UPDATE : 2023.02.20

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#ART & CULTURE

伊勢春日のMy daily museum 1:平山昌尚「10年使っているもの」

Photo:Tetsuya Yamakawa

Edit:Neo Iida

Direction:Taiyo Nagashima

『VOILLD』ディレクターの伊勢春日がホストとなり、テーマに沿ったアイテムをゲストにもってきてもらう連載がスタート。第1回のお題は「10年使っているもの」、ゲストは古くから親交がある、アーティストのヒマさんこと平山昌尚さん。

◆〈キャンバー〉のTシャツ(ヒマ)

ヒマ:原宿キャットストリートにある『JANNU-2』で買ってみたのがきっかけです。

 

伊勢:ヒマさん、いつもこれ着てるイメージあります。

 

ヒマ:これしか着ないです。最初はポケットがないものを買ってましたが、コロナになってマスクが入るからポケットがあるのばっかり。

 

伊勢:家でもこれを着てるんですか?

 

ヒマ:はい。作業着にもなります。

 

伊勢:生地がだいぶしっかりしてますもんね。何枚持ってるんですか?

 

ヒマ:全部で15〜16枚くらいですかねえ。それをローテーションして。夏だったら、とりあえず2枚で回す感じですね。

 

伊勢:え、夏それでいけます? 毎日洗濯するんですか?

 

ヒマ:はい。

 

伊勢:大変そう。買うと何年くらい持つんですか?

 

ヒマ:3年はいけますね。それ以上着るとちょっとヘタってくるので捨てます。

 

伊勢:でもどれが新しいやつかわからなくなりません?

 

ヒマ:そうなんですよ。だから買った日をタグに書いてあるんです。

 

伊勢:あ、ほんとだ。ペンで書いてある。サイズはいくつですか?

 

ヒマ:XLです。

 

伊勢:ちょうどいいですね、サイズ感。

 

ヒマ:この縦横の比率が好きなんですよ。丈が長過ぎず、身幅もけっこうあって。

 

伊勢:〈キャンバー〉に行き着くまでに色々通ったんですか?

 

ヒマ:はい。いろんなTシャツを着て、この形と厚さに辿り着きました。

 

伊勢:黒いTシャツとか、柄入りは持ってないんですか?

 

ヒマ:少しはありますよ。加賀美さんのとか。自分で作ったものはアーカイブとして取ってあります。

 

伊勢:じゃあプリントTシャツを着たヒマさんに会えたらレアですね。〈キャンバー〉を着るときは、下にタンクトップか何か着ないんですか?

 

ヒマ:着ないです。

 

伊勢:すごい!

 

ヒマ:伊勢さんは着るんですか?

 

伊勢:絶対着ますよ。お腹がスースーするじゃないですか。冬は腹巻き代わりにタンクトップを着てます。

 

ヒマ:僕は寒かったらTシャツを2枚重ねにしますね。より寒ければTシャツの下にヒートテックを着ますけど、袖が邪魔で切っちゃいました。

 

伊勢:タンクトップ型のヒートテック売ってますよ。

 

ヒマ:え、本当ですか。

 

伊勢:袖がもったいないな。

◆〈田島ジャパン〉のメジャーとイギリスで買った定規(伊勢)

伊勢:これは仕事で使っているメジャーです。日本製で、〈TAJIMA〉って書いてありますね。

 

ヒマ:全長何mですか?

 

伊勢:そう言われると全長はわからないな、出してみましょう。(メジャーを伸ばしてみる)3.5mかな……いや4m……あ、意外といけますね。5.5mでした!

 

ヒマ:わりとありますね。仕舞うとき気をつけてくださいね。昔の掃除機の電源コードみたいに、ビューッて、指挟んじゃうかも。

 

伊勢:(仕舞いながら)そこまでの勢いなさそうですね。何度か他のメジャーに浮気したんですけど、これがいちばん使いやすくて……あれ、戻んなくなっちゃった。

 

ヒマ:あら。初めて5.5m出したんですね、今。

 

伊勢:(仕舞いながら)困りましたね。すごい愛用してるんだけど。

 

ヒマ:ビロンってなってますね。

 

伊勢:まあいいや、あとで仕舞います。あとこれも気に入ってるんです。確か10年くらい前にイギリスで買った定規。

ヒマ:測ってばかりじゃないですか。

 

伊勢:仕事柄ですよ。設営で作品のサイズを測ることが多いので。

 

ヒマ:数字が逆側にプリントされていて面白いですね。インチ表記で。

 

伊勢:紙を切るときは重りにもなってめっちゃ便利なんですよ。あと自立するので、並行を測りたいときにも役立ってます。

◆〈マッキー〉の水性ペン(ヒマ)

ヒマ:作品を描くときも使うし、何かメモするときもこれです。

 

伊勢:メモを取るにしては太くないですか?

 

ヒマ:太いですね。だから大事なことを書くのにいいですよ。

 

伊勢:大事だから大きく? でも水性だと滲みません?

 

ヒマ:そうなんですよね。激しく滲むんで、濡らしちゃうと何書いてるかわからなくなっちゃう。

 

伊勢:大事なメモを濡らさないでくださいよ。私は黒より赤を使うことが多いですね。チェック用に。

 

ヒマ:赤は僕も使いますよ。ただ滲みますよね。

 

伊勢:油性のサインペンとかは使わないんですか?

 

ヒマ:あんまりですねえ。油性だったらもっと太めのペイントマーカーとか。やっぱり細いのはこれがいいです。ただ、やっぱり滲むんですよ。

 

伊勢:なんで使ってるんですか(笑)。

◆ガチャガチャで出てきたペンケース(伊勢)

伊勢:この筆箱もだいぶ長いです。サイズとペニャペニャ感がすごい使いやすくて。

 

ヒマ:どこで買ったんですか?

 

伊勢:場所は忘れちゃったんですけど、ガチャガチャをやったら入ってたんです。

 

ヒマ:へえ、ガチャガチャなんですね。柄がカッコいいから、〈エルメス〉とか言われてもわからないですね。

 

伊勢:謎の星座柄です。一時期は革製のおしゃれなペンケースも使ってみたんですよ。でも傷が付くとショックだし、このペラッとした感じがちょうどいいなって。意外と収納力があってけっこう入るんですよ。

 

ヒマ:あ、シャーペン使うんですね。久々に見た。

 

伊勢:けっこう使います。フリクションって温度変化で予期せず消えちゃうじゃないですか。だから「書いて消せる」って考えるとシャーペンがいちばんいいなと思って。

◆OPP袋(ヒマ)

ヒマ:僕の文房具入れはこれ、OPP袋です。なんでも入れて、このまま持って出かけます。

 

伊勢:確かにヒマさん、打ち合わせのときなんか、よく小脇にOPP袋を抱えて来ますよね。

 

ヒマ:パソコンの充電器とかコードを入れてます。全然いけますよ。ちょっとした旅行くらいだったら。

 

伊勢:それでいうと、私は細かいものをまとめるならジップロックですね。同じジップロックを1年くらい使ってるからもうボロボロ。

 

ヒマ:ジップロックもいいんですけどね。でもOPPが何かと便利で。100枚入りを買って、破れたら替えてます。一ヶ月は持ちますよ。

 

伊勢:たまにめちゃくちゃ柔らかくて、セロテープを剥がしただけで破れるOPP袋あるじゃないですか。粗悪なOPP。

 

ヒマ:ありますね。粗悪なOPP。

 

伊勢:だから質がいいものに出合うとテンション上がりますよね。

 

ヒマ:そうなんですよ。納品にも使えるし、多用途ですね。

◆不二家のプリンの器(伊勢)

伊勢:たぶん人生でいちばん長く使っている湯呑みです。ペコちゃん。オフィシャルなのにコピーライトも入ってないという。

 

ヒマ:かわいいですね。

 

伊勢:もとはプリンの容器で、母親が集めてたんです。ガチャピンじゃないですけど、いろんなアクションをしてるペコちゃんがプリントされてたみたい。

 

ヒマ:そんなに長く使ってたら印刷がハゲちゃいそうですけど、すごく綺麗ですね。

 

伊勢:そうなんですよ。いつもこれで白湯とか飲んでます。

 

ヒマ:健康的。このペコちゃん、何してるんでしょう。サスケ?

 

伊勢:なんなんだろう。このポーズ、結構な腕力が必要ですよね。

 

ヒマ:アクションやる人だったんですね。謎の「HYU〜、HYU〜」もいい感じです。

PROFILE

  • 伊勢春日

    『VOILLD』ギャラリーディレクター/キュレーター。

    東京都生まれ。2014年、中目黒に『VOILLD』を設立。東京を中心に活躍する多彩なジャンルのアーティストによる展覧会の企画・ディレクションを行う。アートイベント「TOKYO ART BAZAAR」の開催をはじめ、ラフォーレ原宿の広告制作プロデュース、企業への作品コーディネートなど、アートにまつわる多岐に渡るプロジェクトを行う。

  • 平山昌尚

    アーティスト。

    1976年、兵庫県生まれ。ボールペン、マーカー、画用紙といった身近な画材を用いた作品を手掛け、国内外で評価されている。平面作品に限らず、立体作品やライブパフォーマンスなどにも表現の幅を広げ、LINEスタンプといった日常のツールにも作品を潜ませる。

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