お酒大好き女優の木野山ゆうさん。ただいつも決まって飲むのはジャスミンハイ。 お酒好きを公言するのであれば、もう飲むだけは卒業して、もっと酒を理解したい。そんな想いではじまった「木野山ゆうの背伸び酒」。
時には、噂の居酒屋で、時にはオシャレなBARで、時にワイナリーや酒蔵に行ったりして…。
お酒そのものを楽しむこともあれば、お酒と料理の組み合わせたり、お家で美味しくの飲む方法を研究したり、様々なアプローチで、お酒の魅力をして追求していくこの連載。
第3回目に選んだのは三軒茶屋にあるアメリカンウイスキーを専門に取り扱うジャズBAR『Brother』。いよいよ最終話です。今回は、バーボンウイスキーだけじゃなく、それを使ったカクテルまでをご紹介!! ぜひ、最後までお付き合いください。
[4杯目] :BULLEIT BOURBON(ブレット・バーボン)
高岩遼:今のところどれが好き?
木野山ゆう:最初に飲んだ『Woodford Reserve(ウッドフォードリザーブ)』が好きでした。でも他のも炭酸で割ったら違ったのかな。

木野山ゆう:はぁ、酔っ払うなぁ…これ。今まで一番酔ってる気がする。
高岩遼:じゃあ、次はハイボールにしますか。次は『Brother』で推してる『BULLEIT BOURBON(ブレット・バーボン)』。1830年代にオーガスタス・ブレットという人が作ったバーボンで、彼は事故で亡くなってしまい、それ以来このウイスキーを作れなくなってしまって、販売終了してしまったんです。その後、1987年にひ孫のトム・ブレットが、このバーボンを復活させようと、残されたレシピをもとに、復活させたんです。この復活した『BULLEIT BOURBON』のラベルには、”FRONTIER WHISKEY(開拓者のウイスキー)”と書かれているんです。
木野山ゆう:すごい!! レシピが残っていたんですね。ずっと変わらない味なんですか?
高岩遼:おそらく、誰もやってこなかったことを、ひ孫のトム・ブレットの「復活させたい」という強い思いがあり復活したんだと思う。

木野山ゆう:その話を聞いて飲むと、楽しみ方が全然違う。めっちゃ飲みやすい。スッキリしてる!!
高岩遼:そう。これはスッキリしていて、誰でも飲みやすい。ハイボールを注文されたら、これをオススメすることが多いかな。
木野山ゆう:全然、度数が高く感じないかも。美味しい。
高岩遼:アルコール度数でいうと45%。でも確かにそれを感じさせてないぐらいスッキリしているよね。
[2食目] :K・K Smash Burger(K・K スマッシュバーガー)
高岩遼:お次は、ウチの新メニューを。『K・K Smash Burger(K・K スマッシュバーガー)』も食べてみてください。

木野山ゆう:もっと大きいハンバーガーを想像してたら、全然小さいんですね。おやつっぽくて食べやすそう。

高岩遼:LAにスマッシュバーガーというハンバーガーのジャンルがあって。ミートプレスを使ってパテを潰して作るハンバーガー。この潰すことを”スマッシュ”と表現していて。

高岩遼:そのスマッシュバーガーを、常連のコラージュアーティストの河村康輔さんが食べたいって言っていて。店長が河村さんに実際にLAで食べた話を聞きながら、映像などをみながら、試作を繰り返し、現地の味を知っている河村さんに試食を何度もしてもらい、完成させた一品なんです。だから、メニュー名は原案の河村康輔さんの頭文字を入れて『K・K Smash Burger』なんです。


木野山ゆう:美味しい!! すごくこのサイズ感は食べやすい!! あとワンコイン(500円)で買えるのも嬉しいですね!! ちなみに何のお肉なんですか?
高岩遼:牛肉100%、味付けは塩胡椒のみのヘルシーなハンバーガー何です。これにガッツリ食べたかったら、お肉を追加して、ダブルにしたり、トマトやアボガドなど、追加トッピングをして食べていってもらいたい感じです。辛いのが好きだったら、サルサソースなんかもあります。
木野山ゆう:こういうバーガー系ってハイボールとの相性がすごく良いんですね。お酒が進みます(笑)。
[5杯目] :Godfather(ゴッド・ファーザー)
高岩遼:いろいろ飲んでもらったけど、最後はカクテルも飲んでもらおうかな。バーボンウイスキーを使ったカクテルで、歴史的にバーボンウイスキーじゃないといけないカクテルがあって。イタリアのリキュールの『アマレット』を15ml、この『WILD TURKEY(ワイルドターキー)』というバーボンを45mlで、1:3で割って、オン・ザ・ロックで飲むカクテル。その名も『Godfather(ゴッド・ファーザー)』。『ゴッド・ファーザー』という有名なイタリア系のマフィアの映画があって、それにちなんで作られたカクテル。アメリカのバーボンと、イタリアのリキュールで作るちょっとオシャレな一杯なんです。


木野山ゆう:いただきます!あ!! 美味しい!! すごく美味しい!! これは飲みやすい!!
高岩遼:度数が高いけど、飲みやすいから飲んじゃうんだよね。
木野山ゆう:うん。飲んじゃいますね。これ、危ないなぁ(笑)。

高岩遼:『Godfather』は、カクテルの中でも上級なイメージだから、ゆうちゃんが、BARで「『Godfather』ください!! ウイスキーは『WILD TURKEY』で!!」って言ったらかなりカッコイイ。
木野山ゆう:そういう客ってめんどくさくないんですか?
高岩遼:いや、バーテンはそういうの好きな人が多いと思う。そもそも、バーボンウイスキーを使ったカクテルだから、スコッチウイスキーとかでは基本的に作らない。変わり種でやっているところもあるかもしれないけど、ゴールデンレシピは『WILD TURKEY』が必須。ちなみにディズニーは好き!?
木野山ゆう:まぁまぁ。
高岩遼:ディズニーシーに『アメリカンウォーターフロント』っていう船にBARがあって、そこでお酒を飲めるんだけど、そこで飲める『Godfather』が、めちゃくちゃ美味しくて。たぶん、すごく拘ってお酒を出しているんじゃないかなって思うんだよね。
木野山ゆう:『Godfather』って、聞いたことはあったけど、今まで頼んだこともなかったし、何でできているかも知らなかった。私、アマレット好きなんです。だから、これすごい進んじゃいます。
高岩遼:ウチは、一般的に出回っているアマレットを使っていなくて、イタリアの『LAZZARONI AMARETTO(ラッツァローニ・アマレッ ト)』というビスケットから作られているアマレットを使っているんです。このアマレットは日本ではあまり知られていないけど、イタリアだと最もポピュラーなアマレットらしいんです。


木野山ゆう:そういう一本一本のルーツやカルチャーを知ると、『WILD TURKEY』と『LAZZARONI AMARETTO』じゃないといけない気がしてきた。バーボンウイスキーって楽しい!!
高岩遼:ありがとう。じゃあ最後におまけの一杯を飲んでもらおうかな。
[6杯目] :Ryo Takaiwa(リョウ・タカイワ)
高岩遼:僕が敬愛するジャズシンガーのフランク・シナトラの冠が付いてるカクテルで『フランシス・アルバート』というカクテルがあって、それは『WILD TURKEY』とジンを50:50で割った一杯なんです。このカクテルと『Godfather』を足したようなオリジナルカクテルが『Brother』にあるんです。『WILD TURKEY』にジン、アマレットを入れて炭酸でアップしたカクテル、その名も『Ryo Takaiwa(リョウ・タカイワ)』。

木野山ゆう:え!! 飲んでみたい。

高岩遼:美味しいですよ。それに炭酸でアップしているから、飲みやすい。でも、アルコール度数は意外と高い。僕は、このバカなカクテルをオススメしていて、家でも飲むぐらい好きなんです。


木野山ゆう:いただきます!!

木野山ゆう:美味しい!! めっちゃ飲みやすい!!
高岩遼:でしょ。ジンが良い香りで、美味しいんだけど、度数が高くてダメなカクテルなんです(笑)。
木野山ゆう:確かにダメだなぁ。でも美味しいなぁ。

本日の学び:
木野山ゆう:ウイスキーのバーボンやスコッチとかって聞いたことはあったけど、何か違うのかはじめて知りました。そして、種類がたくさんあること、1本1本に歴史やカルチャーがあること学びました。歴史を知って飲むお酒がこんなに美味しくて、面白いんだなって思った。あと作った人の名前が入るんだなぁっていうのもはじめて知った。
高岩遼:それが全てじゃないけど、そういうのが多いかもね。
高岩遼:どの銘柄が美味しかった?
木野山ゆう:『BULLEIT BOURBON』。それか『Ryo Takaiwa』。
高岩遼:ちなみに『BULLEIT BOURBON』の消費量は、ウチが世田谷区1位らしく、酒屋に驚かれたこともあった。「『BULLEIT BOURBON』がこんなに出るお店、他にないですよ」って。

木野山ゆう:『Brother』を知ったキッカケは、バンドをやってる友達が連れてきてくれたことだったんです。たぶん、オープンしてすぐの頃。ミュージシャンの遼さんがやっているってだけでも、私にとっては来るのがハードルが高いのに、この雰囲気ある店内で、お酒もウイスキーのみって聞いてて。しかも、電話をしないと入っていけないじゃないですか。一人で来るのが怖かったんです。でも、この連載がはじまって、また来てみて、こんなに話せて、こんなに丁寧にいろんなことを教えてくれて、嬉しかったです。遼さんのバーボンへの愛が伝わってきたのもよかった。最初は怖かったけど、友達のところに遊びにきたみたいだった。


高岩遼:今回、いろいろ大層なこと話したけど、結局のところ『Brother』はアメリカのノリだから、もっとガサツなお店でも良いかなって思っていて。誰が作ったとか、何年もの、とかも面白いけど、もっと気軽に適当な感じで、好きな時に好きな音楽を聞いて、飲みたいものを飲むのが良いかなって思う。

木野山ゆう:うんうん。結局、私たちって音楽とお酒が大好きだから、ぜひみんなに『Brother』を知ってもらいたいですね。この飲み屋の多い三茶でも、唯一無二のお店に。


<本日のお酒>
・1杯目『Woodford Reserve(ウッドフォードリザーブ)』
・2杯目『BASIL HAYDEN’S(ベイゼル ヘイデン)』
・3杯目『TEMPLETON RYE(テンプルトン・ライ)』
・4杯目『BULLEIT BOURBON(ブレット・バーボン)』
・5杯目『Godfather(ゴッド・ファーザー)』
・6杯目『Ryo Takaiwa(リョウ・タカイワ)』
<今日のメニュー>
Brother Dog(ブラザー・ドッグ)
K・K Smash Burger(K・K スマッシュバーガー)