8月10日にオープンし、早くも界隈で話題を呼んでいるCAFE & BAR MOTHER FACTORY。dooooの「誰でもいつでも人肉アイテムを鑑賞できる場所を作りたい」という願いを叶えたお店だ。
作品が鑑賞できるのでアートギャラリー的でもあるのだが、あくまでもカフェ&バーなのだという。人肉アイテムを知らない人がうっかり入ったら腰を抜かすであろう面白いスポットだが、どんな思いでショップをオープンしたのか。dooooに話を聞く。
アートを楽しむことが主題のカフェ&バー
ーいつ頃からお店をやろうと考えていたんですか?
doooo:全国で人肉展を開催しながら、いつかは自分のお店を持ちたいってずっと考えていたんですよ。具体的にちゃんと開けたいなって思ったのは今年の1月ぐらいです。その後も各地で展示を行いながら、ちょうど物件も見つかり、タイミングもバッチリだったので、思い切って8月10日にオープンさせることにしました。
ー表の看板には“CAFE&BAR”とありますが、そうなんですね?
doooo:そうです! お昼がカフェで夜がバー、そこに付随してアートギャラリーとしても機能させたいと考えています。やっぱり僕としては多くの人にアートを見てもらいたいので。
ー川崎市溝の口を選んだのはどういう理由があるんですか?
doooo:自分もずっと生活しているところで、好きな場所ですし、僕は一緒に住んでいなかったですけど、CreativeDrugStoreのメンバーがかつて同居していた家が近所だったり、遊んでいるのも溝の口でしたからね。あと、実は2歳くらいまでこの辺りに住んでいたんですよ。何かと縁が深い場所だし、好きなところっていうのが大きかったですね。
ーお店の中は壁がコンクリート打ちっぱなしでミニマルな感じが印象的ですね。
doooo:内装はなるべくシンプルにしようと考えたんです。どんなところにするかを考えたときに、まず自分の作品を展示したいっていうのが最初にあって。僕の人肉アイテムは特にそうなんですけど、人が作り出すアートって、ちょっと生き物っぽさがあったりして、僕はそこに惹かれるんですね。そんな作品群と調和が取れるように、という意味で無機質な感じにしたかったんです。なので、壁は物件のコンクリートをそのまま使用しています。
ーお店の奥に置かれている大きなハコのようなものが気になるのですが。
doooo:この黒い立方体の台は、早い段階から絶対にお店に置きたいと考えて作ったんですよ。今後、立方体の作品を作っていこうと考えるようになったので、そこも含めてこういう形になっています。台にもなるようになっていて、このアクリルボックスの中に作品を置きたいと考えているんですよ。
ーこれまでも立方体の作品はありましたが、改めてそこにフォーカスするようになったのは何か理由があるんですか?
doooo:もともと立方体が好きっていうのもあるんですけど、このタイミングでまた立方体を作りたいと思ったのは、やっぱりこのお店がきっかけですかね。内装はシンプルでも、置く台はめっちゃ変なものにしたいと思ったから、そういう方向を向いていったんだと思います。
ーどんな台を置くか、というのも、お店の内装を整えるにあたってこだわった点なんですね。
doooo:そうです。自分の好きな要素を絶対的に入れたかったので、ヘンテコだけど重厚感があるものにしたいと考えたときに大きなブラックボックスの台を思いついたんです。そもそも、世の中のものを立方体にしたら面白いっていうアイディアはずっとあって、その流れから人肉アイテムを立方体で作ったんですけど、それ以外のものもどんどん立方体にしたいと思っているんですよ。例えば、レコードを立方体にしたりとか。CreativeDrugStoreも6人なので、一面ずつメンバーが異なっているレコードにするとか。使い勝手はめちゃくちゃ悪いんでしょうけど、みんな、そういう見た目的に面白いものが好きなんじゃないかなって思うんで。僕はもうめっちゃ好きだし。そんな風に人を驚かせていく活動っていうのは継続して行っていく予定でいます。
ー立方体作品も楽しみにしております! ちなみに、お店が提供するメニューはどんな感じになるんですか?
doooo:ホットドッグが好きなんで提供していますね。それも僕が好きだからっていう理由なんですけど(笑)。あとはポテトやナゲットなどのスナックです。飲み物はお酒からソフトドリンク、季節によってはかき氷とか。多くの人に楽しんでもらえるように考えています。メニューに関しても本当にアートありきというか。作品を見ながら楽しめるものが多いです。
ーアートギャラリーとしての要素が重要なんですね。
doooo:そうです。本当に展示会の延長線上にある場所にしたいという気持ちがあるんです。海外から遊びに来た人が自分の作品を見たいけど、どこで見れるの? ってなったときに、これまでは展示会の会期中でなくては見せられなかったんですよね。それが、ここ「CAFE & BAR MOTHER FACTORY」に来てくれれば常設しているので触ったり鑑賞することができるので。ただ、ここでギャラリーと謳うよりもカフェ&バーにしたかったんです。若い人や、普段から美術館などに行かない人にとっては、どうしてもアートギャラリーというと敷居が高くなってしまう部分もあると思うので。本当に誰でも気軽に入って来てほしいから、カフェ&バーにしているんですよ。僕のことを知らない人もふらっと入ってきてほしいですね。それで、知らずに人肉アイテムが展示されているのを見ながら、コーヒーとかホットドッグを食べてもらって「あれ、何だろう?」っていう(笑)。そんな、ちょっとした非日常感を楽しんでほしいお店でもあります
INFORMATION
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CAFE & BAR MOTHER FACTORY
住所:神奈川県川崎市高津区下作延7-27-3 STAGE MIZONOKUCHI 1F
営業時間:11:30〜21:00(日〜木、金土のみ23:00)
PROFILE
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doooo
岩手県出身のアーティスト、プロデューサー、DJ。CreativeDrugStore所属。溝の口にショップ、CAFE & BAR MOTHER FACTORYをオープンさせた。