好きなバンドや映画、アニメキャラクターをモチーフにした1枚や、名デザイナーがシルエットにこだわり抜いた美しい1枚。私たちがふだん何気なく着ているTシャツには、選ぶ人の個性がにじみ出ている気がする。「お気に入りのTシャツを教えて!」と持ってきてもらったとっておきの9枚から、その人らしさを探ります。
第6回のゲストは、モデル業や執筆業をはじめ多方面で活躍する小谷実由さん。「Tシャツはいくら持っていてもいいと思っているので、良いものに出会ったら迷わず買っちゃいます。夏はTシャツとデニムの組み合わせから抜け出せないですね。好きなモチーフをTシャツとして纏うのが好きなので、何がプリントされているかが私にとって最重要です」と話す彼女の、ベストナインをご覧あれ。
20歳の頃にネットで探して手に入れたDEVOのバンドT。かれこれ10年以上着ているので、色が褪せてるし生地もだいぶ柔らかくなっちゃいました。でも、これも“味”かなって。好きなバンドのTシャツは着るだけで気分が上がるので、気合いを入れたい時にクローゼットから引っ張り出してお守りのように着用しています。
このTシャツを見つけた時にちょうど〈Konica〉のBiG miniというカメラを愛用していたので、運命を感じてすぐに購入しました。今はもう壊れてしまってシャッターが切れないんですけど……(涙)。古着だからかなり生地が薄く、着ると肌に吸い付く感覚が気持ちいいです。企業ロゴってTシャツになると途端に魅力的に見えますよね。まったく知らない会社でも、デザインが可愛かったら欲しくなっちゃいます(笑)。
長崎のハウステンボスにある、お土産や民芸品などを扱うショップで偶然見つけました。14〜16って書いてあるから、たぶん子ども用なのかな。小さめのボディと、首元のリブが太いところに惹かれました。アシカの絵がインパクト大ですが、落ち着いた色味なので意外と着やすいです。海の生き物をモチーフにしたものはわりと好きで、最近はアザラシのTシャツを探しています。
〈Meditation〉という、レコードやカセットテープを扱うお店のTシャツです。ずっとオンラインで買い物していたのですが、去年初めて京都のお店へ行くことができて。ショップのロゴTシャツって定番の白や黒を売っているところが多いと思うのですが、この絶妙なグレーを選ぶところがなんとも素敵! カジュアルになりすぎず、大人っぽく着られます。お店を知っている人に「あ!」って気づいてもらえるのも嬉しいですね。
BauhausのTシャツはシンガポールにいる友達にもらいました。彼女とは音楽の趣味がすごく合うのですが、ある日「マレーシアでいいTシャツを見つけたよ!」と連絡があって。私にはこれを買っておいてくれて、彼女はBauhausの違うアルバムのTシャツを手に入れたみたいです。生地が薄手で細長くて、ちょっと珍しい形ですね。マレーシアで買ったものだから、日本やアメリカとはまた違うボディなのかな。
友達がやっている〈Peate〉というブランドのTシャツです。過去の記事で成順くんが似た話をしていましたが、私も体操着っぽいTシャツが好きなんですよね。これはタイトなサイズ感とちょっぴり懐かしさを感じるデザインがお気に入り。背中にもロゴが入っていて、後ろから見ても可愛いんです!
ロンドンのアーティストであるクレイ・アーリントンのグラフィックを取り入れた、〈loosejoints〉のTシャツ。ジュゴンって書いてあるけど、写真はシロイルカなんです。これまでに何度「それジュゴンじゃなくない?」と言われたことか……(笑)。写真の色味と手描きのブランドロゴが可愛くて、同じプリントのスウェットも2色持っています。気にいると何パターンも欲しくなっちゃうんですよね。
3年前から、私の愛猫 “しらす”のTシャツを作って販売しています。これは最初に作ったもので、ベロを出してちょっとギョッとしているような表情がしらすらしくてお気に入り。真ん中より少し上にプリントがあるのが好きなので、写真の配置には特にこだわりました。ボディは誰でも着やすそうな〈GILDAN〉です。イベントなどでファンの方々に会う機会があると、みんなしらすTを着てきてくれて癒されます。
このTalking HeadsのTシャツは〈ディスクユニオン〉で買いました。緊張する現場や大事な打ち合わせなど、ここぞ!いう時はいつもこれを着ます。好きなものを身につけることで「私はこういう人です」ってわかってもらえそうだし、会話のきっかけになればなって。Talking HeadsのTシャツは他にも何枚か持っていますが、これが一番お気に入り。モチーフになっているアルバム『Remain In Light』が大好きなんです。