My Roots is…
-ミュージシャンたちのスタイルのルーツを紐解く- vol.11 森（どんぐりず）

Photo：Takao_okb

Text：Ryo Tajima（DMRT）

セックス・ピストルズやカート・コバーンにはじまり、現代ではカニエ・ウェストやリアーナ、ブラック・ピンク、日本ではドラゴン・アッシュのKjやKing Gnuなど。その時代を象徴する偉大なミュージシャンは、みんなファッションアイコンだ。

本連載では、この理論に基づき現代のファッションアイコン、そして次世代のファッションアイコンとなるミュージシャンを発掘し、彼らのファッション的ルーツを掘り下げていく。

第11回目は、2人組の音楽グループどんぐりずのラッパー、森。ハウスやテクノ×ラップという他にない独特のスタイルでシーンを魅了するアーティストだ。そんな森ならではのポップでカジュアルなスタイルについて聞く。

ラコステは絶対欠かせない
色は派手派手なのが好き

ー今日はかなりカラフルなコーディネートですが、好きなファッションと言えば何ですか?

自分にとって欠かせないのはラコステ（LACOSTE）のポロシャツですね。ラコステが好き過ぎて曲も作ったくらいです。「俺の胸にワニ」っていうリリックで。今日もそうですけど、ステージでもカラフルな格好をすることが多いです。とにかく派手なアイテムをセレクトしますね。柄モノも大好き。レオパード柄のハットは知り合いからプレゼントされたものです。

ーラコステが好きなのは何か理由があるんですか?

子供の頃に親が買ってきたくれたっていうのは大きいですね。その頃からずっとお気に入りです。あと、フランスの不良ラッパーたちはみんなラコステできめているんで、それがカッコいいと思って。

ースウェットのショーツといい、カラフルなだけではなく着こなしもポップな点が特徴的ですね。ファッションのルーツとなったアーティストはいますか?

タイラー（タイラー・ザ・クリエイター）ですね。ただ、LAのスタイルが好きというわけではなく、国で言うとイギリスやフランスのスタイルが昔から好きです。

ーたしかに、タイラーのスタイルからの影響が感じられますね。ラコステ以外に好きなブランドはありますか?

アディダス（addidas）が好きです。あと、最近ハマっているのがウェールズボナー（WALES BONNER）っていう、ロンドンのデザイナーがやっているブランドですね。そこのポロシャツもかわいいし色使いがいいんですよ。

ー着こなしの色合いは鮮やかでポップですけど、ポロシャツにレザーシューズというアイテムの組み合わせにはトラッドな印象が感じられますが、意識していますか？

ラフになり過ぎず整頓された綺麗めな格好をしようというのはありますね。あと、レザーシューズも好きで、特にマーチン（Dr.Martens）は愛用しています。今日履いているのも、そのタッセルローファーです。ラコステとマーチンはずっと好きで、これからも着用し続けていくと思います。

ーラコステとマーチンが森さんにとって欠かせないブランド。では、最近気になっているブランドはありますか?

フランスのブランド、カサブランカ（CASABLANCA）も好きですね。派手だしセットアップにめっちゃ興味があります。あと、今だからこそペレペレ（PELLE PELLE）が着たいとか思いますね。あの年代の洋服は今年もうちょっとくると思うんですよ。ファットファーム（FHAT FARM）とかエコー（ECKO UNLTD）とかヤバいですよね（笑）。今、ワンチャンあると思います。

ーそういった自分のスタイルや好みに影響を与えられた映画や本などはありますか?

映画だとウェス・アンダーソン（Wesley Anderson）の作品からインスパイアを受けることがあります。どれも好きですけど『グランド・ブダペスト・ホテル』が特に好みですね。色合いが独特でパステル調であったり、ふんわりとしたカラーリングが魅力です。

ーでは、音楽のルーツは何ですか?

入りはHIPHOPなんですよ。トライブ（A Tribe Called Quest）から入ってファーサイド（The Pharcyde）だとか、90’sがルーツです。その後にダンスミュージックを聴くようになってケミカル・ブラザーズ（The Chemical Brothers）にハマっていったんです。それで四つ打ちに合わせてラップしたら日本で誰もやってないから面白いんじゃないかってなったんですよね。

ーどんぐりずのトラックはダンスミュージック的なアプローチのものがありますし、それが個性的でカッコいいですもんね!!

そうっすね。相方のチョモがそういうトラックをめっちゃ作れるので。あとはドラムンベースも自分のルーツにあるので、音楽的な側面で言ってもUKからの影響は大きいです。

ーでは、最近の活動についても教えてください。

今、スペインのテックハウスシーンにハマってるんですけど、そこにインスパイアを受けた曲を作ろうとしています。ロンドンにルイス・VI（Louis VI）っていうヤバいラッパーがいるんですけど、一緒に制作中ですね。それと、ニューアルバムがロンドンのレーベル、プラトゥーンからのリリースになるのでヨーロッパツアーが出来ないか目論んでいますね。そんな感じで今年は海外での活動を頻繁に出来たらいいなと思っているんですよ。