大阪エリアに『FREAK’S STORE』が誕生してから、今年で10周年。しかも、なんばパークス、天王寺ミオ、ららぽーと和泉と新たに3店舗がオープン。この記念すべきタイミングを祝して企画された『大阪愛~OSAKA FREAK~』。FREAK MAG.では本企画のクリエイティブを担当してくれた2人のアーティストのインタビューをお届けします。
まずは企画のタイトルロゴとグッズのデザインを手掛けたグラフィックデザイナー 三重野龍さんが登場。関西のアート・クリエイティブシーンを牽引する三重野龍さんのスタイルや考え方、そして本企画にちなんで彼の「大阪愛」について語ってもらう。
小さい頃から好きだった生き物やチラシ集めがデザインのルーツ
ーまずは自己紹介をお願いします。
三重野龍:グラフィックデザイナーの三重野龍です。兵庫県の神戸市塩屋出身です。2011年に京都精華大学のグラフィックデザインコースを卒業して、そのままフリーランスで活動を続けて14年ぐらい経ちました。
ーどこかに就職したり、所属せずに活動をスタートしたんですね。
三重野龍:はい。就活もしてなかったし、何をしたかもはっきりしないままで。周りも作家を目指す人も多く、空気的にも就職する感じもなかったんです。でも、仲良くなった人たちと一緒にいたいなって気持ちがあって。じゃあ自分は何ができるんだろうって考えて、まぁグラフィックデザインコースだったし、これをやってみるかって感じでスタートしましたね。でも、たまたま学生時代から教授に仕事を振ってもらったりもしていたことも大きいです。
ー学生時代からすでに仕事をしていたんですね。グラフィックデザイナーとしてもルーツも教えてください。
三重野龍:もともとチラシを集めるのが好きだったんです。映画館とか行くとチラシってタダでもらえるじゃないですか。それで高校生ぐらいから集め出して、自分の部屋に漠然と貼ったりしていたんです。でも映画や音楽のはカッコ良いですが、大学とか文化施設みたいなところにあるチラシは、たくさんの量があるのに、良いなって思うのはあまりないんですよ。それで、もしカッコ良いチラシが作れたら、仕事になりそうだなって思っていたんです。だから、それが僕のルーツになっているんだと思います。
ー確かに三重野さんのアートワークは、タイポグラフィとポスターやフライヤーの印象が強いですね。そういった仕事の中で、ご自身の中で印象に残ってるものはありますか?
三重野龍:大学を卒業してすぐにやった京都国際マンガミュージアム『赤塚不二夫マンガ大学展』のフライヤーデザインですね。大学を卒業してからの初のクライアントワークで、初仕事にしては上手くいったという手応えがありました。それに文字のデザインをはじめたキッカケの仕事でもあるんです。自分にとっての大きな一歩でしたね。あとは、2015年ぐらいに愛知県美術館で行われた『芸術植物園』のデザインです。これははじめての美術館の仕事で、カタログとかチケットとか、企画の制作物を総合的にデザインしたのもはじめてで、嬉しかったのを覚えています。この時ぐらいから、自分の作風みたいなのも固まりはじめて、自分のやりたいことも見えてきたんです。同時に仕事も増えてきたタイミングで、勢いついてきた実感がありました。
ー『赤塚不二夫マンガ大学展』と『芸術植物園』のデザインも日本語のタイポグラフィが特徴的ですよね。
三重野龍:そうですね。この時にデザインした文字の製作方法が今でも続いているんです。まずは筆ペンでサササって描いて、それをPhotoshopで拡大して、ざっくりと形を整えるんです。そのあともう一度出力して、それをさらにペンで形を整える。これを繰り返して、磨いていくんです。一度、PCに入れることで拡大縮小がすぐ出来るので、チェックしやすいんです。
ーこのようなデザインのインスピレーションはどこから得ているんですか?
三重野龍:小さい頃に好きだったモノとか、今でも好きなモノとかが多いですね。特に子供の頃から、生き物が好きで、動物とか魚とか昆虫、さらに植物とかからインスピレーションを得ることが多いですね。例えば、サバの背中にある迷彩っぽい柄とか、ツタの張っている壁とか。デザイン的な考え方と逆行しているかもしれないですが、最初は良く見えなかったり、どこを見て良いかわからないものとかが気になったりするんです。あとは、幼稚園の時に開幕したJリーグのグッズや、スーパーファミコンやニンテンドー64のゲームやソフト、それに当時の漫画とか、90年代的な空気を感じるモノが好きで、それらのポップなデザインには影響を受けてます。
ー確かに、三重野さんのデザインって生き物や現象のような奇妙さがあるのですが、印象に残りやすいポップさもありますね。ちなみに東京オリンピックのアルファベットを製作したともお聞きしました。どのような内容の仕事だったんですか?
三重野龍:開会式のピクトグラムパートで使用されるアルファベットを製作しました。大文字小文字全て作りましたね。世の中的に色々なことが重なっていて、大変な時期だったので、かなりタイトな中で作ったのですが、光栄な仕事でしたね。
ー2015年ぐらいから作風が定まってきたとのことでしたが、文字のデザインをするデザイナーというイメージは意図して作り上げてきたのでしょうか?
三重野龍:『赤塚不二夫マンガ大学展』の時にはじめて文字を作ったのですが、理由は単純で、当時PCに入っているフォントで綺麗にタイトルとか見出しを組むスキルがなかったんです。新しいフォントを買うお金もないし、もう作るしかかなったというか(笑)。でもタイポグラフィは好きではいて、仕事の中でどんどん作っていくうちに、自分のイメージが偏ってきたんだと思います。
大阪のお笑いや芸事をイメージして製作した『大阪愛~OSAKA FREAK~』のロゴ
ー今回の企画『大阪愛~OSAKA FREAK~』のロゴも製作して頂きましたが、ご自身の中でどのようなテーマを持って作ったのでしょうか?
三重野龍:大阪の芸事とかお笑いをイメージしました。歌舞伎とかで使われる勘亭流をベースに、丸みを足して可愛げとかポップに仕上げました。大阪の人のノリのように、和気藹々としてるような、戯れあってるように、楽しげな様子が伝わるようにデザインしました。
ーロゴのカラーは、『大阪愛~OSAKA FREAK~』でFREAK’S STOREがコラボレーションした『ヤッターめん』の色と同じですが、そこも意識した点なのでしょうか?
三重野龍:色については、たまたまこうなったというか。緑がFREAK’S STOREのカラーで、「愛」ということで暖色の赤を入れて、そこに相性が良かったのが青だったんです。ちょっと万博感も匂わせたところもあります。意図せずでしたが『大阪愛~OSAKA FREAK~』の企画にハマるデザインになって良かったです。
ーロゴは大阪の芸事とかお笑いのイメージとのことでしたが、三重野さんにとっての大阪はどんな街ですか?
三重野龍:同じ関西ですが京都にも、神戸にもない、独特の外国っぽさがありますよね。食べ物とかお酒が異常に安かったり、市場のようなビルで、いろんなモノが安く買えたりとか。それに立ち飲み屋も多い。いろんな情報が一気に頭に入ってくる。他のアジアの街に行った時の印象に遠からずなイメージです。
ー確かに、言われてみれば日本の中でも独特な空気ですよね。では、三重野さんにとっての「大阪愛」も教えてください。
三重野龍:近いのに外国感を味わえて、酒が安い。そんな愛すべき街です。
ーでは、最後に今の夢や目標を教えてください。
三重野龍:図鑑の仕事をやってみたいですね。生き物の図鑑。動物とか、爬虫類とか、他にも植物とか石とかでも良いし、宇宙とかでも良いです。子供の頃から、すごく好きで、誕生日のプレゼントといえば図鑑だったんです。これが今の目標の一つです。あとは、まだ言えないのですが大阪駅で大きな仕事をさせて頂けることになりました。今までやったことがない新しいチャレンジにもなるので楽しみにです。皆さんも楽しみにして頂ければ嬉しいです。
INFORMATION
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大阪愛~OSAKA FREAK~
PROFILE
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三重野龍
1988年兵庫県生まれ。2011年京都精華大学グラフィックデザインコース卒業。大学卒業後、京都にてフリーのグラフィックデザイナーとして活動開始。美術や舞台作品の広報物デザインや、ロゴ、グッズなど、文字を軸にしたグラフィック制作を実践している。





