お酒大好き女優の木野山ゆうさん。ただいつも決まって飲むのはジャスミンハイ。お酒好きを公言するのであれば、もう飲むだけは卒業して、もっとお酒を理解したい。そんな想いではじまった「木野山ゆうの背伸び酒」。
時には巷で噂の居酒屋で、時にはオシャレなBARで、時にワイナリーや酒蔵に行ったりして…。お酒そのものを楽しむこともあれば、お酒と料理を組み合わせたり、お家で美味しく飲む方法を研究したり、様々なアプローチで、お酒の魅力をして追求していきます。
第2回目となる今回は、木野山ゆうさんが最近はじめて行ったのにも関わらず、即ハマってしまったという渋谷神泉ある居酒屋『イーストブルー 豪椀』。どこかで聞いたことがある海の名前が示す通り、ここの海鮮はとにくか新鮮で美味い。ということで今回は、店長から海鮮に合うお酒として教えてもらった芋焼酎に挑戦です。


通称「オクシブ」と呼ばれる渋谷の中でもオシャレなカフェやショップが並ぶエリアにある海鮮居酒屋『イーストブルー 豪椀』。某国民的に人気マンガにも出てくる海の名も入った店名に恥じない通り、新鮮な海鮮料理が食べられる本店。名物は、生きたピッチピチの車海老のお刺身『車海老の踊り食い』。
木野山ゆうさんが、このお店に来たのは、つい先日だそうだ。初来店にして、店長の横田さんとはすぐに打ち解け、すっかり意気投合。きっかけはメニューにある『気まぐれ芋』。どうやら、その日オススメの芋焼酎を提案してくれるらしい。この連載がはじめって以来、お酒のことを学ぶことに夢中な木野山ゆうさんは、さっそく「気まぐれ芋」の注文。丁寧かつ親切に、でもどこか優しく気さくにオススメの芋焼酎を教えてくれる横田さんの雰囲気と、お酒と料理の美味しさに、お店の虜になったそうだ。
どうやら木野山ゆうさんが好きになるお店の条件は、料理も美味しさ、お酒の美味しさもさることながら、店長や店員の人の良さも重要そうだ。
「前回は、次の日が朝から仕事で、せっかくの芋焼酎も、少ししか飲めなかったんです。もっと芋焼酎のことを知りたくて、今日はリベンジに来ちゃいました」

この日、モデル仕事後に来てくれた木野山ゆうさん。どうやらお疲れの様子。こんな日は、やっぱりお酒が飲みたい。ということで早速、お目当ての芋焼酎をご注文。
「店長!! 『気まぐれ芋』をお願いします」

お酒が届くとこのテンション。
まずはこちら。『天狗櫻』。


<CHECK!!>
明治27年より続く鹿児島県市来町の蔵を構える白石酒造の代名詞的芋焼酎。以来少量ながらも手造り、甕貯蔵の伝統仕込みを受け継ぎ造られた本作は、活き活きした芋の風味と風味と甕仕込みによる複雑な風味が入り交じった、優美な香りが特徴。味わいは骨格がしっかりしていながらも柔らかさを感じる。酒名の由来は「人が酒を飲み赤面になる顔が天狗に似る」というところ。


「美味しい。そもそも芋焼酎を飲んでみようって思ったのも、サツマイモの味がするって気がついたから。それで色々飲んでみると味がそれぞれ全く違うことを知ったんです。これは、はじめて来た時にも飲ませてくれた焼酎なんで、サツマイモ感が強くて、焼き芋のような風味を感じるんです」


お酒を飲んで、この笑顔。本当にお酒が好きなのが伝わってくる。
そして、料理。まずはお通しのサラダ。約9種類の野菜に上に揚げワンタンとローストしたアーモンドがのっている。


「揚げたワンタンが、サクサクして、美味しいです。良いアクセントになってます」
お次は、名物『豪椀名物!!車海老のおどり喰い』。店内にある水槽から取り、その場で調理した逸品。

「動いてる!! 動いてる!!」



「ここの名物なんです。はじめて来た時も、来る前にインスタでお店の情報をチェックしていたら、みんながこの海老をアップしていたから、絶対に食べたかったんです」

「いただきます」と、さっきの疲れなんてすっかり忘れてしまっている笑顔。


「うまぁッ!! この時点でまだ生きているから、本当に弾力があって、歯応えがすごいんです。このプリップリッな食感が堪らないんです」
ということで本日2杯目の芋焼酎。
『田中農場 コン、芋は丸ク茜色』。


こちらはなんと、ソーダで割るとファンタオレンジのような味がするらしいのだが、いかに。
<CHECK!!>
紅茶を連想させる香りが特徴の芋『タマアカネ』を使用した一杯。開栓直後は、「これが芋焼酎の香り!?」と思わせるような、華やかな紅茶のような香りが広がる。女性の方も好んで飲めるユニークな味わいで、ロック、水割り、お湯割り、様々な飲み方でも美味しく頂ける。特にお湯割りで飲んだ時の余韻は、まるでミルクティーのような甘みを感じられる。

「言われてみれば、ファンタオレンジなのかな。さっきのより芋感は少なくて、確かにオレンジっぽい味がしますね。飲みやすくて、夏にピッタリ!!」
続いての料理は、木野山ゆうさんの大好物の『生カキ』。

『イーストブルー 豪椀』の牡蠣は、大きくて、しっかりとした旨味で有名な岩手県大船渡産の牡蠣。ミルキーな甘さを強調する乳白色が美しい。

「牡蠣大好き」とこの笑顔。

「殻に対して、身が本当に大きい。こんな大きい牡蠣は、久しぶりです。レモンを掛けて、塩味も足したいので、ポン酢も掛けていただきます」

「身がすぐ簡単に外れました!!」

「美味しい!! 岩手のミネラル豊富な海で育ったからなのか、味が濃いのかな。臭みもない見た目通り、濃厚でミルキーな味の牡蠣でした」
本日の3杯目は、『蔵の師魂 The Orange』。
店長のお気に入りに一本だそうだ。

<CHECK!!>
爽やかな柑橘香を呈する成分として知られる、モンテルペンアルコール(MTA)を前面に表現した黒麹、常圧蒸留で仕込まれた本格派の芋焼酎。新鮮な黄金千貫を敢えて完熟させることで引き出した香りを、そのまま焼酎の特徴香として付与した酒質に仕上がっている。ロックや水割りはもちろん、炭酸割りもおすすめ。

「こちらは、芋臭くなくてライトな感じだなって思ったけど、飲んでみたら、すっごく芋の味がする。サツマイモを食べてるみたい。最初の『天狗櫻』と、どっちが好きかな~」
4品目は『炙り〆サバ』。ここの鯖は、珍しくノルウェー産。油が多いのが特徴で、自家製のカラシつけて、醤油で食べるのが『イーストブルー 豪椀』流。


「目の前で炙ってくれるのも嬉しい。これも美味しく感じるポイントかな」



「持ち上げた時の重量感もすごい!! 身が詰まってる証拠ですね」


「脂が乗ってて柔らかい!! 炙って少しパリッとしたところ、中の生の柔らかいところ、その中間のところと全部違う食感。3つの食感が味わえるのってすごい。無限に食べられちゃいます」

「これはお酒が進みますね」
ということで4杯目。『DAIYAME』。

こちらは、ソーダで割るとライチのお酒っぽくなそうで、芋焼酎が苦手な人も飲めるスッキリな味わいが特徴。
<CHECK!!>
独自の技術で、アロマリッチな香気を引き出す成分を増幅させたさつま芋「香熟芋」で仕込んだ本格芋焼酎。ライチのような華やかな香りが驚くほど広がります。甘くまろやかな味わいとキレの良い後味が特長。華やかな香りを楽しみつつ食中酒として美味しく飲み続けられる酒質設計で、特に強炭酸水で割って飲むと、より一層華やかな香りが楽しめる。

「全然芋焼酎って感じがしないです。ライチの味がするって聞いた時に、どんなのだろうって思ったけど、飲んだらライチのお酒ってわかる。芋焼酎って言われて飲まないと、気が付かないかも。芋焼酎初心者はぜひ」
と、ここで先ほどの車海老の唐揚げが登場。ここまでが『豪椀名物!!車海老のおどり喰い』となっている。


「全然芋焼酎って感じがしないです。ライチの味がするって聞いた時に、どんなのだろうって思ったけど、飲んだらライチのお酒ってわかる。芋焼酎って言われて飲まないと、気が付かないかも。芋焼酎初心者はぜひ」
と、ここで先ほどの車海老の唐揚げが登場。ここまでが『豪椀名物!!車海老のおどり喰い』となっている。




今回は、左から、鰤、真鯛、本鮪の大トロ、サーモン、毛蟹、水だこのポン酢。

「本鮪の大トロが脂が乗ってて口の中でとろけそう。鯛も今が旬らしく、美味しい!!」

5杯目は、こちら『夏の小牧』。


「夏っぽい!! 夏って書いてる。こういデザインだと、今の時期しか飲めない感じがして、ついつい注文しちゃいそうですね」
<CHECK!!>
夏限定の爽やかさが売りの芋焼酎。白麹で仕込んださつま芋『ジョイホワイト』、黒麹で仕込んだ紅さつまの2種類のさつま芋からできた一杯。それぞれの原酒をブレンドし、25度に割水したものです。夏の暑い日にはソーダ割りやロックで飲むと美味い。



「芋焼酎って感じがあまりしないかも。でもしっかりお酒の味はしますね。”夏”ってラベルの通り、スッとしていて飲みやすいかも。
6品目は、大きな大根と紅生姜が目を惹く『あばら大根』。ここの名物のひとつです。


大きい大根を崩して、牛すじと一緒に。
「味が染みて美味しいです。紅生姜も効いてます。海鮮じゃないけど、もちろん芋焼酎にも相性ピッタリです。幸せや」
そして本日の芋焼酎。『宝山 芋麹全量 完熟芋』。

<CHECK!!>
1845年に創業された鹿児島県日置市吹上町にある蔵で酒造される宝山シリーズの一杯。本作は、完熟芋×手間暇のかかる芋麹という、薩摩芋の力を限りなく引き出した焼酎で、完熟芋ならではの柑橘系の果物を思わせる華やかな香りと芋麹による切れ味が特徴。

「う〜ん。フルーティで美味しい。なんだか味がわかるようになってきた気がするな」

さすがに6杯目の木野山ゆうさん。ちょっぴり酔っている感じで、にっこり。

最後に締めの『蟹といくらのチャーハン』。


「これは間違いないですね」

と、なんと最後にオマケのお酒を1杯。
『イーストブルー 豪椀』は日本酒もオススメとのことで、早速注文。
キンキンに冷えた竹に注いで飲む『竹酒』。こちらも名物のひとつ。

今回は『満寿泉』。
<CHECK!!>
「美味しい ものを食べている人しか美味しい酒は造れない」と言う「美味求眞」をモットーに、吟醸酒が普及していなかった昭和40年代作り続けられている『満寿泉』。柔らかく滑らかな酒質ながらもすっきりと優しい旨味を感じられる。魚介類・山菜などの天然食材と調和し、その味わいを引き立てる。
「竹の香りがして美味しいかも。夏っぽくてこれも好きだな。次は日本酒のことも知りたいかも」
なんと、最後はサービスで味噌汁も!!

「出汁が効いてて、染みますね。もうそれだけで十分。明日もがんばれそ〜」

二回目の来店にして、たくさんの芋焼酎を飲んだ木野山ゆうさん。
「今まで焼酎って、ジャスミンハイをはじめ、何かで割って飲むことが多かったけど、芋焼酎を知ってからは、焼酎そのものの味を楽しむことを知りました。きっかけは、サツマイモの味がする芋焼酎だったんですが、今はいろんな味があることを知って、もっと知りたくなりました。奥が深い。いつかまたこの連載で芋焼酎にチャレンジしたいですね。次回はどんなお酒を飲めるか楽しみです」

<本日のお酒>
・1杯目『天狗櫻』
・2杯目『「田中農場」コン、芋は丸ク茜色』
・3杯目『蔵の師魂 The Orange』
・4杯目『DAIYAME』
・5杯目『夏の小牧』
・6杯目『宝山 芋麹全量 完熟芋』
・おまけの一杯『竹酒 満寿泉』。
<今日のメニュー>
・お通しのサラダ
・豪椀名物!!車海老のおどり喰い
・生ガキ
・炙り〆サバ
・ど新鮮!刺身6種盛り
・あばら大根
・蟹といくらのチャーハン