UPDATE : 2023.06.13

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#LIFE STYLE

POP UP FOOD〜神出鬼没飯06:Favorite Stand/クリエイターが生み出す「非日常が感じられるパブリックスペース」のような“4ヶ月限定”のフード&展示スペース

Text:Nao

Photo:Goku Noguchi

Edit:Jun Hirayama,Taiyo Nagashima

NEUT Magazineの編集長をしながら、空いた時間は友達とおいしいものを食べることに全ベットしている僕(平山 潤)ですが、最近周りにお店を持たない飲食店が増えている、そんな気がする。ウーバーで注文すればいつでも届くとか、そんな都合のいい関係じゃない。だからこそ無性に食べたくなるけど、自分のタイミングじゃ食べられない、神出鬼没飯。英語で言うと“POP UP FOOD”を毎月紹介していきます。

 

第6回となる今回は、青山エリアでクリエイターたちと共創するコミュニティプロジェクト「AOYAMA NOWLOADING」の開始に合わせて、5月から8月まで外苑前のItochu Gardenにて期間限定でオープンしているポップアップスペース、「Favorite Stand」をピックアップ。

Favorite Standの立ち上げとキュレーションを行う吉田健太郎さんと清水駿さん、「AOYAMA NOWLOADING」の企画運営を行う株式会社VOIDの溝端友輔さんと井上雅之さんの4人にお話を伺います。

左から、吉田 健太郎さん、平山 潤、井上 雅之さん、溝端 友輔さん、清水 駿さん

平山 潤(以下、潤):まず、Favorite Standについて教えてください。

 

清水 駿(以下、清水):今は毎日15:00から22:00までカフェとして営業しています(7月以降変更の可能性があります)。毎週金曜日はその日のゲストによるフードの出店があって、土曜日と日曜日はクリエイター陣による作品を展示しています。期間中、さまざまなクリエイターによる展示があったり、フード出店者が増えていったりすることで、みんなの“好き“がどんどん集まっていく──。そんな場所が、ここ「Favorite  Stand」です。

「楽しい」が続くことを目指して

:なるほど。どうしてそういう場所を立ち上げようと思ったの?

 

溝端 友輔(以下、溝端):そもそもは、「外苑前・青山エリアにクリエイターコミュニティをつくること」が目的で始まりました。Itochu Gardenで空間づくりをするにあたって、施設全体が掲げているSDGsを実現させる必要があったんだけど。そのときに、ただ直接的にSDGsを掲げるというのではなく、「人が集まる空間における持続可能性」という部分に注目して、そこを起点に場所づくりを考えていったんだよね。

 

:「人が集まる空間における持続可能性」って、具体的にはどういうこと?

 

溝端:人が集まり続ける場所の条件って、シンプルに「楽しい」ことじゃないですか。クリエイターのためだけのコミュニティスペースではなくて、誰もが楽しめる場所をクリエイターが中心となってつくっていけたらいいんじゃないかなって。そこから、「お気に入りのものや好きなものが集まっていく場所」という今の形に着地した感じ。

 

:「活気が持続していく」という意味でのサステナビリティだね。

いつでも、誰にでも。非日常を届けられるカフェ

:Favorite Standを作るうえで、どんなコンセプトをイメージしたの?

 

吉田 健太郎(以下、吉田):空間としてのコンセプトは、ミュージアムカフェです。ロンドンのテートモダン美術館にあるカフェが結構好きで、イメージに近いかもしれない。昔からなぜかミュージアムカフェが好きで、美術館に行くたびについ立ち寄っちゃうんだよね。

 

井上 雅之(以下、井上):特別なわけじゃなくて、コンビニみたいな感覚で気軽に立ち寄れる場所だけど、いつもとは違うワクワクがあるよね。誰でも来ていいし、来た人たちがそういうワクワクを感じられる場所をイメージしてたかな。

 

:非日常が感じられるパブリックスペースだね。確かにそういう場所って、あるようでないかもしれない。

 

吉田:そうそう。あとは、周りに素晴らしい食のプロダクトを作っている人がたくさんいるから、それらのプロダクトを集めた「食のセレクトショップ」を目指して、メニューや出店してくれるゲストを考えました。

 

:なるほど。Favorite Standでは、実際にどんなものを出しているの?

 

井上:コーヒーはもちろん、アルコールにも力を入れています。ナチュラルワインやクラフトジン「HOLON」のジントニックやソーダ、中華可菜飯店のクラフトビールを提供しています。それから、アフォガード、ovgo Bakerのクッキー、自家製パウンドケーキなどのデザートメニューも少し用意しています。提供するものも、もちろん誰もが楽しめておいしいと思えることを大事にして作っています。

 

:NEUT Magazineが、長野県飯田市座光寺と原宿キャットストリートの地域コミュニティCATsとコラボレーションしたシードル 「NEUTON」もドリンクメニューとして販売してくれてるよね。今回食べたアフォガードはずっと気になっていたんだけど、メンバーの健太郎が運営するBIG BABY ICECREAMの甘さ控えめなミルクアイスクリームとFavorite Standのエスプレッソの相性が抜群でおいしかったです!

:今後、Favorite Standで予定している催しはある?

 

清水:6月16日には、名古屋にある喫茶店シヤチルの新作であるオリジナルクラフトビールのお披露目会を行うほか、6月30日には三崎から「たべごとやみなと」が出店。三崎の旬の野菜を使った多国籍料理を提供します。期間が終了する8月末まで、いろいろな催しを予定しているので、企画段階で想像した以上の盛り上がりがあれば嬉しいかな。

PROFILE

  • 吉田健太郎

    株式会社DINER 取締役

    武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒業。「BIG BABY ICE CREAM」、「NOON」、「PARLOR NOON」を経営。DINER DIRECTIONではデザインやアートディレクションを行う。趣味は野球観戦とナチュラルワイン。

  • 清水 駿

    プランナー

    デジタルPRや編集の経験を経て、企業やブランドの情報発信の戦略設計からコンテンツ制作、運用を担うプランナーとして活動中。また、飲食やアパレル、音楽などのジャンルを横断したイベントの企画を得意としている。

  • 溝端 友輔

    VOID.inc 代表取締役 CEO

    中央工学校インテリアデザイン学科出身。商業施設の制作会社を経て、建築ディレクターとして独立。 2023年、「VOID」を起業。空間の拡張をテーマに、建築や不動産などの領域から、さまざまな職業や領域のパートナーと共にプロジェクトを手掛ける。

  • 井上 雅之

    VOID.inc 代表取締役 CSO

    アパレル、観光関連コンサルティング会社などを経て2016年に独立。海外アパレルブランドの日本展開におけるブランド戦略を皮切りにプロダクトやサービス、店舗など幅広い領域でプロジェクトを推進。コンセプトデザインからコミュニケーション設計まで一貫した支援を行う。

  • 平山 潤

    世間で<エクストリーム>だと思われるようなトピック·人に光を当て、より多くの人に「先入観に縛られない<ニュートラル >な視点」を届けるウェブマガジン「NEUT Magazine」の編集長。食べること、人と話すことが好きです。本連載の担当編集をしています。

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