2025年4月某日。本メディアでも度々出演してもらっているアーティストのxiangyuからLINEが届いた。「全力でふざけ倒したおちゃら系フードアルバムが完成したので聴いてほしいです」。
食べ物をイメージさせる楽曲の印象が強いxiangyuが言う「全力でふざけ倒したおちゃら系フードアルバム…」。収録曲は、新曲の『遠慮のかたまり』、『もったいないオバケ』を含む、ライブでもお馴染みの『ラスイチのピザ』『ずっといるトマト』など全7曲で、本当に食べ物がモチーフの楽曲ばかりばかりで、もう面白い。
そんな自身のキャリア初となるアルバムタイトルは『遠慮のかたまり』。それは飲み会の最後、大きなお皿に1個だけ食べ物が残っている”あの光景”を指す言葉。ユーモアたっぷりで、なんとも彼女らしい本アルバムだ。ふざけながらも真っ直ぐな彼女が本作へ込めた想い、そして音楽への愛をお届けします。
コミュニケーションの幅が広がった
『遠慮のかたまり』での楽曲制作
ーまずは、自身のキャリア初のアルバムのリリース、おめでとうございます。本作について、ご自身ではどのような手応えを感じていますか?
xiangyu:手応えは、まだちょっとわからないですね。まだリリースしてすぐなので、世の中の反応とか、みんなどういう風に受け取るんだろうって、楽しみと不安が入り混じってる気持ちです。今はまだドキドキしていますが、チーム全員で超最高な作品を作り、しかるべきタイミングでリリースできたなっていう実感はあります。。
ー早速、アルバム『遠慮のかたまり』についてお伺いします。xiangyuさんらしいユーモアあるタイトルですが、どのような想いが込められていますか?
xiangyu:みんなでご飯を食べに行ったときの終盤、料理がお皿に1個だけ残っていることってあるじゃないですか。1枚だけ残っているピザとか、1個だけ残った唐揚げやトマトとか。誰もが目にしたことのある光景だと思うんですが、あの光景に「遠慮のかたまり」という名前があって、私はその光景が日本人らしくて、すっごく愛おしいなぁって思ったんです。それに、主に関西圏で使用されるこの呼び名のネーミングのセンスも面白いなと思って、この光景をテーマにアルバムを作りました。
ーいつぐらいから構想していたアルバムなんですか?
xiangyu:2023年11月ぐらいです。現代美術家の光岡幸一さんの個展があって、そのトークショーにゲストとして呼んでもらったことがあり、その時のトークの内容がキッカケとなったんです。
ー光岡幸一さんは、本作のジャケットのアートワークを担当した作家さんですね。どのようなトークショーだったんですか?
xiangyu:その当時、EP『OTO-SHIMONO』をリリースしたばかりで、このEPを聴いた光岡さんが、ご自身の感覚に近い何かを感じくれたようで、私に興味を持ってくださったんです。てっきり個展で展示している作品について話すトークショーなんだと思っていましたが、拍子抜け。彼が突然、「最近、こういう写真をいっぱい集めてるんです」って、1個だけお皿に残ったトマトとか、ピザとか、ポテトなどの大量の写真を見せてきたんです。200枚ぐらいある写真に写ったその光景に、「遠慮のかたまり」という名前があることを、そのときに知ったんです。もうすっごく面白くて衝撃でした。そして彼が「xiangyuさんなら、これで何を作りますか?」って聞いてきたんです。「なんか面白いから、私だったらこれ絶対に曲にすると思います」って返答して。
ー1曲で終わらずに、アルバムまで作ってしまうところがすごいですね。
xiangyu:テーマやコンセプトがある中で、何かを作ることが好きですし、1曲1曲がご飯に由来する曲のアルバムが出せたら、私らしくて楽しいかもって思ったんです。それで「遠慮のかたまり」をテーマに曲作りをはじめました。
ーアルバムには、本作のタイトルを冠した『遠慮のかたまり』という曲もありますよね。しかも1曲目にあるのも印象的です。
xiangyu:このテーマで曲作りをしていく中で、よくいろんな人と「遠慮のかたまり」という光景について話すようになったんです。いろんな人の持つ「遠慮のかたまり」のストーリーを聞いてく中で、1個だけ残ってるご飯に、日本人ならではの奥ゆかしい国民性を感じて、すごく愛おしい光景だなって思ったんです。友人や恋人など、誰かと食事をしていて1個だけ残った食べ物であり、その食事の席についたみんなの気持ちが交差した結果が生んだ、偶然の産物なんです。家で1人でご飯を食べている時に、たまたま残った1個だけの食べ物とは違うものだなって思うんです。食べ頃は、とっくに過ぎてても、最後の1個に対する向き合い方は人それぞれで、あの1個は1人1人の様々な感情が集まった結晶なんだって思うと、愛おしくて愛おしくて。この気持ちを、示せる曲があってもいいなと思い最後に作った曲が、このアルバムのタイトルでもある『遠慮のかたまり』という曲になんです。
ーいろんな居酒屋メニューが出てるBメロが個人的に大好きでした。
xiangyu:もう食べ物全部並べました(笑)。もう「全力でふざけ倒したおちゃら系フードアルバム」だなって思います。
ー新曲はもう一曲ありますよね。『もったいないオバケ』という曲についても教えてください。
xiangyu:アルバム全体が「遠慮のかたまり」というテーマで進む中で、単純に食べ物以外の曲も欲しいなって思ったんです。それで思いついたのが、残ったご飯から連想されたもったいないオバケの曲。子供の頃に、ご飯を残すと「もったいないオバケが来るよ!」って、親に言われたことがある人もたくさんいると思うんです。でも、そのもったいないオバケって結局なんだっただろうって考えていたんですが、その正体は不明。だとしたら、もしかすると人間がやってる世直し的な活動の可能性もあるんじゃないかなって思ったんです。そう考えると、自分の家の隣に住んでるサラリーマンが仕事のあとに、夜の街に繰り出し、夜な夜な活動しているかもって想像すると楽しくて。そんなもったいないオバケの日中の姿を歌った曲なんです。
ー想像を描いた曲って、日常の出来事を切り取ったリリックが多かったxiangyuさんにとっては珍しい印象です。この曲の前にリリースした曲『宇宙包(feat. Kuro)』も、中華の円卓に残された小籠包を割ると宇宙が広がっているというファンタジーを描いた曲でした。何かご自身の中で、変化などがあったのでしょうか?
xiangyu:この2曲ができる前にリリースした『ピースオブケイク(feat.七尾旅人)』での、七尾旅人さんとの曲作りが大きなキッカケになりました。
ー確かに、『ピースオブケイク(feat.七尾旅人)』も、1個のケーキを救う物語を描いた曲ですよね。
xiangyu:はい。毎回、リリックを書くときに、自分が考えていることとか、表現したいことが、どうやったら伝わるかなってすごく考えているんですけど、『ピースオブケイク(feat.七尾旅人)』を作るときに最初に書いたリリックが、しっかりと物語を説明した内容だったんです。その内容に対しての旅人さんのアドバイスが、「もっと説明しなくても、きっと伝わるよ。もうちょっとリスナーを信じてみよう」でした。もっと説明しなくても、語感の気持ち良さや、耳障りが良いメロディを重視した歌詞も書いてみたいなって、想いも前からあったのですが、それを旅人さんのアドバイスのもとチャレンジできたんです。そうやって『ピースオブケイク(feat.七尾旅人)』が完成したときに、自分のメッセージを説明するのではなく、リスナーの感性や解釈に預けるコミュニケーションでも良いんだって思えたんです。その経験を活かして作ったのが、『宇宙包(feat. Kuro)』と『もったいないオバケ』でした。
ーリスナーとのコミュニケーションっていう意味では、この3曲もxiangyuらしい表現ですね。
xiangyu:私は音楽を通して、いろんな人とコミュニケーションを取りたいなと思って、音楽活動をやっているので、そのコミュニケーションの幅が広がったことが嬉しいです。そんなキッカケになる作品を作れたことが、自分にとって大きなことだと感じています。
一生全力でふざけていたい
アルバム『遠慮のかたまり』はそんな私の今を描いた作品
ー初のアルバムリリースとなりますが、音楽活動をはじめて今年で7年目だとお聞きしました。著書の『ときどき寿』や、他のメディアのインタビューでも言ってますが、もともと音楽に興味がなかった、歌うことが苦手だったそうですね。今では音楽でご自身のことを表現することに対して、どう感じていますか?
xiangyu:もう7年も経つんですね。自分なりに試行錯誤しながら音楽を続けてきて、私の人生にとって一番大切なものになりました。でも今回、1stアルバムをリリースして、ようやくスタートラインに立てたなって気がしています。というのも、EP『OTO-SHIMONO』が完成したときに、自分がやりたい音楽って、こういうスタイルなのかもって思えたんです。それがわかってからの初の作品がこの『遠慮のかたまり』で、今の私のやりたい表現が100%詰めることができたんです。ライブも、楽曲も、ようやく自分のやりたい表現の輪郭が見えてきた気がしていて、今が一番楽しく音楽をやれています。
ー苦手だったものが好きになり、人生の中で一番大切なものになるって、それは大きな変化ですね。
xiangyu:そうですね。実は私、「xiangyuって食べ物の曲が多いよね」って言われるのがイヤだった時期があったんです。デビュー曲は、『プーパッポンカリー』で、餃子やアイスの曲もあったりで。でもそれって意図していたわけではなかったので、「食べ物の曲が多い」って言われるのが、なんとなく嫌だったです。でもこの1年、「遠慮のかたまり」をテーマに曲作りをしていく中で、無意識に食べ物の曲が多くなることって、むしろ私の強みかもしれないって思えようになったんです。だって、食べ物って全ての生き物にとって共通で重要なことであり、やっぱりみんな「NO FOOD, NO LIFE」だと思うんです。そう考えると自分の生活で一番身近な食べ物が、作品のモチーフになっていることって自然なことだなって受け入れられたんです。この変化も自分の中では大きなキッカケになりましたね。今では、アーティストxiangyuのアイデンティティーだと思ってます。
ーこの『遠慮のかたまり』というアルバムは、まさに等身大のアーティスト xiangyuさんのを描いた作品なんですね。
xiangyu:そうですね。冒頭でも話した通り、このアルバムは今の私だからできる「全力でふざけ倒したおちゃら系フードアルバム」なんです(笑)。
ー大人につれて、ふざけることが難しくなっていく人も多いと思います。そんな中で”全力でふざけ倒す”ってxiangyuさんらしくて魅力的です。
xiangyu:私は、きっと一生ふざけていたいんです。嫌なことがあって気持ちが落ちているときや、イライラしているとき、他にも大人だからって、しっかりしないといけないときとか、そういう全てに逆らいたいっていう気持ちが常にあって。それを今、やっと表現できるようになってきたんだと感じています。そして、これは私に「音楽を一緒にやろう」と声を掛けてくれたマネージャーを含めて、今一緒に物作りをしてくれているチームがいるからこそできることなんです。私の作る世界観を信じて、一緒に面白いことを追求してくれるチームに感謝しています。でも、私以外のチームのみんなも、ふざけている人たちしかいないんですけどね(笑)。
ーこれからも、xiangyuさんが全力でふざけきるユーモアある音楽活動が楽しみです。
xiangyu:10年ぐらい前は、自分が音楽をやっているなんて、1ミリも想像できませんでしたし、音楽をはじめてからもずっと、変わらず続けられていることに私自身も驚いています。この感じでずっと続いていくなんて、誰も思っていなかったと思うんです。だって私自身も思っていなかったことだから。だからこそ、このふざけたスタイルで、どこまでも行けたらすごくないですか? 自分の想像も、みんなの想像も超えるところまでいってみたいんです。きっとそこにオリジナリティーがあるのかなって思っています。
ー僕自身もそうですが、そういう面白いことや、新しいことにチャレンジし続けているxiangyuさんの姿を見て勇気づけられている人も多いと思います。
xiangyu:ありがとうございます。全員に理解をしてもらうことは難しいと思いますが、そうやって1人でも多くの人が「なんか面白いことやってんじゃん!」って思ってくれたら嬉しいなって思います。このふざけたスタイルで音楽っていう道なき道を進んでいる以上は、自分が納得できる生き方、表現、発信がしたいなって思ってます。そんな”大人が全力でふざける姿”を見て、誰かが「自分も好きなことをやってみよう!」って思いキッカケになったら超いいなって思います。
INFORMATION
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インスタグラムフォロー&いいねキャンペーン
【賞品内容】
xiangyuグッズセット(3名様):遠慮のかたまり マフラータオル、OTO-SHIMONO クリアポーチ(サイン入り)、ラスイチのピザ キーホルダー
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2025年5月13日(火) ~2025年5月25日(日) 23:59
PROFILE
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xiangyu
2018年9月からライブ活動開始。 日本の女性ソロアーティスト。読み方はシャンユー 。 名前は本名が由来となっている。 2023年11月1日Gimgigamをサウンドプロデュースに迎えAmapiano、Gqomなどを 取り入れたEP「OTO-SHIMONO」をリリース。 また、音楽のみならずxiangyuとファッションブランドPERMINUTEの デザイナー半澤慶樹で主宰する川のごみから衣装を創作するプロジェクト“RIVERSIDE STORY”を立ち上げ、渋谷川編と題し2022年9月に初の個展を恵比寿KATAにて開催。 2022年7月に上映の映画『ほとぼりメルトサウンズ』では、xiangyu自身が主演・主題 歌を担当した。また、同年11月には初の書籍「ときどき寿」を小学館から発売。2024年11月13日に公開した釧路市アイヌ文化を題材にした短編映画『urar suye』に主人公役にて出演、日本国際観光映像祭2025にて旅ムービー部門最優秀賞を受賞。2025年4月には七尾旅人、Kuro(TAMTAM)を迎えたアルバム「遠慮のかたまり」をリリース。





