「オシャレ」とは、装い “だけ” に限ったものでは、決してないはず。オシャレな人は、ほとんどもれなく、その “生活” や “暮らし” にも、熱い愛情を向けていることでしょう。
そんなちょっぴり強気な決めつけ(?)をリード文に据えた、FREAK MAG.の連載特集『PET FREAK! 〜ペットと暮らす、オシャレなフリークたち〜』。さまざまな “FREAK(フリーク)” たち、それも、特に「ペットと暮らすオシャレなフリークたち」をフィーチャー。ファッションに対する愛情はもちろんのこと、それと同じぐらい、“家族” としてのペットに向けた愛情を、ゆるりと深堀りしていきます。

第一弾の『SORA & TORA』に続いて、第二弾となる今回は、TikTokを中心にたくさんのファンから愛されているフェレットのクロロくん・チワックス(チワワとダックスフンドのミックス)のウェンディちゃんについての記事をお届け。飼い主のPyonさんとaiue_ooojiさんが、彼らに寄せる愛情について語ってくれました。
「そもそも私たちは、フェレットを飼うつもりがなかったんですよね」と笑い合う、Pyonさん・aiue_ooojiさんのお二人。その出会いは、半ば “運命” にも近いものだったと話します。
ーー フェレットのクロロくんを飼い始めるきっかけは、どのようなものだったのでしょうか?

Pyonさん(以下、Pyon):フェレットを飼おうとは一切思ってなかったんですよ。実は。新大久保にある大きなペットショップ『ZOO』に、二人でたまたまお邪魔した際、フェレットが一匹だけ居たんですよね。その子を見て、二人で「フェレット飼いたい!! 可愛い!!!」と大はしゃぎしたのを覚えています(笑)。
aiue_ooojiさん(以下、Oooji):そうそう、相当はしゃいでた(笑)。とはいえ、そもそも飼おうとなんて思ってもいなかったから、帰ってからものすごく勉強したよね。フェレットについて。

Pyon:やっぱり「可愛い!」だけじゃ、良くないよね。調べに調べ倒して、今度は中野にあるフェレット専門店『フェレットワールド』へ行きました。そこで一目惚れしたのが、クロロだったんです。もう、即決でしたね。
Oooji:それが、2023年12月のこと。チワックスのウェンディを飼い始めたのは、2024年8月。二匹とも兄妹のように仲が良く、眺めているだけで思わず笑ってしまうほどです。初めて会ってからまだ2ヶ月程度しか経っていない(2024年10月現在)のに、兎にも角にも、ずーっとくっ付いているんですよ(笑)。
ーー 取材中も、ずっと仲良しですもんね……! ちなみに、二匹に共通する性格や、まったく違う部分ってありますか?

Pyon:チワックスのウェンディは、とんでもない “ビビり” です(笑)。家にお迎えした日なんかは、私たち二人に怯えているのか、全然ペットバッグから出てきてくれなくて。でも、クロロには尻尾を振っていたよね?
Oooji:ね。初対面から相当仲良くなるだろうな、と思うぐらいだった。お迎えした当初は散歩もできないほど小心者だったけれど、クロロのおかげもあってか、出てきてくれるようになったんです。
ーー 陰と陽が、はっきりしているような……?

Pyon:まさに。ウェンディは、完全に陰キャですね。一方のクロロは、間違いなく陽キャ(笑)。ワクチン注射の際なんか、全然ビビることもなく、あくびをしていたぐらいです。しかも、病院の先生にめちゃくちゃ懐いていて。また、家の中でも、かなりアクティブに走り回っていますね。とにかく狭いところが好きみたいで、気づけばベッドの下に潜り込んでいたり。
Oooji:なのになぜか、ウェンディは、家だとジャイアンみたいな感じで。“俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの” なんですよね。クロロのおもちゃをバーッと横取りしている姿、何度も見ていますよ(笑)。ただ、なんだか今日は二匹ともよそ行きの顔をしていますねぇ。TikTokで、本性を観ていただけたらうれしいです。全然違いますよ、ほんと。
ーー ちょっとした、二面性が。

Oooji:“ちょっとした” じゃないです。もう、“とびっきりの二面性” です(笑)。
Pyon:性格自体は、生まれ育ったファームによって異なるみたいなんですよ。そもそもフェレットには、生来の性格を持たないようで。クロロはアメリカの「マーシャルファーム」と呼ばれる場所で生まれ育ったらしく、“マーシャルフェレット” なんて呼ばれ方をする種とのこと。そこで育ったフェレットは、比較的初心者でも飼いやすいような性格の子が多いのだそうです。
ーー それは知りませんでした。マーシャルフェレット、ですか。
Pyon:他のファームだと、もうちょっと気性の荒い子もいるみたいですね。もちろん他所のファーム出身の子を悪く言うつもりはないけどね。性格についてはそんな感じで、ただ、なんと言ってもやっぱり “顔” ですよね。完全に一目惚れでしたもん。もちろんそれだけじゃないけれど。

Oooji:ちょっと話はズレますが、散歩がほとんど要らないのは、フェレットを買う上でのメリットのひとつかもしれませんね。
ーー ほう、ほう。
Oooji:「一人暮らしでも飼いやすい」という点。これは結構大きい気がします。エサについても、これはクロロだけではなく、基本的にフェレットは「食べたい時に食べる」という性格を持っているんですよね。お留守番だって、水とエサの設置と室温管理(なるべく涼しく15~24℃ほどに保つこと)さえしっかりしていれば、できますし。一泊二日ぐらいなら、旅行にだって行けるんですよ。

Pyon:『散歩がほとんど要らない』とはOoojiが言ったものの、実は結構散歩してるよね。クロロは特に公園が大好きで、すぐ遊具の隙間に入っちゃうんですよ。やっぱり狭いところが好きなんだなぁ、って。
ーー 少し話が戻ってしまうのですが、今や42,300人(2024年10月1日現在)ものフォロワーがいるクロロくんのTikTokについては、そもそもなぜアカウントを作ってみようと思ったのでしょう?

Pyon:もはや「可愛いから」に尽きちゃうかも(笑)。その説明は、ぜひともOoojiから。
Oooji:たしかに「可愛いから」に尽きるかもね(笑)。クロロのアカウントについては、趣味程度に始めた形です。
僕自身、広告代理店に勤めていて、企業のSNS運用をおこなっているんですよね。もともとはアパレル企業に勤めていたのですが、TikTokの個人アカウントを作ってみたところ、「これ結構おもしろいぞ……?」と思うようになって。転職のタイミングで、それを仕事にできたらいいなぁと思いつつ、今の仕事に就いたんです。

クロロのアカウントについては、仕事で得られた知見を試すことも積極的におこなっていますし、いわば「勉強しながら」といった部分が大きいですね。「可愛いから」だけではビジネスにはならないし、かと言って、ガチガチにビジネス的なアカウントにするのも、それはそれで違うし。
ーー その葛藤について、すごく共感します。「可愛い」だけでは成り立たないし、でも、それは大きな前提だし。
Oooji:だからこそ、“ひろゆきボイス” を使用してみたり、韻を踏むような仕掛けを作ってみたりと、さまざま工夫しつつ、運用する自分たちがまずは楽しむように心がけていますね。やっぱり何より、可愛いし、大好きだから。そこの芯はブレませんね。
ーー Pyonさんは、いかがですか?

Pyon:少し唐突な話になるかもしれませんが、フェレットの寿命って、長くて10年ほどなんですよ。平均寿命は7年ほどと、そこまで長寿なペットではないんです。だからこそやっぱり、元気なうちにたくさんの思い出を作りたいなぁ、って。
私自身、実家でワンちゃんを飼っていた経験があって。実は、今から3年ほど前に、17歳という長い寿命をまっとうして亡くなってしまったんです。当時飼っていたワンちゃんは室内犬ではなく、触れ合う機会もそこまでベッタリではなかったけれど、やっぱりお別れはすごく寂しかった。


Pyon:比べてクロロやウェンディは、目に見えるところに居てくれる。より近く感じますし、何よりやっぱり「近くに居たい」と思っているんです。私たち二人が。悲しい経験がすべての理由ではないにせよ、クロロとウェンディに対してこうして近くで愛情を与えられるのは、本当に幸せだなぁ、と。これからも、二人と二匹、みんなで幸せに暮らしていけたらいいなぁと思います。

Pyon:……と、いい話をしている最中に、ウェンディは寝てるんだよな〜(笑)。

Oooji:クロロはずーっとうるさいまま(笑)。こんな凸凹コンビで、ずっと幸せに暮らしていけたらいいね。



