クリエイティブディレクター/アートディレクター/グラフィックデザイナーとして、音楽やファッションなどさまざまな分野で活躍する2BOYが、今話したい人物を訪れる対談企画「2BOYのくりえいてぃぶ研究所」。第3回目はTHE RAMPAGEの龍とともに、お互いの共通言語であるクラブカルチャーを軸に語り合う。
2BOYが手掛けた龍個人のアーティストロゴのルーツ、メジャーとアンダーグラウンドを跨ぐ二人だからこその視点、かなりの量を飲むというお酒の話(笑)。公私ともに強い信頼関係で結ばれている二人だからこそのトークをお楽しみください。
――お二人の出会いは?
龍:共通の知り合いに紹介してもらって、すぐに意気投合、よく一緒に飲むようになって。
2BOY:インスタのストーリーみて「ね、今夜どう?笑」ってDMするみたいな。
――意気投合したポイントは?
龍:お酒にたいしてストイックだから(笑)。けっこう真面目な話もしますよ。僕は自分の知らない年代の音楽やファッションの流れをオンタイムで通った年上の人から話を聞くのが好きなんです。中でも2BOYさんと話すのは楽しくて。
――どのあたりのカルチャーが好きなんですか?
龍:今は1990年代、2000年代あたりのレイヴカルチャーやクラブカルチャーにハマってます。ビッグビートとかエレクトロとか。
2BOY:The Chemical Brothers、The Prodigyとか、Primal Screamの『Swastika Eyes』、そのあたりの話をしたよね?で、龍が「DJにも興味ある」っていうから、教えるってほどでもないけど機材を一緒に触ったり。
龍:2BOYさんは何がきっかけでダンスミュージックを好きになってDJを始めたんですか?
2BOY:10代のときはずっとバンドが好きで、生音最高でしょって思ってた。でもそういうロックの文脈でNew OrderとかNine Inch Nailsとかシーケンスの音が入った音楽も聴けるようになってきて、The Chemical BrothersとかThe Prodigyにも出会ったんだけど、実はそこまでハマらなかったんだよね。しばらくして、当時働いていた洋服屋でDJのイベントをやることになったことが最初のきっかけ。
スタッフからDJを出そうってなって勧められて、ロックだとうまくミックスできないし4つ打ちと言われるダンスミュージックをかけたほうがいいかなと。それで好きだったバンドが影響を受けたダンスミュージックを聴くことから始めたの。誰かに憧れてとか、何かに衝撃を受けてとか、そういうのじゃないから、あまりカッコよくないかも(笑)
龍:そこからめっちゃDJするようになるんですよね?
2BOY:コロナ以降、頻度は減ったけど、年130本、月の電気代が基本使用料だけ、みたいな時期もあった(笑)。龍がDJやトラックメイキングを始めたルーツは?
龍:僕は16歳のときにTHE RAMPAGEに入って、17歳のときにテレビの企画でMPCを教わるみたいな機会があったことが最初でした。そこでハマっちゃって、その教えてくれた人のインスタアカウントを調べたら次に日に下北沢でライブがあったから観に行って「もっと教えてください」とお願いして曲を作るようになりました。そういう出会いによって、ファッションや音楽をどんどん好きになっていって、変化もしていくみたいな。遊んでる友達によってブームも変わるし、誰かから受ける刺激が楽しいので常に柔軟でいたいなって、思っています。
その結果、自分たちのライブの合間のアンビエントを作るようになり、今は曲も作ってますし。そんな中でここ2、3年くらいはビッグビートに興味があるって感じです。僕らが所属しているLDHには、社長のHIROさんがダンスチームでやっていたときからThe Prodigyとかブレイクスは常にあって、時代によってハイブリッドにはなっていますけど、そういう歴史の変遷も好きなんですよね。
2BOY:ビッグビートじゃないけど同じ90年代で言うと、今やってる『PRIMAL SPIDER』ツアーのビジュアルは、Massive Attackの『Mezzanine』みがあるよね。
龍:まさに、そういう打ち出しに関してはHIROさんからの案もあるし、今の僕らなりに消化してミックスして、って感じですね。
2BOY:クラブでDJするときはまた違うよね?
龍:そうですね。メジャーのアーティストであることとは、あえてセパレートして自分のアイデンティティを出しています。そこで生きてきた人に聞かないと説得力ないし、常に現場にもいたいと思ってます。
2BOY:龍との付き合いはここ数年なんですけど、そういうことを考えながら過ごしているところも見てきたくらいにはよく一緒に飲むんで、彼、ほんとうに真面目なんですよね(笑)。会社ともグループとも、クラブシーンとも向き合いながら将来について自問自答しているんですよ。歳は違えど尊敬できる友達、仲間だと思っているから、お酒の場だけじゃなくて、改めて話してみたいなって思ったんだよね。
――今回のTHE RAMPAGEのツアーでも使用されている、龍さん個人のアーティストロゴは2BOYさんがデザインしたんですよね?
2BOY:龍からリファレンスの画像がきて、「この時代のこの感じね!OK!」ってデザインを送って、そこからわりとスムーズにいったよね?
龍:やりとりは数回でしたね。
――まさに今、龍さんが着られているWarp RecordsのTシャツも、リファレンスでした?
龍:ここまで話してきたような、90年代や00年代のエレクトロニックミュージックやダンスミュージックはイメージにあったので、Warpはその中のひとつですね。2BOYさんと飲みながらいろんな話をしているうちに、やはりそのあたりの時代の感覚をキャッチしてもらえる2BOYさんと何かを残したいと思ってオファーしました。
2BOY:2000年前後のフライヤーやCDジャケットをたくさん送ってくれたよね。
龍:レイヴのフライヤーをまとめた本とかよく読んでいて。
2BOY:いざ制作となったときは、龍も言ったようにそれまでにいろんなことを話してきたし、「きっと、この時代のこういうところを汲み取ってほしいんだろうな」って感じで、結果とくにお互い言葉を交わさずとも通じてたみたいな(笑)。ローファイでちょっとノイズが乗っていて、アナログ感のあるキレイ過ぎない感じというか。
龍:それでいてわかりやすくアイコニックな強度もある、みたいな。
2BOY:“U”の上のウムラウトは最初、点が3つで途中から一つ減ったんだよね。これ気付いている人いたらすごい(笑)
――間違い探し(笑)
2BOY:てか、このロゴ、グッズにしてほしいな!
龍:したいです。僕らのコミュニケーションそのものと言える、ピュアなカッコよさが詰まっているので。
2BOY:言っても9割はひたすら酒を飲んでいるだけなんだけどね(笑)
龍:ちょっと熱い話して酒飲んで、でまた少し熱い話挟んで酒、みたいな(笑)
2BOY:真面目なこと言うと、まだクラブにはいけない10代半ばからメジャーのシーンで活躍しながら、アンダーグラウンドなカルチャーにも目を向けて掘り下げている、そういう人がいるってことが興味深くて。アンダーグラウンドから見てミーハーがだめとかそういう話じゃなくて、俯瞰と客観で話せる人ってなかなかいないから貴重な存在(笑)。
龍:勉強させてもらってます。2BOYさんとはDJ機材のある店でたまに一緒にやるんです。ふだんはテクノを軸にやってるんですけど、ジャンルレスでほんとうに楽しいんですよね。
2BOY:いつか公の場で二人でやりたいよね!
龍:やれたらうれしいですね。二人で一晩やったら一緒に飲めなくなりますけど(笑)
2BOY:DJとしての今後は?
龍:海外でもやってみたいですね。さまざまな経験をグループではトラックメイクというかたちでうまく落とし込めたらと思いますし、ソロではグループだけでは満たされない部分の自分のアイデンティティを表現できたらと思っています。
――メジャーなカルチャーとアンダーグラウンドなカルチャーの両立、二つの関連性についてはどう考えいますか?
2BOY:僕は、有名無名問わず自分がいいと思ったものは一旦肯定的にみる。そのうえで自分の趣味やアウトプットの引き出しに入るかどうか。そうすると、好きなほうの引き出しにアンダーグラウンドなものばかりが入ってくるだけじゃないですし。もっとおもしろいことが世に中にはあるんじゃないかって、刺激を求めていると自然とそうなっていくみたいな。どう?
龍:その二極の間にはレイヤーがあるから難しい話ですけど、メジャーなシーンでパフォーマンスしている自分と、クラブでプレイしたりパーソナルなトラックを作ったり、そういうことをしている自分との間にフラストレーションがまったくないかと言えば、どちらの目線からも嘘になります。「何でもいいわけないじゃんって」って言う、アンダーグラウンドの人もいるし、それも一つのリアルだと思います。
でも、この混沌とした時代に、大衆はいろんなものがミックスされた何かに頷いているわけで、僕はLDHにも忠誠があるし、自分の見ていることややっていることは自分じゃなきゃ無理だという自信もあります。メジャーなシーンでしっかりパフォーマンスしつつ、DJとしてヨーロッパのクラブをツアーすることを夢見てる。そういう二面性を持ったLDHのアーティストって僕くらいですし、2つの顔同士にシナジーが起こることもあるかもしれないし。
2BOY:カオスを楽しんでるんだね。
龍:そこで2BOYさんにバランス感覚について相談したりもしますし。
2BOY:ライブの感想とかもしっかり聞いてくるもんね。「友達としての感想とクリエイター目線での感想どっちから聞きたい?(笑)」って返しながらも真剣に話す。龍はそれをしっかり聞いてくれる。けど、酒を飲めば「あれ?さっきいい話したけど、なんのことだっけ?」ってなる(笑)
――さきほど二人でDJのパーティをやりたいとおっしゃっていましたけど、ほかにこれから取り組みたいことはありますか?
2BOY:僕のクリエイティブで協力できることがあったらやりたいですね。THE RAMPEGEのほかのメンバーとも飲むことはあるし、愛が生まれている(笑)からこそ、ビジュアル作ってはい終わり、じゃなくて中長期的なクリエイティブを一緒に考えてみたいです!
龍: 僕らも最近、音楽シーンに向けて何かやりたいなってよく話をしていて、実際に動き出しつつあるので、その時が来たらいろいろと手伝ってほしいと思っています。あとは、いつも夜中に集まって飲むだけだから、昼からウロウロして夜ごはん食べて、ゆっくり遊びたいですね。
2BOY:デートみたいなね(笑)
龍:音楽だけじゃなくてまだ知らない東京カルチャー巡り、やりましょう。
PROFILE
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龍(THE RAMPAGE)
総勢16名からなるTHE RAMPAGEのパフォーマー。
2017年1月25日、1st SINGLE『Lightning』でメジャーデビュー。2016年から演技にも挑戦し、「HiGH&LOW」シリーズにも出演。
現在DJとしてもイベントなどに出演している。





