10月14日(土)から10月29日(日)の期間にギャラリー月極で開催されているLevi Pata(リーバイ・パタ)の個展『BLACK, WHITE, RAINBOW』。
彼の作品の多くは、全てのモノにあるエネルギーを可視化したもの。それは彼の祖先であるネイティブ・アメリカンから教わったことであり、そしてそのエネルギーを最も放出している作品こそ、本個展のメインを飾ったライブペイントとなる。
今回の記事では、10月14日に開催された個展のオープニングパーティの際に撮影したライブペイントの動画と完成した作品への想いをお届け。完成した作品はもちろん、そのプロセスもお楽しみください。
”今、生きている”ということそのものがライブペイントという表現
ーまず個展『BLACK, WHITE, RAINBOW』の軸となったオープニングパーティで行ったライブペイントですが、完成した作品について教えてください。
Levi Pata:今回の完成した作品は、宇宙のような感じになりました。作品の中に星雲や流れ星が見えます。その宇宙を僕の手で触りながら作っていったので、地球と宇宙をミックスして作品になったと思います。個展のテーマである『BLACK, WHITE, RAINBOW』にフィットした作品に仕上がりました。


ー「宇宙のような感じになった」とのことですが、事前に作品のイメージを決めて描いているわけではないのでしょうか?
Levi Pata:僕は2歳から絵を描き続けているので、何を描くのかを決める必要がありません。だからこそ、描いている瞬間を、「今」を生きていることを大切し、感じながら作品を描いています。それはまるで瞑想しているような時間で、そんな状態に入って描くためには、ライブの前にメンタルを整えることが、すごく大事なんです。そのための準備を入念にしています。
ーミュージシャンのライブや、スポーツの試合のような感じですね。
Levi Pata:あとは描くときに音楽も大切にしています。音楽も耳に入るエネルギーであり、それを受けて、体と心のフィルターを通してキャンバスに出しています。だから、どういう音楽でライブをするかは、とても大切なんです。
ー入念な準備を終えて実際に描いている時は、どのようなことを考えているのですが?
Levi Pata:瞑想状態に入ると、時々、ランダムなことが頭の中に入ってきます。古い思い出が頭を過ぎったり、ライブを観ている人たちの存在を感じたり、もっと深く自分の存在を感じたりします。それらをズームイン、ズームアウトしながら絵を描いていきます。全部の気持ちを出せる機会なんです。


ー過去には、ミュージシャンのUAさんとライブペイントを行ったと聞きました。その時の感想も教えてください。
Levi Pata:UAさんは、僕のアートヒーローなので、一緒にパフォーマンスができたのは光栄でした。生声が隣に流れていて、そのエネルギーを受けて、キャンバスに出すことも、はじめての経験で、夢のような時間でした。

こちらは過去に行ったUAさんとのライブペイントを、本個展のためにキャンバス作品へと昇華した2点。
Levi Pata:昔からUAさんの曲を聴きながら絵を描いていたので、夢で見たことが現実になっているような気持ちでしたが、その時間をたくさん想像してきましたし、UAさんと僕はピュアなところが繋がっているので、運命だとも感じられたことも覚えています。
ー他にも印象に残っているライブペイントはありましたか!?
Levi Pata:今回の個展で展示した一つの作品のことも覚えています。昨年、僕がデザインしたアパレルブランド『WIND AND SEA』のコレクションのリリースの日に描いた作品です。大きくて、春の季節の明るいエネルギーを感じれる作品になりました。

ーライブペイントをするようになって、自身の作品や作家としてのスタイルはどのように変化しましたか?
Levi Pata:ライブペインティングをはじめたことは、僕の様々な製作に影響を与えました。1人でアトリエで描いている時にも、そういうパフォーマンスのような作品を作れるようになりました。今の瞬間しかない自由な感覚を、表現できるようになったんです。

ー個展『BLACK, WHITE, RAINBOW』についても教えてください。
Levi Pata:個展『BLACK, WHITE, RAINBOW』は、「すべてのモノはエネルギーでできている」というインディアンの文化や考え方の教えを可視化したものです。僕らは、すべてのモノを構築しているエネルギーが、目に見えるようになった世界に住んでいます。虹色も白黒も色であり、色にはそれぞれ違う周波の光があり、そのエネルギーが目に見えるようになった姿なんです。だから、人間の感情や、気象のパターンなどで、見える色が、認識する色が違うんです。自分でも100%理解しているわけではないのですが、脳みそで理解できない理由が、あるということをわかっています。
ー最後に、今回の個展を見に来てくださった人たちへと伝えたいメッセージをお願いします。
Levi Pata:僕たちは自然の一部だとことを心で感じて欲しいです。そして感謝しています。


PROFILE
-
Levi Pata リーバイ・パタ
1985年アメリカ・カリフォルニア ホリスター生まれ。ネイティブアメリカン(北カリフォルニアのノムラカ族、サウスダコタ州のラコタ族など)であり、ハワイの原住民やヨーロッパをはじめとする10の異なる民族の血を受け継ぐ、北カリフォルニア出身のアーティスト。2歳から我流で絵を描き始め、その後、琉球空手で黒帯を取得。16歳の時に那覇の道場での稽古をきっかけに日本への移住を目標として掲げた。現在は東京を拠点に制作活動を行い、個展、ライブペインティングやアパレルブランドとのコラボレーションなど数多くのプロジェクトを手掛けている。
INFORMATION
-
『BLACK, WHITE, RAINBOW』
会期:2023年10月14日(土) – 10月29日(日) ※月火水休廊
開場時間:14:00 ~ 20:00(木/金/土) 13:00 – 19:00(日)
入場:無料
会場:月極
住所:〒152-0001 東京都目黒区中央町1丁目3-2 B1