UPDATE : 2022.12.30

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#ART & CULTURE

もっと不真面目に生きるために。KEEP SOMEWHERE WEIRD 01

ポートランドへの留学を決めたのは2021年夏。

わりと突然の決断だった。

 

いつものように彼と食卓を囲む夜のこと。なぜだか急に沸々わくものが自分の中で飽和して、「来年の夏頃までには留学したいんだ」と彼に伝えた。

「今の仕事も環境も自分自身も、もうこのままではいられない」と溢れるようなおもいが次から次へと出てきた。誰かに背中をぐいぐい押されているような、自分には止められない何かを感じながら話したことを今でもはっきり覚えている。小さな相槌だけを挟みながらしばらく呆然と聞いていた彼も、なんとなく私の煮えたぎる想いを理解したのか、私の想いに寄り添ってくれた。(たぶん噛み砕くのには1ヶ月くらいかかったと思うけど、、、。)

 

その翌日、パートナーのように共に仕事をしていた大切な上司、そして会社に、家族に、皆に留学したいという考えと想いを伝え、あっという間に私のポートランド行きが決定した。

永遠にリモートで自宅作業してた頃の自分

コロナによって生まれた先行き見えない重く張り詰めたムード。

数年休まず走り続けた仕事。

同じところをずっと回っているだけのようなあの感覚。

何が大切かわからなくなってしまったこと。

理想とする自分と今の自分とがだんだん離れていく焦り。

 

私の中で煮えたぎっていたあの想いはたぶん、それらさまざまな要素がぐるぐると渦を巻いて生まれたものだったのだと思う。

会社を離れたときにいただいたお花の一部

留学を決めた数ヶ月後にこの連載のお話をいただいて、そのテーマにグッときた。

 

「好き勝手に生きること」

 

自分で言うのもなんだけど、人生超真面目に、好き勝手とは真逆に生きてきた。

学業も仕事も私生活も、もう何もかも。「生きてきた」というか「そう生きてしまう」。そんなクセのようなものが幼い頃から自分にはあるように感じていて、時々息がつまる自分に気づく。真面目に生きてきた分、頭の片側ではずっと、授業をサボって体育館裏でタバコを吸う人たちに憧れたし、アニメや映画やドラマの好きなキャラクターは決まって悪者やはみ出し者。スターウォーズも圧倒的にシス派だし、ハリーポッターシリーズもマルフォイ一族が好き、アンパンマンもバイキンマン一味に想いを馳せてしまう。

 

だって、“不真面目な人”って自由でクールだし、どこか人間くさくて生き様が濃い。

そんなところが、好きで憧れる。私が持っていないものたち。

 

ポートランドにはそんな思いを受け止め昇華してくれるような1つのスローガンがある。

 

「Keep Portland Weird」

「ポートランド、変わり者でいよう!」

明確であっけらかんとしたこのスローガンを数年前に雑誌か何かで見かけて、私は大きな憧れを抱いた。それはおそらく、私が好きなキャラクターたちの人格や、私が憧れる生き様に近いものをポートランドという街自体に感じたから。

 

2022年9月末、私は吸い寄せられるようにポートランドにやってきた。

ポートランドにきて初めてみた、自室から見える朝日

愛すべき変わり者が溢れる街で、私はどう生きよう。

 

今この原稿を家の近所のカフェに居座って書いている。カフェには入れ替わり立ち替わり自由なポートランダーたちがやってくる。

コートを着ずに何故だか布団を肩にかけてやって来たお兄さん、家から持ってきたのかどでかいマグカップいっぱいにチャイを入れてくれと頼む小学生らしき少女、デート中なのか制服のような装いがとってもフィットしたキュートな男の子カップル。

 

ポートランドの人たちを横目で眺めていると、自分ってなんてありきたりで平凡な人間なんだと恥ずかしくなったりもするが、それが今の私自身。

 

この連載では、愛すべき変人の街・ポートランドについて、そして「不真面目に」「好き勝手に」人生を過ごす私のこれからについて、書いてみたいと思う。

 

WEIRDな生き方について、真面目に考え、言葉にする。その矛盾は、私をどんな場所へ連れて行ってくれるのだろうか。

PROFILE

  • 芹澤 向日葵

    1996年生まれ東京都出身。武蔵野美術大学卒業後、PR・プランニング・バイヤー・ディレクションなど、東京を拠点にその他いろいろなことをしています。現在はポートランドに滞在中。

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