唯一無比。つまり、誰にも似ていない表現性やセンスをまとっている音楽家の装い。そのファッションスタイルには、どんなバックグラウンドとストーリー、譲れないこだわりがあるのかを、フォトセッションとインタビューで紐解く連載。
前回に続きBREIMENの高木祥太が登場。部屋のそこかしこに仲間との思い出が染み付いたアパートの部屋を出て、幼いころから馴染みのある反町駅周辺を散歩しながらカメラに向き合ってくれた。

パンツは大阪の古着屋で、ジャケットは広島の古着屋で買いました。俺は服を買いに行くために出かけるというよりも、ツアーの合間の空き時間とかにフラッと古着屋に立ち寄って服を買うことが多いですね。そして、レオパードのシャツはこれも反町にある古着屋“LIOT(ライオット)”で買ったものです。


LIOTはセレクトのテイストも年代もバラバラで、それこそBREIMENとも近いフィーリングを感じます。店内はきれいに整頓されているんだけど、新しめの古着も置いてあると思えば、1930年代くらいのレザーも置いてあったりする。BREIMENチームってメンバーもスタッフもみんな服の趣味がバラバラなんですけど、LIOTに行くとみんな欲しいアイテムが見つかるんです。BREIMENもそういうバンドであれたらいいなと思います。

俺は服を買うまでの決断がめちゃくちゃ早くて。友だちに驚かれることもあるんですけど、本当に自分の中で“ピッ!”ときたら買う、こなければ買わないというだけで判断してますね。“ピッ!”ときた服は値段がある程度張っても買うようにしてます。服の知識はあまりないんですけど、自分のスタイルはジャンル感ではない気がしますね。ジェンダーレスでありという話もしましたけど、日によってテイストはバラバラなんだけど、どんな服を着ていても自分の中では通じるフィーリングがあるというか。たしかにそれは自分の音楽性と重なるところがあります。もっと言えば、ジャンルを固定しないというのは服や音楽だけではなくライフスタイルのすべてに言えることかもしれないです。


前回紹介したレッチリのフリーのコスプレ的感覚で買ったガイコツのつなぎは例外として、ファッションのロールモデルにしているようなアーティストもいないですね。音楽は好きなミュージシャンがたくさんいて、参考にする部分はあるけど、服に関してはひとりもいないです。子どものころからめちゃくちゃ天の邪鬼だから、直感を大事にしつつ、本当に人と被りたくないんですね。服も誰かと被ったら捨てるくらいの勢いです(笑)。
PROFILE
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高木祥太
常軌を逸した演奏とジャンルにとらわれないスタイルで注目を浴びる5人組オルタナティブファンクバンド、BREIMENのフロントマン及びベーシスト。
2020年2月に1stアルバム『TITY』、2021年5月に2ndアルバム『Play time isn’t over』をリリースし、多くの著名人やプレイヤーから称賛を受け、2022年にはASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文氏主催の 「APPLE VINEGAR -Music Award- 2022」において特別賞を受賞。 2022年5月9日にリリースされた岡野昭仁×井口理「MELODY(prod.by BREIMEN)」ではBa.Vo 高木祥太が作詞・作曲、BREIMENメンバーが 編曲・演奏に参加。2022年7月20日には3rdアルバム『FICTION』をリリース。
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