好きなバンドや映画、アニメキャラクターをモチーフにした1枚や、名デザイナーがシルエットにこだわり抜いた美しい1枚。私たちがふだん何気なく着ているTシャツには、選ぶ人の個性がにじみ出ている気がする。「お気に入りのTシャツを教えて!」と持ってきてもらったとっておきの9枚から、その人らしさを探ります。
第8回のゲストは、アパレルブランド〈Peate〉のディレクター・ykoさん。「仕事柄、グラフィックが面白いものに惹かれます。このモチーフは何?って調べて背景を知るのも楽しくて。思いっきりタイトなTシャツを着たくなることもありますが、最近は大きめサイズをシンプルに着ることが多いです」と話す彼女の、ベストナインをご覧あれ。
“架空のドラマのファンが勝手に作ったTシャツ”というコンセプトで作った〈Peate〉のアイテム。ブートTという設定だから、わざと荒い作りにしていて。この質感を出すのに少し苦労しました。写真は私の友達の幼少期なんですが、大人になった今はとてもイケメンです(笑)。
これは完全にブートのMac MillerのTシャツです。仕事柄、Tシャツのボディオタクなところがあるのですが、この「Comfort Colors」ってところの風合いがとても好きで。このボディだったらきっとかっこいいじゃん!って。明らかに素人が作ったであろうデザインが面白くてお気に入り。
〈Deadbeat Club〉というアメリカの出版レーベルのTシャツです。書店で「この写真集、素敵!」と思って手に取ると彼らの本っていうことがとても多くて。たまたまTシャツを見つけたので海外から取り寄せました。デザインを気に入って、写真違いで長袖のものも持っています。
記憶が曖昧ですが、たしか古着屋で300円くらいで買った気がします。「音符が描いてあって可愛い!」くらいの軽いノリで(笑)。きっと海外のどこかの学校の吹奏楽部のTシャツですよね。なんとなく買ったとは思えないほど愛着があって、ずっと着ています。
去年古着屋で見つけた『Full House』のTシャツです。私、D.J.の親友のキミーが大好きで。キミーがいるTシャツってなかなかないんですよ。だから、偶然これを見つけた時に買うしかないって思いました。これからたくさん着ていい感じの風合いにしていきたいですね。
Toro y MoiことChaz BearによるRealityのTシャツ。幡ヶ谷にある〈gallery commune〉で見つけました。イエローとブラックの色合いに一目惚れしたんですが、このサイズしか残っていなくて……。ちょっと大きいけどデザインがお気に入りなので頻繁に着用しています。
タイダイ柄はスタイリングに取り入れる難易度が高いですが、これは色が派手すぎないから着やすいんです。〈Online Ceramics〉はグラフィックも可愛いし、ちょっと毒のある感じが好き。娘の名前がハナなので、花のモチーフは見つけると手に取りがちです。
Lauryn Hillの『The Miseducation of Lauryn Hill』というアルバムが大好きなので、それをテーマにしたアイテムを〈Peate〉で作りました。アルバムの1曲目の始まりで、学校の先生が生徒の名前を読み上げるんです。そこに着想を得て、呼ばれている名前をプリントしました。
The Beatlesのパロディバンド、The ButtiesのTシャツ。夫に誕生日プレゼントでもらいました。有名なジャケットを真似したデザインなんですが、おじさんたちのいい味が出ていますよね。サイズ感もちょうど良く、なんだかんだよく着ています。
PROFILE
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yko
フリーランスのPRとして活動後、〈Peate〉をスタート。自身の好きなカルチャーを落とし込んだユーモアのあるグラフィックが人気に。他にもキッズ向けブランド〈UAUA HEIGHTS〉やアクセサリーブランド〈y&_〉も手がけている。