毎月なにかとフェスやライブで忙しいエディター市谷が、勝手に楽しかったフェスの思い出を綴るフェス連載。
昨年からスタートしたこの企画ですが、第一弾からあっという間に半年が経っていました。というのも、冬はあんまり屋外フェスはやっていないので、いうなればオフシーズンなわけでして…。
そんな私にとって今年の初フェスは「Rainbow Disco Club(以下、RDC)」でした!
RDCは日本発の野外フェスとして、国内外のダンスミュージックファンから愛されるダンスパーティー。
近年では、ヨーロッパやアジア各国でも不定期にイベントが開催されるなど、ワールドワイドなカルチャーシーンで注目を集めています。
会場は静岡県にある東伊豆クロスカントリーコース特設ステージで、都内からだと車もしくは東海道新幹線で熱海まで行き、最寄り駅の伊豆稲取まではJR伊東線で行けます。そこからはシャトルバスも定期的に運行していて、アクセス面でのハードルはそんなに高くないのかなと。
フェス自体は金曜日から日曜日までの3日間。土日券もあるので、仕事を終えてから週末だけ参加という方も。
宿は伊豆稲取駅周辺のホテルや旅館に泊まったり、会場内や徒歩圏内にキャンプエリアもあるので、友達同士やファミリーでキャンプをしながら音楽を楽しむのも最高です!
ここ数年は雨も少なくて、心地よい気候が続いています。
日中は半袖やノースリーブでもいけるくらい太陽がしっかり届いて、油断するとすぐに焼けるので紫外線対策は必須。
朝晩は少し冷えるので雨対策も兼ねてゴアテックスのジャケットやライトダウンなどがあると◎。
パーティーにぴったりなデザインのウェアを集めた古着屋が出店していたり、マーチャンダイズでは、毎年かっこいいオリジナルアパレルもたくさん出ているので、現地調達というのもアリです!
この日は天気が良かったので、RDCの歴代マーチのキャップとパンツにリュア・リパのサッカーシャツという格好で快適でした!
足元は防水スニーカーやブーツがあると雨が降ってきても安心です。
とはいえ、地面が芝生になっているので晴れた日にはあまりの気持ちよさに気づけば裸足になっていることも…!KEENやMerrellなどのつま先を保護するタイプのサンダルがひとつあれば、案外いけちゃうかもしれません。(寒さとの勝負!)
会場は2フロア構成になっていて、日中から21時ごろまでは屋外のRDCステージで音楽が鳴り続け、19時から深夜1時ごろまでは隣接する体育館が、Red Bullステージと名付けられたダンスフロアへと変化。
ダンスミュージックを軸としたパーティーでありながら、近隣住民やキャンプなどで参加している来場客への配慮も忘れないタイムテーブル。こういった心配りがこの土地でさまざまなライフスタイルの方たちに受け入れられ、長年愛されるゆえんなんだなと、今この文章を書きながらじーんと来てたりします。
今年は初日から、Ben UFO、Daphni、Floating Points、Four Tetら世界で活躍するメイン級のアクトが勢揃い!
RDCステージラストの1時間は全員総出のB2B×4という贅沢フレンズタイムに観客たちの興奮もマックスに。
個性豊かな選曲やテクニックに震えたかと思えば、お茶目なパスもあったりとRDCならではのムードやアーティストとの距離感、そしてなによりも素晴らしい演出によって、都内のクラブやほかの会場では味わうことのできない多幸感に包まれました。
2日目以降も、オーストラリア出身のDJ/プロデューサー・HAAiやRDCでは毎度お父さん的な安心感と最高のフィナーレへと連れて行ってくれるAntalとHuneeのB2Bなど、見どころが盛りだくさん!
個人的に今年ヒットしたのは、2日目のRed Bullステージのトリを飾ったドイツ・ハンブルク出身のHelena Hauff。
音の緩急のコントロールが圧倒的で、緊張感と開放感を交互に叩きつけてくるようなストイックなプレイに、気づけば完全に持っていかれていました。
野外フェスで外せないのは、やっぱりご飯!
フードエリアは2箇所あって、入り口付近にはRDCのレジェンドフードとして知られるつばめの中華そばや、2年前の出店から一気にRDC名物へと名を知らしめたインドネシアの人気店「NASGERO」のナシゴレン、オリジナリティ溢れる創作メニューで食通からの注目を集める代々木のスパイス料理店「TYON」など、限られたフェスやイベントでしか出会えない料理が揃っています。
個人的に今年発見だったのが、桜で有名な河津町に店を構えるセネガル料理店「AfricanDream」。
ヤッサやドモダなど、まだ日本ではなじみの少ないセネガル料理ですが、メニューの説明もわかりやすく、私はピーナッツペーストをベースにしたソースでマトンを煮込んだマフェを注文。初めてなのに、どこかで食べたことのあるような優しい味わいがあと引く美味しさでした!
RDCステージの先にあるパークエリアでは、下田の名店「FermenCo.」のピザを友人たちとシェアしながら、名古屋のワインバー「Paradise Nature」がセレクトしたナチュラルワインを傾けて。
音楽に揺られながら、食べて、飲んで、ときどき昼寝したり……幸せな瞬間とはまさに今!というような贅沢な時間を過ごしました。
このエリアではクラフトビールやコーヒー、スムージーなど身体も心も喜ぶドリンクも豊富で、私は「Acid Coffee Tokyo」のコーヒーと「Cosmos Juice Tomigaya」のビタミンショットで前日の疲れを吹き飛ばすのが毎朝のルーティンでした(笑)。
ライフステージの変化によってクラブシーンから足が遠のいてしまった大人たちも子供と一緒に安心して参加できるように、そして未来の世代へとカルチャーのバトンを繋いでいくために——音楽という共通言語で大人から子供まで楽しめるキッズエリアや体験イベントも盛りだくさん。
疲れたら芝生で寝っ転がったり、椅子やレジャーシートでまったりしたり、マッサージブースでがっつり疲れをとるなんてことも。
今年は過去最大の4,000人を超える来場者だったそうですが、会場内のさまざまなエリアまで目が行き届いていて、大型フェスでよくあるトイレなどの混雑や衛生面でのストレスも全然感じませんでした。
私は初期から通い続ける古参の友人に誘われて3年前からきちんと参加するようになり、毎年エントランスや物販のスタッフとしてジョインさせてもらっているのですが、年々パワーアップするアーティストのラインナップや出店ブースの充実度、なによりアーティストも来場者もスタッフも参加者全員が快適に過ごせるように、あちらこちらへと工夫の凝らされた環境や各種コンテンツの徹底した整備に毎回感動しています。
とにかくロックが大好きでハウスやテクノといった電子音楽には触れずに20代を過ごした私にとって、クラブカルチャーは縁遠いなと以前は思っていましたが、RDCで出会ったアーティストや環境、集う人々の雰囲気などの刺激が重なり合って、いつしかダンスミュージックの快楽や楽しみ方を自分なりに感じられるようになった気がします。
そもそも音楽ってそうやって自分なりに楽しむものだよねと、改めて気付かされたというか、おかげで音楽の趣味の幅もグッと広がりました。
会場のいたるところで見かける運営チームのみなさんやフロアの最前列で楽しそうに踊っている常連のお客さんなど、一方的に知っている顔が増えていたりして。気がつけば私にとって、RDCは「ただいま」と言いたくなる場所になってきたように思います。
一週間以上経ってもまだまだ余韻に浸っていて、RDCロスが消えないのですが、この記事を書きながら改めて感謝の思いでいっぱいになっている、今日この頃です。





