UPDATE : 2024.05.20

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#ART & CULTURE

心を描く、アートとして。台湾出身アーティスト・Kurt Wuが抱く “愛” の形と、作品たちへの想いとは

Text:Nozomu Miura

Photo:FREAK MAG.

台湾出身のアーティスト・Kurt Wu氏によるエキシビション「CRITICAL STRIKE YOUR HEART」が、2024年4月27日(土)〜5月6日(月)の期間、FREAK’S STORE渋谷併設ギャラリー『OPEN STUDIO』にて開催された。

本稿では、Kurt Wu氏が抱く日本への愛情や、今回のエキシビジョンに対する想い、Tシャツやビーニーをはじめとしたコラボレーションアイテムたちの魅力について、インタビュー。穏やかな話しぶりで語ってくれた “愛” について、ぜひともお楽しみあれ。

ー今日はよろしくお願いします。まず、軽く自己紹介を。

-首先請您做一下簡單的自我介紹

Kurt Wu(以下、Kurtさん):Nice To Meet You. どうぞよろしくお願いします。7年前に表現者として独立して以来、台北を中心にさまざまなアート活動をしてきました。アパレルブランドやコスメブランドとのコラボレーションも盛んにおこない、デジタルの手法で描いた作品をたくさんの方々にご愛顧いただいています。

Kurt Wu:Nice to meet you. 我大約在7年前開始了插畫家的創作,主要是在台北進行各種的活動。我有和各種的品牌合作,服飾、美妝的品牌都有。大多以電繪來創作作品。

 

ーちなみに、日本に来るのは何度目なのでしょうか?

-您來日本是第幾次呢?

 

Kurtさん:今回が5度目ですね。東京に3回(今回を合わせて)と、大阪に2回。どちらにも共通しているのですが、とにかく、人が多いです(笑)。いわば “小さなエリア” に多種多様な人が集まっていて、すごく刺激を受けますね。

Kurt Wu:這是我第5次來日本,東京3次和大阪京都2次。對日本的感覺是一個巨大的文化熔爐,一個城市聚集世界各國的人集中在一起。

 

ー日本の、どんなところが好きですか?

-您喜歡日本的什麼地方呢?

Kurtさん:特に東京だと、新宿や渋谷が好きです。アーティストの展示がたくさん開催されていて、まさしく “刺激” をたくさんもらえますからね。好きな日本のアーティストは、奈良美智さん。作品に対して、説明文のようなものをたくさん寄せて語り尽くすのではなく、作品だけをシンプルに見せる構成が多いんですよ。それを見て、ギャラリーたちは、色々と考えることができる。僕自身、ゆっくり考えることが好きなんですよね。

Kurt Wu:我喜歡新宿和涉谷附近的地方,因為自己做這一個行業,新宿涉谷附近可以看到很多不一樣的品牌、藝術展覽,這裡可以讓我吸收很多東西我覺得很有趣。我很喜歡日本的藝術家奈良美智,他的作品能夠讓人去慢慢去思考,我喜歡一邊看作品一邊從畫面上聯想,這樣可以充滿很多想像空間。

 

ーうんうん、たしかに。奈良美智さんのあり方は、Kurtさん自身や、作品にも影響を及ぼしていると思いますか?

-您的作風也有受到奈良美智的影響嗎?

Kurtさん:きっと、影響しているはず。単に「絵を描く」という仕事でも、それは「イラストレーター」や「アーティスト」、「作家」など、さまざまな呼称を含みますよね。僕自身もそうですし、もちろん奈良美智さんもそうかもしれませんが、自身のことを「アーティスト」と名乗ることには、あまり積極的でないんですよ。

Kurt Wu:有一定程度受到影響。我創作作品的時,我其實不想把自己定義成「藝術家」「插畫家」和「圖文作家」或是某一個職業。

 

ー「アーティスト」と名乗ることに、積極的ではない……?

-為什麼您不喜歡把自己定義成某一個職業呢?

 

Kurtさん:自分の定義を、決めない。定義してしまう、つまり「枠を定めてしまう」のではなく、常日頃からずっと好きなことに挑戦し続けていたいんです。そうすればきっと、自分のあり方は自然と定まっていくはずですから。

Kurt Wu:我其實想把自己介於三種職業中間,自由變換。我希望作品可以讓觀眾簡單理解,我覺得大家都可以同時有很多角色在身上,雖然會更有挑戰,但通常更有趣。

 

ーとても素敵な考えですね。「自分」 をあまり決め過ぎない。定義し過ぎない。やりたいこと、好きなことに挑戦し続ける。そうすることによって、かえって自分自身の輪郭がはっきりとしてくるような。話は変わりますが、そもそも、Kurtさんがイラストに「ハート」のモチーフを選んだのは、どういった理由からなのでしょうか?

-我也很喜歡您的想法,不把自己定義在哪一個框子裡可以讓自己做更多的挑戰。我們換一下話題,為什麼您選擇使用愛心在您的作品上呢?

 

Kurtさん:もともとは、人物の絵を描いていたんですよ。その頃、実は僕、アートの先生として働いていて。

Kurt Wu:我當初是藝術老師,最初是用人物來做畫面呈現。

 

ーほう、ほう。

-嗯嗯

Kurtさん:仕事と並行して、自分が描きたいもの(人物)を描いていたんです。それも楽しかったのですが、SNSを中心に、だんだんファンの方が増えてきて。メインキャラクターの人物だけでなく、もっと他のものも楽しんでいただきたいと思うようになったんですよね。そこで選んだのが、ハートのモチーフでした。

Kurt Wu:後來想說要有一個角色可以跟我互動,後來就決定用愛心作為作品的配角。

 

ーハートのモチーフ。

-關於愛心的設計

 

Kurtさん:僕自身、いわゆる “人間観察” が好きなんです。カフェなどで、他人を見ながら過ごすこと。「なぜこの人は今携帯を触っているんだろう?」とか、「なぜ今笑ったんだろう?」とか、そういうことを考えるのが好きで。その時、僕は一人の “傍観者” になっているのですが、僕の作品で描いているハートも、同じような立ち位置なんです。

Kurt Wu:愛心其實是一個旁觀者,以客觀的角度去觀察這個世界,我和很喜歡觀察他人,例如在咖啡廳喝茶的時候會觀察路人,就會想「為什麼他一直都在看手機」或是「為什麼他在笑呢」。我喜歡作為一個旁觀者的角度在看這個世界,所以在作品上的愛心與現實中的我可能有點相似。

 

ー傍観者、ですか。

-愛心作為一個旁觀者嗎?

Kurtさん:よく見てもらうとわかるのですが、ハートたちには、感情が無いんですよね。遊んでいるのに、感情を表現していない。これは、つまらないということではないんです。あえて表情を無くすことによって、ただ傍観する。ぼんやり見る。実はこれ、僕自身の表現でもなくて。

Kurt Wu:對,您看我的作品中總有一個愛心是從旁邊觀察的,他們沒有表情,不是開心也不是不開心,只是沒有過多的情緒。

 

ーてっきりKurtさんご自身なのかと思っていました。

-愛心並不只是代表您嗎?

 

Kurtさん:そういった意味も少々あるのですが、主題は、絵を見てくれる人々ですね。現代は特に、みんなすぐにインターネットを使ったり、スマートフォンでTikTokやXなどを見るじゃないですか? どんな時でもデジタルの世界に入り込んでしまう。でも、きっと大切なのはそういうものだけではなく、もっと身近にもあると思うんです。アナログなものたちを、いわば “傍観者” の立場から見つめること。その重要性を表現しています。

Kurt Wu:也許有一部分是代表我自己,但是更多是想要大家都可以把自己代入這個角色,不只是看著手機使用社群軟體,而是多觀察一下世界,去共感這個世界。

 

ー目の前のコトやモノに、しっかりと目を向けること。デジタルだけではなく、アナログな視点と心で見つめること。

-為什麼覺得去觀察世界也很重要呢

Kurtさん:だからこそ、ハートなんです。どこの国の人でも、持っているもの。たとえ言葉が通じなくても、心は通じ合いますからね。

Kurt Wu:他是創作的一個方式,愛心同時也是世界的一個共同的符號,所以我選擇了愛心。所以如果就算語言不通,大家也看得懂愛心,容易代入角色。

 

ーすごく素敵だと思います。今回のコラボレーションアイテムについて、たとえば、特に気に入っているものはありますか?

-對於這一次合作,您有特別喜歡的商品嗎?

 

Kurtさん:これまでさまざまなアパレルブランドとコラボレーションしてきましたが、ビーニーを作ったのは今回が初めてでした。そういった意味でも、すごく気に入っています。

Kurt Wu:我很喜歡這一次合作的帽子,我與很多品牌合作製作了很多商品,這一次是我第一次製作了這種的帽款,所以我很喜歡。

 

ー最後に、日本のファンに向けて、伝えたいメッセージはありますか?

-最後您有沒有什麼跟日本的朋友們說嗎?

Kurtさん:日本に来るたび、毎度決まって感じることがあるんです。それは、ここに暮らしている人々のフレンドリーさと、優しさ。僕が重い荷物を運んでいるときに声をかけてくれたり、持つのを手伝ってくれたり。いつも、その優しい心に癒されています。僕が台湾人だということがわかったときには、いっそう優しくしてくださったり。そんなとっても素敵な日本の方々に、僕の絵で癒しを提供できたらいいなぁ、と。なるべくのんびりゆったりと、作品を眺めていただきたいです。

Kurt Wu:不知道為何每次我來日本都遇到很友善的人,例如我拿著很重的東西的時候會問我要不要幫忙。每一次來都覺得很放鬆,很舒適。在日本享受的這些療癒的時間,如果可以透過我的作品可以療癒日本的朋友我會很開心。希望大家能夠慢慢靜靜的享受欣賞作品的時間。

PROFILE

  • Kurt Wu

    1991年生まれ、国立台湾芸術大学視覚伝達デザイン科卒。
    シンプルな手法ながらも様々な感情を込めた作品を通じ、観る人へメッセージを発信している。中でも多く描かれるハートのデザインは、世の中を傍観する視点として、風刺やブラックユーモア、時事問題をテーマにした作品の持つメッセージを伝達する役割を担っている。イラストの製作だけではなく、グラフィックデザインやビジュアルデザインなど、様々な分野で活躍し、自身の感性と美学を溶け込ませた作品を台湾を拠点に多数発表している。

     

    1991年生,畢業於國立台灣藝術大學的視覺傳達設計系 ,擅長以簡約風格、黑白線條為主的方式呈現,利用簡單直接的方式呈現畫面,營造出不同的氛圍和情感,讓觀眾能夠透過作品最直接的情感和思想。

    愛心則是一個旁觀者的角度去觀看世界,題材以諷刺及黑色幽默、時事議題為主題。曾與數個品牌合作及聯名,此外插畫創作上外,也涉獵平面設計、視覺設計等領域,將自己的創意和美學觀念融入到不同的作品中。

INFORMATION

  • Kurt Wu × FREAK’S STORE COLLABORATION ITEM

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