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#ART & CULTURE

dooooの人肉アイテムが人を惹き寄せ続ける理由

Photo:Takao_okb

Text:Ryo Tajima (DMRT)

人間が生きながらにアイテムになってしまったような奇天烈な人肉アイテム。dooooがそれを生み出したのは2017年のことだった。 その強烈なルックスは一気に世間へ広まり、ついには世界中に知られることに。SFでオカルトちっくでホラー的なのにポップで可愛い。そんな人肉アイテムが世界中の人々を魅了し続けている。

 

去る4月28日には、東急プラザ表参道「オモカド」で『人肉アイテム展 in 表参道』が開催された。その場所へお邪魔し、dooooに展示会を通して感じたことや今後、人肉アイテムを持ってチャレンジしたいことについてインタビューした。

日常生活から着想を得たものが人肉アイテムに

ーdooooさんによる人肉アイテムはカルト的な人気を誇り、一部の界隈では熱狂的なファンもいるほどです。今回は展示を介して、昨今のdooooさんにとっての人肉アイテム事情をお伺いできればと思います。今回は東急プラザ表参道「オモカド」での展示『人肉アイテム展 in 表参道』となったわけですが、dooooさんにとって展示はどういう位置付けにあるんでしょう?

 

doooo:まずはじめたキッカケなのですが、僕が人肉アイテムを発表した時期、実際に作品を生で見たり触ってみたいという声を多く頂いたんです。その声を実現できて、間近で人肉アイテムを体験できる場所を作りたくて展示会を始めました。展示会と称してはいますけど堅苦しいものではなく、ファミリー層がふらっと遊びに来れるような場所を作りたいと思っています。タイトルはわかりやすくインパクトが出るかなと思い『人肉アイテム展』にしました。老若男女問わず、色々な方にアイテムで遊んでほしいと思って開催しています。

ーこれまで展示をやってきて記憶に残っているエピソードは何ですか?

 

doooo:今まで国籍・老若男女問わず色々な方が遊びに来て下さったのですが、人肉アイテムを見ると皆さん感情を素直に表に出して反応してくれるので嬉しいです。日本の方でも海外の方でも、近くに行ってパッと目の人肉アイテムを瞬きさせたら、「Ahhhh!!!」と本気の悲鳴を上げてくれたりするので、初対面でも言葉が通じなくてもその人との壁みたいなモノが薄くなる感覚あります。記憶に残っているエピソードは、ニューヨークで展示をしたときに空港の持ち物検査で引っかかったことですかね。

 

ーやっぱりそうなりますよねぇ。

 

doooo:持ち物検査の担当の方を見て、目を丸くするってこういうことを言うんだなと思いました。「こいつ、これを首から下げてるんだぜ? 信じられるか?」って、仕事中でも担当の人が上司らしき人と話しながら楽しんでて、興味を示してくれたのも嬉しかったです。作品を通して話している人の素の部分を見れるのは嬉しいです。

ーそういった反応が人肉アイテム作りのインスパイアに繋がったことはありますか?

 

doooo:展示を含むイベントや日常生活からの影響で新たな人肉アイテムが生まれることはあります。口の小銭入れは買い物をしていてパッと取り出した財布が口だったら面白いんじゃないかなというアイデアから作りました。がま口財布って言うし、本当に口が財布になってたら説得力も増すかなと。

 

ーニューヨークでの展示もそうですが、人肉アイテムは全世界から反響があって今に至るわけですが、これはそもそも想像できていたことでしたか?

 

doooo:想像できていませんでした。1つ目に作ったのは人肉MPCで、そもそも2017年にリリースした僕のアルバム『PANIC』のジャケットアートワーク用に作ったんですよね。自分は音楽が好きだけど、同時にアートやSF、ホラーが好きな人間なんだってことが伝えたいと思って作ったんですけど、それが今みたいな形で色々な皆さんとコミュニケーションできるモノになるなんて思いもよらないことでした。

飲食店がある地域を避けてショップを出します

ー人肉アイテムには、dooooさんの好みやバックボーンが反映されていると思います。そこについて改めて教えていただけますか?

 

doooo:HR・ギーガー(エイリアンの生み出した造形作家)には大きな影響を受けました。エイリアンの重厚感と独創性、美しさに圧倒されましたね。ちょっと怖いけど面白い、美しいっていう感覚があるものとしては、ホラー漫画家の伊藤潤二先生からの影響も大きく受けています。伊藤潤二先生とは『富江の人肉アイテム』でコラボさせて頂きました。

 

ー世界各国で行われている『人肉アイテム展』ですが、その経験を経て何かやってみたいと思うようになったことはありますか?

 

doooo:展示会や作品発表は今後も変わらず続けていくと思うんですけど、この夏にいつでも人肉アイテムを見る事が出来るお店をオープンしようと考えています。

ーそうなんですか! どんなお店になりそうですか?

 

doooo:場所は溝の口を予定しています。上京して最初に住んだ第二の故郷のような街なので、そこにオープンしようと考えていて。基本的には小さなカフェ&バーのような形で、そこに人肉アイテムを置いたり、他のアーティストさんの展示も行ったりできたら面白そうだなと考えています。

 

ーショップはずっとやってみたかったことなのですか?

 

doooo:ずっと思っていたわけではないですが、『人肉アイテム展』を開催している最中に、いつでもこの感じで皆さんと楽しめたら良いなと思っていました。これまで飲食店やギャラリー、バー、クラブなど、色々な場所で開催させて頂き良い経験ができました。展示を繰り返すうちに、こうすれば楽しくなるな、これをすると迷惑をかけてしまうなという部分がわかるようになってきたんです。“人肉”という言葉はやっぱりインパクトがあるものなので、そういった部分を配慮しながら居心地の良い空間を作りたいと思っています。

ーなるほど、周囲の環境まで配慮しなくてはいけないわけですか。

 

doooo:はい。国や文化によっても感じ方は違うと思いますし、こういう作風の作ものが苦手な人もいるかと思いますので。みんなに楽しんでもらえるように気をつけつつ、準備をしていきたいと思っています。

 

ーお店のオープンをめちゃくちゃ楽しみにしています!

 

doooo:はい、ぜひ。隠れ家的な空間にもなると思うのでチェックしてみてください。

INFORMATION

  • CAFE & BAR MOTHER FACTORY (カフェアンドバー マザーファクトリー)

    住所:213-0033 神奈川県川崎市高津区下作延7-27-3 STAGE MIZONOKUCHI 1F

    営業時間:11:30〜21:00(金土のみ23:00まで営業)

PROFILE

  • doooo

    岩手県出身のアーティスト、プロデューサー、DJ。クリエイター集団、CreativeDrugStoreに所属しMOTHER FACTORYにて人肉アイテムを世界へ発信し続けている。

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