ガリットチュウの福島善成さんが9月3日にラスベガスにて行われた『ワールドマスター柔術選手権 2023』で優勝したというニュースは一気に日本中を駆け巡り、今や福島さんは各種メディアに引っ張りだこ! FREAK’S STOREでは、この挑戦を応援すべくコラボレーションを展開してきた。
9月19日にはFREAK’S STORE 渋谷のOPEN STUDIOで凱旋イベントも開催。ファンをはじめ多くの人が駆けつけた。ここでは、福島さんに改めて柔術の魅力や思い、本コラボのことについてインタビューする。
さらに今回は、福島さんの柔術関連でのサポートをしている、JIU-JITSU NAVI編集長・新明祐介さん、相方の熊谷茶さんとともにFREAK’S STOREの新作アイテムをディグ。
本気でやれば優勝できるんじゃねぇか?と
ー改めて柔術を始めた頃のことを教えていただきたいのですが、2020年に格闘技イベント『QUINTET』で柔術を見て、自分でもやれそうだなと感じられたのがきっかけだったんだとか?
福島善成(以下、福島):はい、そうです。当時、43歳になる頃だったんですけど、高血圧症だったり尿酸値がめちゃくちゃ高かったり、あとは肝機能に障害があったりと身体の調子が悪かったんですよ。それでちょっと運動したいなっていうのがどこかにあったんですよね。
ーでは、最初は健康のために柔術でもやってみようかな、という感じだったんですね?
福島:ええ、実際に(柔術を)始める前は体重が90キロ台後半だったんですけど試合前には71キロまで落ちまして。もう身体バッキバキですよ。そしたら体調不良がすべて改善したという。
ーすごい! 最初は健康のためだったのが、どの辺りから大会を目指すようになっていったんですか?
福島:始めて1年後くらいですかね。最初はグラップリング、寝技を中心にやっていたんですよ。そんなときに『ワールドマスター柔術選手権』の存在を知ったわけです。ラスベガスでカテゴリごとに世界一を決める大会があると。それを聞いた瞬間に何か頭に稲妻が走ったんですよね。なんかこう、ちゃんとした何かで誰もが認める世界一になりたいって思ったんです。で、本気でやりゃできんじゃねぇか? って考えるようになったわけです。
ーそこで本気でやろうと思った思考がカッコいいです。練習方法などを変えたりしたんですか?
福島:そうですね。トライフォース柔術アカデミーの本部に入って、気持ちも新たに技術をしっかりと基礎から学ぶようにしました。それが一昨年の11月です。
ー練習を積むうえで仕事との両立など、大変な部分も多かったと思います。どんな苦労が思い出されますか?
福島:やっぱり周囲に自分の夢を理解してもらうのがすごく大変でした。連日、仕事の前に柔術をやって休みの日も通って汗だくになった柔道着を持って帰ってきて。家族も心配していたと思いますよ。あと、仕事のうえでは、足を怪我しちゃったりすると予定していたコントができなかったりするわけじゃないですか。舞台に立つときって前もってコントの内容を決めて伝えておかなくちゃいけなかったりするんですけど、それを急遽変更しなくちゃいけないときが何回かあってご迷惑をおかけしちゃったりしましたね。
ーそういうときは熊谷さん(ガリットチュウ、相方の熊谷茶さん)にも相談して二人三脚でやってこられたわけですね。
福島:いや、相方はオレが柔術で勝ったら仕事が増えるしラッキー、くらいにしか思っていなかったと思います。本物のクソやろうなんで、本当に。
フリークスさん、攻めすぎでしょ……って
ーいや、そんな(笑)。にしても、大会においては「絶対に勝つ、勝てる」という強い意志で福島さんは試合に挑んでらっしゃったように思います。そんな風に「勝てる」と考えるようにしたのは、何か理由があるんですか?
福島:そうは言いつつも、組んだ瞬間に『こいつ、力強いな!』とか思うんですけど、やっぱり試合が始まった瞬間にスパンと気持ちが切り替わるというか。絶対に勝ってやるって勝手に思っちゃうんですよね。なんかね、ラスベガスの空港に飛行機がパーンと着いて降りる瞬間に『やってやるよ!』って心の中でめっちゃ叫んだんです。身体の奥から自然と出てきたというか。そんな気持ちでしたね。
ーそれは、世界大会を前に武者奮いするような感覚ですね。気合いが入ったというか。
福島:あとね、日本人ってどこか下に見られているというか。前大会のときに、柔道着を着てご飯を食べにいったんです。そしたら隣のテーブルでメキシコの柔術チームがいて、僕は「いえー! ジュージュツ! アイム マスターチャンピオン!」って絡んだんですよね。そしたら向こうも「いえー!」って感じだったんですけど、どこの国で優勝したのかって聞いてきたから「ジャパンのチャンピオンだよ」って答えて。そしたら場がシラーッとしたんですよ。日本の大会で優勝したってあんまり意味がないって感じの反応だったもんで、もう僕は絶対に世界大会で優勝してやろうと思って。あの出来事は起爆剤になりました。
ー実際に世界大会で優勝されたわけなので、そのメキシコの選手もギャフンでしょう。こうして柔術を本格的にやることで思考が変化した部分などはありますか?
福島:柔術って馬から落ちた状態から、どうやって逆転するかっていう部分もあるんですよね。どんなピンチな状態でもひっくり返さなくてはいけないという面があるわけです。だから、舞台ですべりまくっていても、もう1回前を向いて笑いを取ろうっていう気持ちになれるようになりましたよね。場面ごとに切り替えていくという感じで。
ーありがとうございます。今回、FREAK’S STOREとのコラボで『柔術フリーク -ガリットチュウ福島世界チャンピオンへの道!』と題した取り組みが展開されたわけですが、最初にオファーがあったときはどう思いましたか?
福島:本当にね、ウソでしょ? って思いましたよ(笑)。だって、そんなわけないじゃないですか。天下のFREAK’S STOREさんと自分なんて。特設サイトを見るまでちょっと信じられなかったですね。まぁ、サイトを見た瞬間に『これ、大丈夫か?』と。攻めすぎでしたよね、本当に。僕みたいな“芸人界のカミキリムシ”って言われているような芸人なのに大丈夫か? って気持ちになりましたよ。
ー今回のコラボではTシャツやトートバッグも展開されましたが、イラストも描かれたんですよね。
福島:そうですね、いくつか技をかけているイラストを描いてTシャツにしてもらって。トートバッグはチョークしている様子で、最初は首元にバックプリントで入れたらいいんじゃないかな? なんて思っていたんですけどトートバッグになっていました(笑)。
柔術は日本でこそ流行ってほしい
ーなるほど、そんな背景が(笑)。でも、トートでも映えるイラストですよね。ちなみにイベント名にある『柔術フリーク』とある通り、何か熱狂したりすることにフォーカスした展開でもあったんですが、改めて福島さんが柔術にのめり込んだ理由を教えていただけますか?
福島:スパーリングのときとか本当にものすごく集中できるんですよ。そのときは他のことなんて考えられないくらいに。柔術を始めた頃、コロナ禍もあって仕事が全然ないような状態でした。仕事も家庭も含めて辛いことがある中で、すべてを忘れて没頭できるのが柔術だったんですよ。柔術を終えた後は疲れて何も考えられなくなって。それでハマりましたね。やることですべてが楽になるって感じでした。
ーこうして世界チャンピオンになった今、柔術を世間に広めていきたいという思いもありますか?
福島:もちろん! 海外ではこんなにも流行っていて楽しいスポーツなのに、なんで日本人はもっとやらないんだって思いますよ。本当にめっちゃいいスポーツなんで。相手と組み合って技をかけあって高め合うことができるし、護身術にもなるし。僕がきっかけで知った人は何歳でもいいし、性別問わず是非チャレンジしてほしいです。日本人にこそ広まってほしいです。
ーちなみに来年は大会への出演を見送ろうかと考えていると聞きました。これから福島さんがフォーカスしていくことについて教えてください。
福島:漫画の神様、毛塚治虫という人がいるんですけど、その人がいろんなものにデザインをしたりしていきたいそうなんです。個展もありますし。その活動が盛んになると思います。でも、柔術は続けますよ! ハリウッド俳優、トム・ハーディと試合してエンタメ会の柔術最強を決めるまでは絶対に続けます!
PROFILE
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福島善成
1977年生まれ。お笑いコンビ、ガリットチュウのボケ担当。相方は熊谷茶さん。多数のモノマネレパートリーがあることでも有名。ブラジリアン柔術の世界大会『ワールドマスター柔術選手権』には「マスター4青帯ライト級」で2年連続出場。2022年に銅メダルを獲得し、今年見事に優勝を勝ち取り世界チャンピオンとなった。





