Freadaディレクターの小笠原希帆が世の中のあれやこれやに独自の視点で物申していく「小笠原希帆の”お言葉ですが!”」。第二回は「言葉遣い」がテーマです!
新たな流行語が生まれたり、誰も使わない言葉が死語になったり…。時代とともに変化する“言葉”の使い方について日々気になってしまうというオガ氏。
第二回は、日常や仕事で「あ〜!気になる〜!」と感じた言葉遣いについて、同じく“気になる仲間”で親交の深い『Swell vintage (スウェルヴィンテージ)』のオーナー・山本めぐみさん(めぐさん)とともに白熱トークしちゃいます!
“瞬間的マッチ”で仲良しに。でも考え方は同じ方向を向いていない?
(小笠原希帆:以下、小笠原)「めぐさんとは、7年前くらいに共通の友達を介して知り合ったんだよね」
(山本めぐみ:以下、めぐ)「お互いインスタは相互フォローしてて、会いたいねってご飯に行ったのが最初だったね」
(小笠原)「最近は会うとなったらご飯に行くことが多いよね。めぐさんのお店『Swell vintage』がうちの会社と近いから、仕事終わりによく行ったりとか。あとは共通の友達の展示会に行ったりもするね」
(めぐ)「そういえば出会った時はまだ『Swell vintage』の店舗がなくて、オンライン販売が中心だった時期かも。そう考えると長い付き合いだね。希帆は会った瞬間から波長が合った感じがした。それでここまで仲良くなったんだと思う」
(小笠原)「うん。話がつきないよね。直感で『あ、この人合う人だ』って私も思った!」
(めぐ)「でも考え方は同じ方向を向いているわけではなくて。真逆じゃないんだけど、『そういう考え方もあるんだ』って思えるんだよね」
(小笠原)「全く同じではないよね。それが良かったんだと思う」
物申したい言葉遣いが日々多い!なぜ気になるように?
(小笠原)「たまにめぐさんがインスタのストーリーズで言葉遣いに対して物申してるのを見てて(笑)、私も結構気になるタイプだから、今回話してみたいなと思ったんだよね」
(めぐ)「そうだね(笑)。私は前職で企業の受付の人材をまとめる仕事をしてたから、社内向けに言葉遣いとかマナーを教える立場で、その関係で意識するようになったんだよね」
(小笠原)「なるほどね。講師を目指したりもしてたの?」
(めぐ)「うん。上司から社外向けにもやってみたら?って勧められて目指してた時期もあった。希帆はなんで意識するようになったの?」
(小笠原)「わたしは本を読むからかな。正しい言葉に触れる機会が多いと敏感になるのかも。だから私たち『この言葉遣い合ってるかな?』って話をよくするよね」
(めぐ)「そうだね。前に『Swell vintage』と『Freada』がコラボしたときに、告知のSNSの投稿で、FREAK’S STOREのスタッフさんが『小笠原さんがいらっしゃいます』って身内に敬語を使ってて。それを見つけて連絡したこともあったね」
(小笠原)「連絡もらって速攻で直してもらったよね!最近、普段よく聞くような一般的な敬語ですら、間違って使ってるスタッフが多い気がするから危機感があるんだよね」
(めぐ)「ブランドの一員として仕事をするんだったらプライドを持って接客をして欲しいし、それが最低限の言葉遣いを守ることに繋がると思う。店舗にいるスタッフさんの印象がそのままブランドのイメージになっちゃうと思うから」
“お在庫”?“おタバコ”?「お」のつけ方って難しい…
(小笠原)「これまで私が気になって印象に残ってるのは、店舗の在庫のことを“お在庫”って言ってるスタッフさんがいて。これって間違ってるよね?」
(めぐ)「うん。間違ってると思う(※1)。美化語の使い方って難しいよね。たとえば“お茶”とか“ご飯”とかも美化語として通用してるけど、“おりんご”は言わないじゃん(※2)」
(小笠原)「“おタバコ”は?」
(めぐ)「私もその線引きは詳しくわからないんだけど、“おりんご”は違和感あるじゃん。だからダメなのかも。“お在庫”も違和感あるよね」
(小笠原)「うん。でも違和感があるかないかで誤用かどうか判断させるのは今の若い子には酷かもね(笑)。あ、でも“おタバコ”は“あなたの持ち物”だからありなのか」
(めぐ)「“お召し物”とかもそうだよね」
(小笠原)「“お在庫”は自分の持ち物だから変ってことか。自分のタバコに“おタバコ”は使わないもんね。あとは今回、インスタの質問箱で気になる日本語を募集したんだけど、『ショッパーのことをお袋(おふくろ)って言ってて笑いました。お母さんかよ!』って意見あったね(笑)」
(めぐ)「それが1番笑ったね。ツッコミ方が面白い(笑)」
“ハンバーグになります”は“ハンバーグです”で良いじゃん!
(めぐ)「質問箱の回答を見てたら、『“とんでもございません”が誤用か正しいかがわからない』って意見が結構あったね」
(小笠原)「うーん。私はもう許しちゃってるな」
(めぐ)「“とんでもないことです”が正解だよね」
(小笠原)「うん。でも“とんでもございません”も文化庁は容認してるみたいだね(※3)。 言葉は時代とともに変わるよねってことで」
(めぐ)「本当は違うけど、もうありにしちゃおうって言葉が増えてるからね」
(小笠原)「お客様に『全然大丈夫です!』って言っちゃうよりはいいもんね(笑)」
(めぐ)「それよりはいい(笑)。あとは“なります”かな。飲食店に行った時に、『ハンバーグになります』ってよく言われるよね」
(小笠原)「“なる”って変化をしてるって意味でしょ?(※4)その場でハンバーグになったわけじゃないじゃん。あと『10円のお釣りになります』とか『レシートになります』とかコンビニでもよく聞くよね」
(めぐ)「レシートはだめだけどお釣りはいいって説もあるみたい。預かったお金がお釣りになったから」
(小笠原)「なるほどね。でも怖かったら“です”、“ます”でいいよね?わざわざ変に使うくらいだったら」
(めぐ)「たしかに。『ハンバーグです』、『お釣りです』で十分だもんね」
(小笠原)「あと『1万円からお預かりします』の“から”(※5)も気になっちゃう。『1万円をお預かりします』でいいのに!」
(めぐ)「なんでだろうね。話し言葉としてそれが当たり前になってるし、語感がいいからつけたくなっちゃうのかな」
※3 相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり、現在ではこうした状況で使うことは問題がないと考えられる
※4 変化だけを表さない場合もあり、時代に合わせて『あたる、相当する』という意味で取り上げる辞書もある
<後編 >『“台風一過”って台風の家族のことだと思ってた』(近日公開予定)
INFORMATION
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小笠原希帆の"お言葉ですが!"