










It was a can ¥0
缶は最も多く落ちているゴミで、つまり”ゴミのきほん”と言える。数多く出会えるがゆえに、個体によってその魅力は大きく異なる。加賀美健は言う。「潰れているもの、形がいいものに、なんか惹かれるんですよね。道路に落ちている缶をいつも探しているのですが、道の真ん中など危ないところに見つけたら諦めています。」そう、人は潰れてしまったらおしまいだが、缶は別。潰され、平らになり、独特の魅力を放つことがある。道路の真ん中で何度も車輪の圧力を受けたであろうそれを手に取り、歪なフォルムを眺めると、過酷な運命を思わずにいられない。丁寧に並べればまるで貴重な鉱石のように光を放つ。かつて人々の喉を潤したそれは、棄てられ、拾われ、奇妙な美しさを放ち、観る者の心を潤してくれる。
拾った人:加賀美健
拾った場所:いろいろ
素材:スチール、アルミニウム
※FREAK MAG.はゴミ拾いを推奨しています。
PROFILE
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加賀美 健
現代美術作家。1974年、東京都生まれ。
社会現象や時事問題、カルチャーなどをジョーク的発想に変換し、彫刻、絵画、ドローイング、映像、パフォーマンスなど、メディアを横断して発表している。
2010年に代官山にオリジナル商品などを扱う自身のお店(それ自体が作品)ストレンジストアをオープン。
日課の朝のウォーキングの際に面白いゴミが落ちていないか目を光らせながら歩いてる。