2月6日(金)に公開される映画『トゥギャザー』は、2025年1月にインディペンデント映画が集結する「サンダンス映画祭」で大反響を巻き起こした話題作。
配給会社による争奪戦の結果、気鋭の映画会社「NEON」が米国配給権を獲得し、全米でスマッシュ・ヒットを記録しました。この作品は、“身体変異”を題材にしたボディ・ホラーと恋愛の“共依存”をミックスした、オリジナリティあるジャンル・ミックス型ホラー映画です。脚本と監督を務めたのは、本作が初の長編映画となるマイケル・シャンクス監督。
一体どのようにして、この作品が生まれたのか。オーストラリアに住むシャンクス監督とリモートで繋ぎ、お話を伺いました。
ストーリー
“感情は離れても、身体はくっついていく”
長年付き合ってきたミリーとティムのカップルは田舎に引っ越し、新たなスタートを切ることに。ある日、森の中の洞窟にあった泉の水を飲んでしまったことをきっかけに、ティムの体に異常な症状が現れ始める。やがて2人は物理的に引き寄せられるようになり、互いの手がくっつき、溶けるように融合を始めてしまう。はたしてミリーとティムの身体と心を侵蝕し、グロテスクに歪ませるこの怪現象を阻止する手段はあるのか。そして、ずっと一緒に人生を歩んできたティムとミリーは、壊れかけた愛を取り戻し、幸せをたぐり寄せることができるのか……。
着想源は自身の実生活
――『トゥギャザー』のストーリーは、シャンクス監督の実生活から着想を得たそうですね。パートナーとは17年も一緒に過ごしていて、10年前からストーリーを構想し始めた、と。
シャンクス:パートナーのルイと同棲を始めて気づいたことがあるんです。ぼくと彼女は交友関係が一緒だし、ひとつ屋根の下で同じ空気を吸って暮らしている。そんなルイとの関係性は、どこまでがぼくで、どこまでが彼女なのか、境界線が曖昧になっている感覚がありました。じゃあ、生活を、人生を共にする、極端な事例はなんだろうって考えた結果、それは肉体をシェアするという考えに至りました。それって、すごく恐ろしいし、おもしろい。ぼくは身体が変容していくボディ・ホラーが大好きだから、2人がくっついてしまう身体融合は、おもしろい作品になるんじゃないかと思ったんですよ。
――パートナーとの境界線が曖昧になり始めた。それを認識したエピソードはありますか?
シャンクス:ぼくらと親しいカップルが別れてしまい、ひとりとは付き合いが続きましたが、もうひとりは疎遠になってしまいました。それで、長年付き合うと、いろんなリスクを伴うんじゃないか、と考えるようになって。自分独自の世界を持っていないと、別れたら共有していた世界の半分を失ってしまうわけです。
――長年一緒に過ごしているからこそ、運命共同体になっているんですね。
シャンクス:ぼくらの交友関係は、高校時代からずっと一緒に遊んでいるカップルの集まりなんですよ。友達同士でも、ある種の共依存の関係にあると言ってもいいくらい。考えてみたらぼくとルイは、ひとりで大人の生活を送っていないと気づきました。それは恐ろしいことだと思うと同時に、お互いの成長を見守ることができたし、発展を共有してきたから、美しいことでもあるんです。
恐怖や笑いを共有する体験を
――ストーリーを構想し始めて、すぐに10個ほどのシーンを思いついたそうですが、具体的にどのシーンですか?
シャンクス:最初にパッと思いついたのは、深夜に別々の部屋に入った廊下のシーン。まだ具体的なキャラクターは決まっていなかったけど、ひとつのアイデアとして試しに脚本の一部を書いてみました。書き上げてみると、なんだかいい感じで。それをもとにして、長編に仕上げていきました。
――あのシーンが最初からアイデアにあったんですね。緊張感がありました。
シャンクス:それ以外に最初に思い浮かんだアイデアは、冒頭の犬だったり、学校のトイレだったり。クライマックスも、最初からアイデアがありましたよ。あと、エンドクレジット直前のラストシーンもそうで、鑑賞後にみんないろんなことを話してくれるだろうと思っていました。
――ラストシーンは衝撃的で、まさに誰かと話したくなりました! シャンクス監督は、ホラーの恐怖という感情をどのように捉えていますか?
シャンクス:ぼく自身、恐怖体験が好きかと言われたら、別にそうじゃない。弱虫なので(笑)。ただ、どことなく惹きつけられるんです。居心地の悪さがクセになる、みたいな感覚。
――怖いもの見たさ、みたいな感じですか。どんなところにホラーの魅力を感じますか?
シャンクス:メカニズムのおもしろさを語るのであれば、日常に超常現象を加味すると、ものすごく大袈裟で極端なシチュエーションを描くことができるのがホラーの魅力だと思います。メタファーを超えたところで、観客の中に閉ざされたなにかを、こじ開けるような作用があるはずです。ホラーの中では、スラッシャー映画も好きだけど、パラノーマルやSFの要素が含まれた作品が好きですね。なにより、観客が共同体験できるのもホラーの魅力だと思っていて、それはコメディと相性がいい。作品の局面ごとにリズムを刻んでいきますが、恐怖と笑いのリズムは似ていると思います。
リアリティを追求した結果
――鑑賞前、ポスターを見たり、あらすじを読んだりしたら、シリアスなホラー作品だと思っていまして。でも、ホラー以外にユーモアやロマンスがテンポよく組み込まれていて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
シャンクス:いろんなジャンルの要素が入っているけど、その割合は意図的に構成したわけじゃないんですよ。脚本を書き始めたばかりの頃は、純粋なホラーに仕上げるつもりでした。でも、ペンが進んでいくにつれて、身体融合は、あまりにも馬鹿げているシュールな状況じゃないですか(笑)。そんな中、キャラクターたちは、どんな反応をするのか、どんな行動をとるのか。リアリティを追求した結果、笑える状況も出てくるんじゃないかと思いまして。
――確かに。緊迫した状況でも笑いが起こることもありますよね。
シャンクス:そうなんです。だから、当初の想定と変わって、おのずとコメディの要素も入ってきたんですよ。この作品はミニマリズムではなくマキシマリズム、思い切った作りになっています。ホラーのピースを散りばめながら、笑えるところも、ティムとミリーの関係性や感情も描きました。そして、ぼく自身の考えが含まれているけど、最初はコミットするのが怖くても、2人で長い年月を共にするのは美しく、ポジティブなことだと伝えたいです。
――日本公開を記念して、FREAK’S STORE(FREAK’S MOVIE)が「NEON」とコラボレーションして『トゥギャザー』のアパレルを製作しました。例えば、2枚のTシャツの袖がくっついていて、切り離さないと着られないデザインもあって。
シャンクス:素晴らしい! スクショ撮らせてください。リビングで映画を観るとき、切り離さずにパートナーと一緒に着たいですね。別れられない2人になりそうです。
――ぜひ融合してみてください(笑)。今日はありがとうございました!
シャンクス:こちらこそ、ありがとうございました。みなさん、ぜひ劇場でご覧になってくださいね。
INFORMATION
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『トゥギャザー』
2月6日(金)公開
TOHOシネマズ日比谷 他ロードショー
© 2025 Project Foxtrot, LLC
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
INFORMATION
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『トゥギャザー』公開を記念したオフィシャルTシャツ・グッズが登場。
サンダンス映画祭でのワールドプレミア上映で大反響を呼び、気鋭の映画会社NEONが争奪戦の末に米国配給権を獲得したジャンル・ミックス型ホラー作品『トゥギャザー』。
本作の公開を記念し、FREAK’S MOVIEが『トゥギャザー』のオフィシャルTシャツ・グッズを製作。本作の特徴である<突然変異>・<共依存>が落とし込まれたブラックユーモアの効いたアイテムは、2月4日(水)より販売開始。





