闇と陰鬱のなかでポストパンクやダブ、ヒップホップ、サイケなどをクロスオーバーさせる。90年代のトリップホップ/ダウンテンポ直系の感覚を、モダンなプロダクションとともに真っすぐ突き詰めた作品。

この曲「Angel」の闇を突き抜けるスネアが気持ちよすぎて一生リピートしています。ビートの引き締まったアタックと揺れのバランスが絶妙なダブ「Trick Trick」、トライバルなサイケデリアとドラムンベースのパワーが融合した「Memphis Light」など、全曲が踊れる没入できる。そして、Mariaの妖しげなウィスパーボイスにうっとりドキドキする。決定的なフロントマンがいることもこのユニットの強み。今年の正月に初ライブがあったそうで、いつか日本でも観たい。

Mandy, Indiana「Cursive」

マンチェスターとベルリンを拠点に活動するMandy, Indianaが、2月6日にリリースするアルバム『URGH』から先行曲を公開。知性と野生と怒りをもって、パンクやエレクトロ、ダンスミュージックの持つ肉体性や生々しさを融合する。持ち前のセンスとエッジはそのままに、アンダーグラウンドから地上を揺らすポップなフックも兼ね備えたバンガーにぶち上がります。

パーカッション炸裂のスリリングなインダストリアルテクノから、明快なエレクトロクラッシュへ。一瞬で闇を光に変えるマジックのような展開にハッとする。実験的でありながら、細胞が、筋肉が即反応し、我を忘れて爆踊り。こういう“初めての感覚”があるから、新しい音楽のディグは止められない。1年後、DJとして2026年にもっともかけた曲として、またここに書いている自分が見える。アルバムもめちゃくちゃ期待してます。

Fcukers「L.U.C.K.Y」

インディーミュージックとダンスミュージックをシームレスに往来する、今年いよいよブレイクしそうなニューアクト。LA発の3人組、Fcukersがデビューアルバム『Ö』を3月27日にリリースします。先行で公開されていて、以前この連載でも紹介したドラムンベーストラック「Play Me」に続くこの曲も最高です。

土台はFcukersらしい正統派ハウスとキャッチーでスウィートなメロディ。そこに歪んだ太いシンセが乗って、00年代のエレクトロクラッシュ~ブログハウスの再燃に拍車をかける。リバイバルの可能性自体は何年か前から言われていたことですが、Fcukersはこの曲とは別にオリジネイターのTigaと組んだシングルをリリース。Fcukersと同じLA拠点のSextileやThe Hellpの盛り上がり、そしてThe Dareのブレイクや最近私が遊びに行くパーティでもこの手の音を浴びる機会が明らかに増えてきたことも合わせて、ここ日本でも盛り上がってきそうな予感。

良質なオルタナティブロック/ポップやインディーミュージックを紹介することがテーマのこの連載ですが、今月はとりわけダンス推し。先に述べたエレクトロクラッシュ~ブログハウスの流れ、テクノにハウスにUKガラージにドラムンベース/ジャンルグルの再燃やアップデートは今年もますます進みそう。そんなハイな音楽を掘る中で、実はもっとも沢山聴いているのはMelody’s Echo Chamberのニューアルバム『Unclouded』だったり。極上のサイケデリック森林浴。癒されます。

 

 

ということで、今年もSUPERFUZZをよろしくお願いします。いろんなパーティを仕掛けながら、この連載もしっかりやっていきます。

INFORMATION

  • SUPERFUZZ - Alternative, Indie &Raw Disco Party

    日程:2026年2月14日土曜日

    会場:渋谷Club Malcolm

    オープン:23時30分~5時

    入場料:2000円(1ドリンク含む)

    DJ:KEIGO / TAISHI IWAMI

PROFILE

  • TAISHI IWAMI

    10代の半ば、ファッションに対する自我が芽生えるとともに、ロックンロールやパンク/ポストパンク、インディーロックといったロックミュージックのディグに明け暮れるように。そして街で手にした1枚のフライヤーがきっかけで、そういった音楽の流れるクラブへ。おしゃれでカッコいい人たちがダンスに興じるフロアに魅せられ、DJを始める。2019年にオルタナティブミュージックパーティ『SUPERFUZZ』を立ち上げた。毎月渋谷Club Malcolmで開催しているレギュラーパーティだけでなく、Sextile、Automatic、Black Asteroid、VITALINE、Isolation Berlinら、海外アーティストも積極的に招聘している。

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