










where is the love?¥0
「サンフランシスコの幼稚園の近く、道ばたにまとまって落ちていたんです。風が吹いて、その幼稚園から飛んできちゃったのかな。そんな感じでした。子どもの絵と、紙を切って貼り付けたものだと思うんですが、狙っても描けない線ですよね。考えずに、ピュって。何を思ってこのフレーズを描いたのだろう?愛をテーマに作りなさいって言われたのかな。これは「ゴミを拾う」って感覚じゃなかったですね。そのまま飛んで行っちゃいそうで、拾いました。
額に入れて飾れるような絵だと思うんです。自分の子どもが描いた絵は見られるけど、他の家の子どもが描いた絵って、世の中になかなか出ないんです。親御さんはまず手放さない。入手方法のない貴重なものなんですよね。だから、友達の家へ行ったら子どもの絵を見せてもらったりしますよ。本当に小さいときだけなんですよね、こういう絵が描けるのは。大きくなると変わってくる。でも、老人になると、また似たような絵を描いたりするんじゃないかなって。人はまた赤ん坊に戻るんですかね。巨匠のアブストラクトアートと子供の絵、どっちがいいのか、高いのか、僕にはわからない。価値を自分で決められたら面白いですよね。自分で決めているようで、なかなかできていないように思います。
ゴミ拾いは感覚的に行っているので、自分がいいなと思ったものを選ぶだけ。若い人が「ゴミ拾うのかっこいいな」って始めたらいいですよね。それが「ゴミってかっこいいな」になったりして。自分にとってのかっこよさが何か、見つけられるかもしれないですよ。」
拾った人:加賀美健
拾った場所:サンフランシスコ
素材:紙、インク
※FREAK MAG.はゴミ拾いを推奨しています。
PROFILE
-
加賀美 健
現代美術作家。1974年、東京都生まれ。
社会現象や時事問題、カルチャーなどをジョーク的発想に変換し、彫刻、絵画、ドローイング、映像、パフォーマンスなど、メディアを横断して発表している。
2010年に代官山にオリジナル商品などを扱う自身のお店(それ自体が作品)ストレンジストアをオープン。
日課の朝のウォーキングの際に面白いゴミが落ちていないか目を光らせながら歩いてる。