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【第38回東京国際映画祭】三宅 唱監督に聞く、映画とアップサイクル。豪華ゲストが集結したレッドカーペットの模様もレポート

Edit:FREAK MAG.

10月27日(月)から11月5日(水)まで開催された「第38回東京国際映画祭」。世界各国から集まった新作映画が上映され、さまざまなイベントも大盛況でした。

 

FREAK’S STOREは、「東京国際映画祭」と東京テアトルが手がけるアパレルブランド〈SCRE:EN(スクリーン)〉の2者とタッグを組み、廃棄予定の映画館スクリーン素材をアップサイクルしたブックマーク(しおり)を販売。デザインは、映画ファンに募集した、好きな作品のセリフの中から選ばれた6種類を落とし込んでいます。

 

その中のひとつを選定したのが、昨年の「第37回東京国際映画祭」で「黒澤明賞」を受賞した三宅 唱監督。そのセリフを選んだ理由から、“映画とアップサイクル”をキーワードにした三宅監督ならではの話、そして、「第78回ロカルノ国際映画祭」で金豹賞《グランプリ》ヤング審査員賞特別賞をW受賞した三宅監督の新作映画『旅と日々』についてまで、いろいろとお話いただきました。

 

まずは「第38回東京国際映画祭」に華を添える豪華な俳優陣が集結したレッドカーペットの様子からご覧ください!

レッドカーペットの衣装にも注目を!

10月27日(月)に、東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から日比谷仲通りにかけて162mのレッドカーペットが敷かれ、普段と違う風景に報道陣や観客は熱気を帯びていました。次々に登場するドレスアップした俳優たちの姿は必見です。

トップバッターとして登場したのは、オープニング作品の『てっぺんの向こうにあなたがいる』から吉永小百合さん、のんさん、阪本順治監督。

ガラ・セレクション部門の『ナイトフラワー』で主演を勤めた北川景子さんとボクサー役を演じる森田望智さんが、内田英治監督とともに登場。

『兄を持ち運べるサイズに』からは柴咲コウさんと満島ひかりさんが。柴咲コウさんは川口春奈さんとともにTIFFシリーズの『スキャンダルイブ』で、満島ひかりさんはアニメーション部門の『ホウセンカ』でそれぞれ2回レッドカーペットを歩きました。

ガラ・セレクション部門に出品された『君の顔で泣けない』に出演する芳根京子と髙橋海人は坂下雄一郎監督とともにステージに登場しました。

『万事快調〈オール・グリーンズ〉』に出演する華やかな衣装を身に纏った三人組は南沙良さん・出口夏希さん・吉田美月喜さん。羽村仁成さん・児山隆監督とともに姿を見せてくれました。

台湾映画「ダブル・ハピネス」に出演する女優の吉岡里帆さんは大ぶりのジュエリーチョーカーを胸元にきらめかせた漆黒のドレス姿で登場しました。

三宅 唱監督に聞く、映画とアップサイクルの関係性

ここからは三宅 唱監督のインタビューをお届け。FREAK’S STOREが、「東京国際映画祭」&〈SCRE:EN〉とともに作った、廃棄予定の映画館スクリーン素材をアップサイクルしたブックマークについて、アップサイクルをキーワードにした映画制作の考え方、新作映画『旅と日々』の撮影秘話をお話いただきました。

『旅と日々』

ストーリー

強い日差しが照りつける夏の海。海岸でぼんやりと過ごしていた夏男はどこか陰のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく島を散策する二人。翌日、浜辺で顔を合わせた二人は、台風が近づくなか雨に打たれながら、波打つ海で泳ぐのだった……。海で出会った二人の姿が、大学の講義室のスクリーンに映し出されている。つげ義春の漫画『海辺の叙景』を原作に脚本家の李が手掛けた物語を、授業の一環で上映していたのだった。上映後、李は学生から映画の感想を問われ、「私には才能がないな、と思いました」と答える。講義を終えた廊下で、李は魚沼教授と立ち話をする。浮かない顔の李に「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」と飄々とした口調で声をかける教授。ほどなく、魚沼教授が急逝したという知らせが届く。李は弔問のため、教授と瓜二つの双子の弟の家を訪れ、弟は教授の形見のフィルムカメラを半ば押しつけるように手渡す。そのカメラを携え、李は思い立って旅に出る。目指すは雪深い北国。長いトンネルを抜けると、そこには一面の銀世界が広がっていた。無計画のまま降り立った町で、宿も見つけられずにさまよううち、李はひとつの古びた宿にたどり着く。屋根には雪が積もり、今にも崩れそうなその宿を営むのは、ものぐさな主人・べん造。暖房もなく、まともな食事も出ず、布団すら自分で敷かなければならない。ある夜、べん造は「錦鯉のいる池を見に行くか」と李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。

スクリーンのアップサイクルとセリフの力

―昨年の「第37回東京国際映画祭」で「黒澤明賞」を受賞しましたが、それをきっかけに心境の変化はありましたか?

 

三宅 受賞した次の日から、アイデアがたくさん湧いてきたらいいんですけどね(笑)。そんなわけないので、変わらず自分の仕事をやっていこうと。偉大な監督の名前を冠した賞なので、恥ずかしくない仕事をしたいと思っています。

 

―「黒澤明賞」は世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞。映画界のどんな未来を思い描いていますか?

 

三宅 僕は子どもの頃から映画館で映画を観るのが好きなので、映画館がずっと残っていればいいなと思っています。映画館は徐々に減っていますが、新しく作ろうとする動きもありますし、映画館が消えてなくならないような未来を望んでいます。

 

―映画館のどんなところが好きですか?

 

三宅 映画を観終わって映画館から出た時、見慣れた風景がいつもと違って見える。毎回それを感じるわけじゃないけど、その感覚が好きですね。

―こちらが廃棄予定だった映画館のスクリーンを再利用した〈SCRE:EN〉のしおりです。スクリーンに穴が空いていることすら知りませんでした。

 

三宅 そうですよね。知らない人は多いかも。もしかしたら映画制作に携わっている人でも知らない人はいるかもしれません。

 

―なぜ穴が?

 

東京テアトル 実は、スクリーンの裏にスピーカーがあるんですよ。その音抜けを良くするための穴。だから、年代によって穴の大きさが違っていたりもします。技術の進歩によって、現代になるほど穴は小さいんですよ。

 

三宅 そういうことを知れるきっかけにもなっていますよね、このしおりは。

 

―改めて実物に触れてみて、いかがですか?

 

三宅 自分が映画の仕事をしているからだとは思いますが、これを捨てることはなく、ずっと使い続けます。本来なら廃棄されるはずだったけど、こうして形を変えて手元にあると大事にしたくなる。こうやって言葉で説明しなくても、手で持つと感じるものがありますね。

―三宅監督が選んだセリフは、『犬王』の“お前たちの物語を、一人残らず聞いてやる”。選んだ理由を教えてください。

 

三宅 気っ風のいい、粋なセリフだなと思いまして。でも、ついつい忘れがちなことが含まれているセリフなので、思い出せるように選びました。物語は世の中にたくさんあって、新しいことはないんじゃないかと思うけど、ひとりひとりに人生という物語があって、語られていないことはまだまだ無数にあるはずです。それを「聞いてやる」っていう強い言葉で、啖呵をきっているのがかっこいいですよね。

 

―このセリフはどんなシーンなのか、観たくなりました。

 

三宅 この東京国際映画祭には世界中から新しい映画が届いていますし、観客も、世界中の物語をあますことなく観てやる! みたいな姿勢で鑑賞したら、面白いんじゃないかなと。映画祭という場にも似合うような気がしたのも選んだ理由です。

―三宅監督の作品『夜明けのすべて』から“そして、新しい夜明けがやってくる”というセリフが選ばれています。このセリフは、三宅監督にとってどんなセリフですか?

 

三宅 瀬尾まいこさんの小説『夜明けのすべて』が原作で、タイトルの意味をずっと考えながらこの映画を作っていたので、非常に思い入れのある言葉です。“夜明け”って、人によって捉え方が全然違いますよね。この映画を通して僕の“夜明け”のイメージも変わりましたし、そのことを思いながら書いたセリフです。

 

―セリフを考えるとき、どんなことを意識していますか?

 

三宅 もともとセリフを書くのが得意じゃなくて。セリフがない映像の力だけでいけるなら、そうしたいと思っていました。でも、最近は少しずつ変わってきて、言葉にしないと前に進めないこともあるし、言葉によって生まれるトラブルにも向き合いたいと思っています。少しずつ、少しずつですけど言葉に興味が湧いてきています。ただ、コツとかはないですね。その都度、それがおもしろいかどうか真剣に考えることを意識しています。

 

―言葉に興味が湧いてきた。そのきっかけはありますか?

 

三宅 本を読むのは小さい頃から好きなんです。でも、映画をやるなら、言葉に頼りすぎずない映画を作りたいと思っていました。自分にブレーキをかけていただけかもしれません。あと、いろんな俳優たちと仕事していると、いい声の人ってたくさんいることに気がつきました。いい声の俳優にいいセリフを言ってもらうと、自分で書いたセリフが全然違って聞こえるんですよね。僕が家でセリフを読んでも「微妙かも」って思うけど、俳優の声に乗った途端、そのセリフが豊かになるのがおもしろい。だから撮影現場で「もっと書いておけばよかった」、「この声で言葉をもっと聞きたい」と思うので、言葉や声の魅力は俳優たちから教わりました。

 

―他にもさまざまな作品のセリフがラインナップしています。例えば、『キッズリターン』の“バカヤロー。まだ始まっちゃいねぇよ”。

 

三宅 このセリフは、みんな国語の教科書で学びましたよね? ……冗談です(笑)。誰もが知っていて、僕も好きなセリフです。まだ映画を観ていない人も、この映画をきっかけに観るとセリフの受け取り方が変わって、しおりの意味も変わるはず。観ていないと買いづらいような気もしますが、このしおりをきっかけに映画に出会うというのも、きっとおもしろいんじゃないかなと思います。

見逃していることの再発見で、価値観が変わる

―今日はアップサイクルをキーワードに、映画制作についてお話を聞かせてください。三宅監督の作品は、些細な日常を丁寧に表現している印象があります。何気ない会話や仕草、時間の流れを作品として演出する際、価値を高めるような工夫(アップサイクル)は意識していますか?

 

三宅 ものを考えるとき、価値という単語は頭に浮かばないので少しズレた回答になっちゃいますが。映画を観ていておもしろい瞬間って、いろんなものを見逃していることに気づいて、自分の先入観や価値観が変わる瞬間だと思っています。自分たちが作る映画の中でも、観た人がそういう体験をしてもらえたら嬉しいですね。映画館に入って、出てくる時になにか変わっていたら。

―確かに、見逃してしまっていたものの価値を再発見する体験もアップサイクルと捉えられると思います。観終わった人に、なにかお土産となるものを渡したい、と?

 

三宅 お土産を渡すというより、勝手に受け取っていってもらいたい。自分もいろんな映画を観てきて、作った人たちのメッセージとは全然関係ないことも受け取ってきたと思いますので。

 

―使用しなかった脚本やシーンなどのアイデアを再利用することはありますか?

 

三宅 次の映画を制作する中で、思い出すことはないですね。ただ、編集の現場では、一度決定したことを再検討する時間はあります。撮影現場でNGとしたテイクを編集所でもう一度観た時に、現場では気づかなかったことを発見して、NGとしたテイクのほうがいいかもしれない、ということはあります。カット単体で観たら弱いかもしれないけど、前後に別のカットがありますから。

 

―組み合わせ次第でNGもOKになるんですね。

 

三宅 僕はファッションが分からないですけど、服も単体だと微妙だけど、組み合わせると「めっちゃいいじゃん!」ってなることもきっとあるのでは。今、媒体に媚びた発言しちゃったかも(笑)。

―分かりやすい例えでした(笑)。小説やアートなど、さまざまな芸術で見逃しているものを再発見できますが、映画における魅力はどこにあると思いますか?

 

三宅 映画の魅力は90分とか120分で、誰かの人生を味わえる。あるいは実人生で行かないであろう場所での体験ができる。自分から遠い人生や空間に触れることで、生きる感覚をリフレッシュしてくれるような気がします。僕はアップサイクルって言葉に馴染みがなかったけど、こうして話していくうちに多少分かってきたのと同時に、アップというと僕の場合は「アップしなきゃいけないのか」ってプレッシャーを感じもするので、リフレッシュくらいの気持ちで捉えたいですね。新鮮な気持ちになれるのが映画のおもしろさだと思います。

洗練された漫画を映画化。映像ならではの表現とは

―三宅監督の新作映画『旅と日々』についてもお話を聞かせてください。8月に「第78回ロカルノ国際映画祭」の最高賞である金豹賞とヤング審査員賞特別賞をW受賞して2ヶ月ほど経ちましたが、今はどんな心境ですか?

 

三宅 一緒に映画を作った人たちが喜んでくれましたが、まだ全員と直接会って喜びを分かち合えていないので、早くスタッフやロケ地の関係者のみんなに直接報告したいと思っています。

―つげ義春さんの漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に選んだ経緯を教えてください。

 

三宅 つげさんの漫画に好きな作品はたくさんありますが、その中でも特に好きな作品です。最初に頭に浮かんだのは映画のポスターで、夏と冬の風景が一緒に写っていたら、自分が観客だったら気になると思いまして。そういうところから出発して、具体的に検討していきました。そうすると、季節も登場人物も異なる物語ですけど、共通した要素やテーマが見えてきたんですよね。たとえば、僕は夏がくると早く冬にならないかなって思うし、いざ冬になると早く夏にならないかなって思っていて。別のものを求める感覚が引き立つのかなと思いました。

 

―『旅と日々』に大きなテーマを掲げましたか?

 

三宅 答えらしい答えはないんですけど、旅ってなんだろう、映画ってなんだろうって考えていました。1個だけ見つけたのは、“驚き”です。つげさんの漫画を読んで驚かない人っているのかな? 物語自体にも驚きがありますが、ひとコマひとコマにも驚きがあると思うんです。旅は、非日常の世界に驚きたいから行くものだと思いますし。そしてやっぱり映画も、見たことのないものを目にして驚くのが楽しみのひとつ。なので、とにかく驚きのある映画体験になればいいなと思っていました。“驚き”って言葉にすると、あまりにシンプルですけど。

―主人公の李さんも脚本家として言葉について考えているシーンがあって、僕も言葉に縛られて生きていることに気づきました。

 

三宅 多分、言葉から完全に逃れることはできないと思います。大人になって言葉が上手くなればなるほど、使ったことがない別の言葉や表現も探したくなりますよね。「美味しい」「かっこいい」以外の言葉で表現したい、みたいな。そして、すごくいい表現が見つかる時もあるし、全然見つからなくて、悔しいけど妥協する時もある。言葉に四苦八苦して試行錯誤する時間は、この映画のベースにもなっているので、反応していただけて嬉しいです。

 

―『ほんやら洞のべんさん』の主人公は男性ですが、映画では女性に変わっていましたね。

 

三宅 最初は漫画の通りに男性を主人公で書いていたんですけど、行き詰まったんですよ。すでに漫画が完璧なのに、わざわざ映画にする意味ってどこにあるんだろう、って見失っちゃって。でも、ある日シム(・ウンギョン)さんが演じたらおもしろくなるんじゃないかとアイデアが浮かびました。そこから検討していくと、重要なのは性別や国籍じゃなくて、よそからやってきた人と出会うこと。共通点がない人たちが出会ったら、なにが起きるのか、それがポイントと気付かされました。

―三宅監督は小説を原作に映画化した作品もありますが、小説と漫画の映画化に違いを感じましたか?

 

三宅 どっちも恐ろしいことだと思いますけど、恐ろしさの質が違いますね。小説の場合は、読者それぞれにイメージがあって、映画化するとひとつのイメージを与えてしまう。漫画は漫画で、すでに完成された絵があって、それに100%一致するってことはありえないし、似ている似ていないに捉われすぎるとうまくいかない。最終的に作品を観終わった時に受け取る……これは本当に言葉が見つからないんですけど、雰囲気といいますか、作品が持つ空気っていうものが重要なのかなと思います。作品を通して得られる、新しい感情とか。それを映画でも味わえるのがおもしろいのかなと思います。

 

―映画の中で、主人公の李さんが『海辺の叙景』を映画化する、というアイデアは最初からあったんですか?

 

三宅 途中で思いつきました。最初はある程度、漫画の設定通りに書いていたけど、作りながら考えていって。だから、当初と『海辺の叙景』の扱い方が変わりました。

―『海辺の叙景』は特に言葉が少ない漫画ですが、映画化するにあたってそれを意識されましたか?

 

三宅 脚本執筆中に何度も感動しましたが、本当に漫画のセリフが洗練されていました。限られたコマの中でセリフは制限されるから、研ぎ澄まされるんだと思います。脚本で別のセリフを足したりすると、全部のバランスが崩れちゃう気がしたんですよ。抜くことも足すこともできない、ギリギリで成立しているジェンガみたいな感じ。そのすごさの壁にぶち当たったと思います。

 

―コマとコマの間も映像化されるので、そこが難しそうですね。

 

三宅 ぼくらは俳優という生身の人間と一緒に作るので、たとえば、右から左に歩くには、人によって体が違うから移動時間も違っていて、それによって全部が変わってしまいます。そういう点で、俳優と一緒に作り上げるということが、漫画や小説とは根本的な違いだと思います。

 

―夏編で2人が考えさせられることを話しているシーンは、気づいたら空が暗くなっていて驚きました。

 

三宅 僕も撮りながら「いいものが撮れた!」と思いました。少し明るい時間から真っ暗になるまで5テイク撮ったんですけど、明るい時間と暗い時間で俳優たちの声のトーンとか間が微妙に変化していったんです。妙な色気や寂しさが出たり、ドキドキしている感じが出たり。それを映画館で味わってもらいたいですね。

―つげさんの漫画はアングルもいいと思うんですが、つげさんの視点を意識したところはありましたか?

 

三宅 冬編で主人公が、“わたしたちが雪の中を歩いている景色を遠くから見たら、どんな趣なんでしょう”と話すシーンは、マンガの通りなんです。自分の目ではなく、他からはどう見えるんだろうと考えることはつげさんのマンガに流れているものだと思いましたし、映画作りのおもしろさとも繋がっていると思います。撮影現場では、あっちから見たらどうなんだろう、こっちから見たらどうなんだろうって考えるのが楽しかったです。あと、東京をどう撮るかが楽しかった。東京と分かると同時に、こんな東京は見たことないって思わなきゃいけない。それが0.5秒くらいで起きて欲しいんです。

 

―三宅監督にとって旅はどんなものですか?

 

三宅 小さい頃から憧れていて、大人になったら旅行にいっぱい行こう、冒険しようと思っていました。でも、あんまり向いてないタイプだったかなあ。散歩は好きなので、それを旅と言い張ろうかなと思っています(笑)。

 

―出会いや発見があれば、立派な旅と言えると思います。今後、撮ってみたいこと、取り組んでみたいテーマはありますか?

 

三宅 来年撮る予定の映画は新しいチャレンジになります。それとは別に、最近は原作のある作品を映画化することが多かったので、久しぶりにオリジナルで物語を書きたいとも思っています。

PROFILE

  • 三宅 唱

    1984年生まれ、北海道出身。

    2010年に初となる長編映画『やくたたず』を発表。2012年公開の『Playback』では、第65回ロカルノ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に正式出品し、第22回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。2014年に、OMSB(SIMI LAB)やBim(CreativeDrugStore)などのアーティストが出演する映画『THE COCKPIT』を発表し、音楽シーンでも話題となった。2017年に公開した『きみの鳥はうたえる』は翌年の第92回キネマ旬報ベスト・テンで第3位にランクイン。2022年の『ケイコ 目を澄ませて』は第77回 毎日映画コンクール において、作品賞の日本映画大賞や監督賞を含む、最多5冠を達成するなど国内で多くの映画賞を受賞。2024年には瀬尾まいこによる小説『夜明けのすべて』を映画化し、第14回北京国際映画祭 コンペティション部門・最優秀芸術貢献賞をはじめ、国内の数々の映画賞を受賞した。2025年公開の新作映画『旅と日々』は、「第78回ロカルノ国際映画祭」でグランプリである金豹賞《グランプリ》を日本映画で18年ぶりに獲得し、ヤング審査員賞特別賞とW受賞を果たした。

INFORMATION

  • 『旅と日々』

    TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国上映中

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