#ART & CULTURE

2BOYのくりえいてぃぶ研究所 特別編 Klang Ruler

Photo:Daichi Fukawa

Illustration:GIVE ME TOMOTAKA

Edit:FREAK MAG.

クリエイティブディレクター/アートディレクター/グラフィックデザイナーとして、音楽やファッションなどさまざまな分野で活躍する2BOYが、今話したい人物を訪れる対談企画「2BOYのくりえいてぃぶ研究所」。

 

今回は特別編として2BOYの所属するアソビシステムが7月20日(日)に幕張メッセにて開催したイベント、『ASOBISYSTEM 18th Anniversary ASOBIEXPO 2025』に編集部が潜入し、2BOYにアタック。2BOYがいまもっとも注目しているバンド、Klang Rulerとの対談を当日の会場の様子とともにお届けします。

アソビシステムに所属する14組のアーティストがライブを繰り広げるとともに、会場にはさまざまな仕掛けが。我らが2BOYのアートワークも会場のいたるところに。

 

「18周年を記念して、“I”の角度を18度にしているんです。これはちょっとしたディテールワークであり、遊び心のあるトリックでもあります。さらにキーカラーのブルーは、アソビシステムが持つフレッシュさとボーダレスな広がりを象徴しています。ファッション、ミュージック、カルチャー…いろんな側面を持つアソビシステムだからこそ、ロゴはシンプルでソリッドに仕上げました」と2BOY。

 

協賛企業の展示ブース、飲食エリア、そしてきゃりーぱみゅぱみゅの産後復帰を祝う“きゃりーおかえりブース”は、来場したファンのチェキと温かいメッセージでぎっしり。そして私たちはKlang Rulerのライブへ。

Klang Rulerは、yonkey(ボーカル&キーボード)、やすだちひろ(ボーカル)、gyoshi(ギター)、かとたくみ(ベース)、SimiSho(ドラム)からなる5人組バンド。yonkeyは、アソビシステム発の世界を股にかけるグループ、新しい学校のリーダーズがブレイクするきっかけとなった「オトナブルー」のプロデューサーとしても知られています。バンドは自らの音楽性を‟ニューエイジ・ポップミュージック”と呼び、1970年代~90年代や2000年代といった過去へのノスタルジー、グローバル視点での現在進行系のポップスやエレクトロサウンド、ドメスティックポップスの魅力などをミックスしたスタイルが話題に。

 

初の幕張メッセ、バンド史上最大規模のステージだったことを全く感じさせない堂々たるパフォーマンスに2BOYの気持も高まっている様子。「オトナブルー」のKlang Rulerバージョンや、ブラックビスケッツの「タイミング~Timing~」といったヒット曲のカバーも織りませながら、2BOYも大好きだという「Teenage Blue」などのオリジナル曲でもしっかりフロアを盛り上げ20分を走り抜ける。その興奮冷めやらぬまま、舞台裏での2BOYとの対談がスタート!

――『ABOBIEXPO』のステージはいかがでしたか? 

 

やすだ:全国ツアー中のいいタイミングでライブができてよかったです。ツアーを通して、バンドとしての「あ、これだね!」みたいな感覚が日に日に高まってきているなかで、いいパフォーマンスができたと思います。

 

2BOY:カッコよかったー!!!幕張メッセくらいの規模って初めてじゃない?ぜんぜん見劣りしてなくて。

 

Gyoshi:今までのライブのなかで最大規模でした。

 

2BOY:Gyoshiのステップやアクションが、いつもより大きかった気がする。

 

Gyoshi:ステージが広くてがテンション上がってたから(笑)

2BOY:みんなものびのびやれたんじゃない?

 

SimiSho:もっと緊張するかと思っていたんですけど、ぜんぜんでしたね。

 

かとたくみ:僕はけっこう緊張したかも。いつも「あとはやることやるだけだ」って感じなんですけど。でもそれは悪いことじゃなくて、武者震いに近い感じかもしれない。実際に始まったらみたら、楽しさとともに体が勝手に動いていました。ツアーで培った自信からくる魂のグルーヴが、みなさんにも伝わっていたら嬉しいです。

 

2BOY:「Teenage Blue」がめっちゃ好きで、今回初めてライブで観ることができてよかった。何度も何度もリピートして聴いてるから曲の展開も歌詞もわかるのに、めちゃくちゃ新鮮な気持ちになれてテンション上がりました。偉そうなことを言うかもだけど、バンドのパフォーマンス力やパワーが明らかにレベルアップしたと思う。バンドの始まりから知っていることもあって感慨深かったな。過去イチのステージでした。

 

やすだ:ありがとうございます!

――「Teenage Blue」はエレクトロとインディーロックの要素、ドメスティックポップとしての強度が見事に混ざり合った曲だと感じたのですが、どのようなイメージで制作したのですか?

 

yonkey:僕個人のプロデュースワークはエレクトロの要素が強めですけど、この曲はバンドとしての強みをはっきり示したくて、音源は打ち込みがメインだったところを生演奏にしました。そのうえで、例えばAメロは今のポップスとして強度にも目を向けてエレクトロサウンドでモダナイズする、みたいなイメージでした。

 

2BOY:歌詞も好きなんだよなぁ。

 

yonkey:歌詞に関しては、10代の頃に感じていたやり場のない感情を素直に表現しました。

 

2BOY:明るいトーンの曲なのに、落ちサビで<もうダメかも>って、その正直さや感情の表と裏がyonkeyっぽいなって。それでも前に進んでいくっていう姿勢とちーちゃんのボーカルスタイルもばっちりハマってるし。

yonkey:自分にとっては10年くらい前のことだけど、今の若い人たちももしかしたら同じようなことを感じてるのかなって。そんなことも思い浮かべながら書きました。

 

2BOY:yonkeyのプロデュースしたリーダーズ(新しい学校のリーダーズ)の「オトナブルー」や、ブラックビスケッツ「タイミング」のカバーも演奏してたけど、カバーをやることがバンドにいい影響も及ぼしている部分もあるんじゃない?

 

――「オトナブルー」のカバー、原曲とはまたことなる80’sルーツのモダンなポップになっていて。

 

yonkey:基本的に僕が作る作品は、どこかに懐かしい要素が入っています。それはこのバンドに入ってカバー企画を立ち上げて培われたものですね。ノスタルジーとともに、聴いたことのないような新しさも感じられる曲ができたらいいなって、いつも思っています。

――2BOYさんが手掛けたKlang Rulerのジャケットについても話を聞かせてもらえますか?

 

2BOY:まだちーちゃんとGyoshiが入る前ですね。2020年にリリースされた「iCON」、「レイドバックヒーロー」、「曖昧とミーマイン」、「Be fin. fuaturing 空音」の4曲を続けてデザインしました。4つで1枚の絵になるようになっていて。

 

yonkey:おもちゃ箱のようなイメージや、コラージュの雰囲気が僕らのポップ、当時のサウンドのミクスチャー感覚やレイヤーをよく表してくれているなって、今でも思います。

 

2BOY:もうあれから5年か〜。今、Klang Rulerが掲げている‟ニューエイジ・ポップミュージック”を自分ならどう解釈してビジュアライズするか試してみたいかも。でも、メジャーにいくと声をかけてくれなくなるパターン、けっこうあるんだよな(笑)

 

――では、2BOYさんを起用しなくなった理由を(笑)

 

やすだ:あえてそうしているわけではなく(笑)

 

2BOY:みんなが力をつけるとともに名前も広がっていくことは、めちゃくちゃ励みになってるし、原動力になってるよ。

yonkey:2BOYさんは、デザイナー、アートディレクター、DJといったさまざまな顔があって、今回のようなイベントでは制作スタッフとしても動いてくれる。そういうカルチャーに深い理解のある方が近くにいてくれるのは、ありがたいです。

 

やすだ:私にとっての2BOYさんはモデル。ほんと、カリスマだったから。

 

2BOY:読者モデルじゃなくておしゃれキングね(笑)

 

やすだ:そうです(笑)おしゃれキング時代です。だから表に出る側の気持もわかってくれるというか。だからぜひ、何か一緒にやりたいと思っています。

 

2BOY:あえて一人ひとりに聞きたいんだけど、ロールモデルになるようなバンドやアーティストっていたりする?

 

SimoSho:え、誰からいく?

――では、SimoShoさんからお願いします!

 

SimoSho:サカナクションですね。打ち込みと生音とのバランスだったり、打ち込みをどう生ドラムに落とし込むかって、ドラマーとしてはとても重要なことであり醍醐味でもあって。その点においてもそうですし、バンド全体の在り方やクリエイティブにおいても、影響を受けています。

 

 

かとたくみ:僕も同じくサカナクションかも。1曲を制作するうえでのこだわりや、ライブの音への探求心がもう素晴らしすぎて。キャッチーな曲もあれば驚くくらいオルタナティブなエッジのある曲もあって、それらのすべてが、あの規模感でのパフォーマンスに耐えられるって、すごいことだと思います。

 

やすだ:あと媚びてない感じ。私は売れたいけど媚びたくない。大事にしている部分を絶対に崩さず、音楽を深く掘る人も、とくにそうじゃない人も、それぞれの感性からカッコいいって思える音楽を作っていて、いちばんの憧れですね。

Gyoshi:RADWIMPSかな。音楽性を真似るとかではなくて、バンドやっていたらみんなが通る、原点にして頂点っていう存在になりたいから。

 

yonkey:僕はそういうロールモデルみたいなものがなくて、自分で作った曲を越えていきたいですね。リーダーズの「オトナブルー」くらい世に認知されるヒットソングを、このバンドで作りたいっていう気持ちが強いです。

 

2BOY:yonkeyのプロデューサーらしい目線と、バンドマン、プレイヤーとしての4人の考え、それぞれのシナジーがほんとうに楽しみ。これからも応援してます。今日はライブ直後にありがとう!

 

一同:ありがとうございました!

 

そして私たち編集部は再びライブ会場へ。間もなくして新しい学校のリーダーズが登場。ストイックで緊張感溢れるパフォーマンスと、ポップでユーモラスなパフォーマンスの緩急で、会場を鷲掴みに。後半はSUZUKAが高いステージを強引に下りてフロアを駆け巡るなど、アソビシステムとファンへの想いが溢れ出すエモーショナルな場面も。そして大トリのきゃりーぱみゅぱみゅにバトンを渡す。

産後からの復帰初ステージ。割れんばかりの拍手とともに本人が登場。「ファッションモンスター」、「キミに100パーセント」「CANDY CANDY」といったヒット曲を立て続けに展開する。動画撮影も解禁した新曲「KURU KURU HARAJUKU」は眼光の鋭いテクノポップ。フェアリーなパフォーマンスとの融合が絶妙で、きゃりーぱみゅぱみゅの新たなフェーズを示すようだった。終盤は「にんじゃりばんばん」「原宿いやほい」で大団円。オーディエンスの熱狂を共にイベントはフィナーレを迎えた。

 

原宿を拠点、音楽やファッションやクラブカルチャーなどを融合し、メインストリームとオルタナティブなカルチャーのあいだに虹をかけ続けてきたアソビシステムの歴史はまだまだ続く。来年は19周年、そして次は20周年。ここからどんなアーティストが飛び出し、どんな仕掛けが待っているのか、楽しみで仕方がない。

PROFILE

  • 2BOY(yenter)

    “1”を”100″に、”1″を”A”に。をモットーに、不自由の中で最大限の自由を楽しみながら活動中。広告、音楽、ファッションを中心に、プランニングやコピーライティングまで幅広く手掛ける。
    トレードマークはずっと変わらないブロンドヘアー。

    「1人でも2BOY」

  • Klang Ruler

    ニューエイジ・ポップミュージックを掲げて音楽を鳴らす男女5人組バンド。
    どこか懐かしくも新しい、さまざまな時代にトリップさせてくれるかようなサウンドメイクが特徴。

    新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」をはじめ、世界デビューシングルの「NAINAINAI」「Tokyo Calling」など多くの楽曲をプロデュースするVo.&トラックメイカーのyonkeyを中心に、専門学校の同級生のDr.SimiSho・Ba.かとたくみらと2015年に結成。

    2019年よりYouTubeにてカバー企画『MIDNIGHT SESSION』をスタートさせ、2021年の夏『MIDNIGHT SESSION』でも共演したアーティスト/ファッションデザイナーのやすだちひろ(Vo)と、サポートギターとしてバンドに参加していたGyoshi(Gt)が正式加入。

    同年には、『MIDNIGHT SESSION』から初のとなるリリースである「タイミング ~Timing~」がストリーミングサービスで20億再生を突破、TikTok Weekly Top 20では歴代最高の5週連続1位を獲得。同世代アーティストと共に名曲をカバーするこの動画シリーズは、過去の名曲をカッティングエッジなサウンドでアレンジする動画が評判となり、ヒットコンテンツとなった。

    そして、2024年には1st Album『Space Age』、1st EP『アンビリーバブルEP』をリリース。TBS系 TVアニメ『トリリオンゲーム』のEDテーマにEP表題曲の「アンビリーバブル」が起用されるなど活躍の場を広げている。

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